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春 ー出会いー
勧誘
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この日は部活動紹介であり、これまで悠と瑠奈が考えたことがついに発揮される日であった。
そのため瑠奈は、午前中も午後の授業もいつも話を聞いていないが、特に聞く耳を持っていなかった。
そして放課後、体育館に全校生徒が集まり、新入生は待ちに待ったようにワクワクした顔でいた。
杏美:うわぁ…こんなに大勢の前で勧誘挨拶するの??緊張しちゃうじゃん
瑠奈:私たちはマネージャーのことについて話すだけだけど…先輩たちはボール使った披露があるからね…
悠:まぁ任せとけって!トリは俺が飾って、新入生も驚いてカッコいいー!ってオチよ
瑠奈:ハードル上げすぎですよ…(笑)
そんな話を裏でしている中、次々と運動部の部活紹介が始まり、毎年バスケ部は盛大な盛り上がりを見せ、ついにサッカー部の番が来た。瑠奈たちマネージャーは、簡単にマイクでサッカー部について話し、あとは悠たちに託すという流れで、見事に先輩たち、というよりかは、やはり悠のプレーは一際目立ち、会場を湧かせていた。しかし、最も会場を盛り上げたのはその後だった。
亜美:ありがとうございました!最後に......あ、顧問の先生を紹介して終わりたいと思います。
瑠奈:っ........!(そんなのあったっけ.....?)
瑠奈は亜美の言葉に疑問を持ったが、大勢の人を目の前にして、中断させることができなかった。亜美の言葉通り、瑠奈も一年生の時からお世話になっている顧問の先生が前に出て一言言い、そして副顧問でもある新藤がマイクを取った。
新藤:えーーーっと、今年からサッカー部の副顧問として関わっていきます、新藤です。高校の時にサッカーをして以来ですが、精一杯サポートしていきます。新入生の皆さん、どうぞよろしくお願いします。
まさかの新藤がサッカー部の副顧問をするということに、再び会場はざわつき、あっという間に悠たちのプレーを持っていく形となってしまった。しかし、今年の部活動紹介はサッカー部の話題で持ち切りとなったおかげで、その日の見学者は歴代一位のレベルとなった。その後の部活も忙しくなりながらも、瑠奈は亜美に部活動紹介での話を聞き出した。
瑠奈:亜美、先生の紹介とか聞いてなかったんだけど....
亜美:あーー!あれね!実は直前に先輩たちに頼まれたんだよねー新藤先生が副顧問だって話せば大盛り上がりだろうからって
瑠奈:それ絶対マネージャー目当てじゃん....どうすんのよ大量に希望出されたら.....
亜美:んーーでも新藤先生って男子からも人気あるし、大丈夫じゃない?(笑)
瑠奈:いやいや、それでもマネージャーに10人とか20人、あるいはそれ以上来られても制限かけて止めさせるからね?
ため息を着く瑠奈に、亜美も''確かに''とやっと理解したようで、今後の部活に戸惑いを隠しきれずにいた。しかし思いのほか、次の日も、その次の日もマネージャー希望はあがらなかった。一方心配をよそに、部員の方は着々と集まっており、部活動の申請期限が締切となった。
瑠奈:よかったーー私たちの学年みたいに数人とかじゃなくて
亜美:マネージャーも取らなかったし、というか、希望ゼロだったらしいし。
瑠奈:ホント不思議。新藤先生の紹介があったからてっきり女子が大勢押しかけると思ったのに
亜美:先輩たちの作戦は不戦に終わったかー(笑)まぁ、今年も私たちで頑張ろうね!
そんな話を部活中に二人でしていると、様子を見に来た新藤が現れた。
新藤:二人ともお疲れ様ー!あ、部員結構入ってよかったね
瑠奈:はい、お陰様で
亜美:先輩たちはマネージャーの方に期待してたみたいですけどねーまさか一人も入らないとは(笑)
新藤:いや?今年はサッカー部のマネージャーが特に希望が多くて他の部活が困ってたみたいだけど
瑠奈:え、でもそんな話何にも......
新藤:まぁ........その希望を全部神田が切ってたからなー
亜美:え、悠先輩が?!
