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恋煩い
勝てたら
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部活シーズンは続き、夏バテに負けないようにみんな毎日頑張っていた。顧問も熱を入れて指導し、瑠奈たちマネージャーもサポートに励んだ。
亜美:あと二週間って早いよねー
瑠奈:だねー。試合終わったら脱力感半端なさそう
亜美:うわぁ........でもさ、新体制始まるじゃん。先輩たちいなくなったら一気に少なくなるし、寂しくなるね
瑠奈:そっか。もう引退するのか.........
試合に終止符がうたれたと同時に悠たちは引退となり、新体制となることがもうすぐだということを二人はしみじみと実感していた。
亜美:..........ねぇ、瑠奈はさ.....ぶっちゃけどうなの?悠先輩のこと
瑠奈:どうって、何が?
亜美:だから.......!その.........もうすぐ一緒に部活できなくなって顔合わせることも減って........あぁーもぉー!率直にどう思うかってこと!
瑠奈:..........普通に、活気もなくなって寂しくなるとかじゃない?まぁ、受験勉強もあるだろうから頑張ってほしいとかだけど
亜美:..........何だろう、凄く先行きが不安だよ、私は。
瑠奈:何がそんなに不満なの?亜美もそうでしょ?
亜美:視点が違うんだよね、私が思う分にはいいんだけど、瑠奈はそういう感じで思っては欲しくないんだよね。
瑠奈:ごめん全然意味わからん。
亜美:もういいよ。私から言うことじゃないし、自分で気づいて
瑠奈は不思議に思いながらも、今は練習に集中しようと亜美をほっとき、自分の役割をこなしていた。そのまま昼休憩となり、いつも通り瑠奈は亜美とご飯を食べようとしていると悠が気が進まなさそうに瑠奈の元へと行った。
悠:........ちょっといいか。
瑠奈:はい、どうしました?
悠:....いや、ちょっと........
悠は亜美や周りを気にして中々言い出せずにいると周りは何かを察知し、そそくさと荷物を取り出した。
亜美:あ、私たちはあっちにいるんで!どうぞ、ごゆっくり!
''よし、俺らもあっちで食うか!''
瑠奈:え、何もそんなに.........ですよね
悠:いや、悪いそうしてくれ
瑠奈:え.......?
瑠奈はみんなの前では言えない話なのかと思い、戸惑ったものの、ご飯を食べながら悠の話を聞いた。
瑠奈:何か大事な話なんですか?あ、部活のことですか?
悠:..........俺さ、去年の試合出れなかっただろ?足捻挫して。
瑠奈:あぁ、そうでしたね.......。今年はホントに気をつけてくださいよ!
悠:.........わかってる。でも、ホントは去年の試合に出て、お前