新藤:あまりにも希望が多くて、ホントはマネージャーの二人に決めてもらうんだと思ってたんだが、俺がとりあえずマネージャーの仕事について説明するって神田が言い出したんだよ。そしたら、後からやっぱり辞めますってみんな言い出してな(笑)
その信じられない言葉に瑠奈と亜美は益々気になり、新藤に詳しく聞くこととなった。
そのため瑠奈は、午前中も午後の授業もいつも話を聞いていないが、特に聞く耳を持っていなかった。
そして放課後、体育館に全校生徒が集まり、新入生は待ちに待ったようにワクワクした顔でいた。
杏美:うわぁ…こんなに大勢の前で勧誘挨拶するの??緊張しちゃうじゃん
瑠奈:私たちはマネージャーのことについて話すだけだけど…先輩たちはボール使った披露があるからね…
悠:まぁ任せとけって!トリは俺が飾って、新入生も驚いてカッコいいー!ってオチよ
瑠奈:ハードル上げすぎですよ…(笑)
そんな話を裏でしている中、次々と運動部の部活紹介が始まり、毎年バスケ部は盛大な盛り上がりを見せ、ついにサッカー部の番が来た。瑠奈たちマネージャーは、簡単にマイクでサッカー部について話し、あとは悠たちに託すという流れで、見事に先輩たち、というよりかは、やはり悠のプレーは一際目立ち、会場を湧かせていた。しかし、最も会場を盛り上げたのはその後だった。
亜美:ありがとうございました!最後に......あ、顧問の先生を紹介して終わりたいと思います。
瑠奈:っ........!(そんなのあったっけ.....?)
瑠奈は亜美の言葉に疑問を持ったが、大勢の人を目の前にして、中断させることができなかった。亜美の言葉通り、瑠奈も一年生の時からお世話になっている顧問の先生が前に出て一言言い、そして副顧問でもある新藤がマイクを取った。
新藤:えーーーっと、今年からサッカー部の副顧問として関わっていきます、新藤です。高校の時にサッカーをして以来ですが、精一杯サポートしていきます。新入生の皆さん、どうぞよろしくお願いします。
まさかの新藤がサッカー部の副顧問をするということに、再び会場はざわつき、あっという間に悠たちのプレーを持っていく形となってしまった。しかし、今年の部活動紹介はサッカー部の話題で持ち切りとなったおかげで、その日の見学者は歴代一位のレベルとなった。その後の部活も忙しくなりながらも、瑠奈は亜美に部活動紹介での話を聞き出した。
瑠奈:亜美、先生の紹介とか聞いてなかったんだけど....
亜美:あーー!あれね!実は直前に先輩たちに頼まれたんだよねー新藤先生が副顧問だって話せば大盛り上がりだろうからって
瑠奈:それ絶対マネージャー目当てじゃん....どうすんのよ大量に希望出されたら.....
亜美:んーーでも新藤先生って男子からも人気あるし、大丈夫じゃない?(笑)
瑠奈:いやいや、それでもマネージャーに10人とか20人、あるいはそれ以上来られても制限かけて止めさせるからね?
ため息を着く瑠奈に、亜美も''確かに''とやっと理解したようで、今後の部活に戸惑いを隠しきれずにいた。しかし思いのほか、次の日も、その次の日もマネージャー希望はあがらなかった。一方心配をよそに、部員の方は着々と集まっており、部活動の申請期限が締切となった。
瑠奈:よかったーー私たちの学年みたいに数人とかじゃなくて
亜美:マネージャーも取らなかったし、というか、希望ゼロだったらしいし。
瑠奈:ホント不思議。新藤先生の紹介があったからてっきり女子が大勢押しかけると思ったのに
亜美:先輩たちの作戦は不戦に終わったかー(笑)まぁ、今年も私たちで頑張ろうね!
そんな話を部活中に二人でしていると、様子を見に来た新藤が現れた。
新藤:二人ともお疲れ様ー!あ、部員結構入ってよかったね
瑠奈:はい、お陰様で
亜美:先輩たちはマネージャーの方に期待してたみたいですけどねーまさか一人も入らないとは(笑)
新藤:いや?今年はサッカー部のマネージャーが特に希望が多くて他の部活が困ってたみたいだけど
瑠奈:え、でもそんな話何にも......
新藤:まぁ........その希望を全部神田が切ってたからなー
亜美:え、悠先輩が?!
新藤:あまりにも希望が多くて、ホントはマネージャーの二人に決めてもらうんだと思ってたんだが、俺がとりあえずマネージャーの仕事について説明するって神田が言い出したんだよ。そしたら、後からやっぱり辞めますってみんな言い出してな(笑)
その信じられない言葉に瑠奈と亜美は益々気になり、新藤に詳しく聞くこととなった。
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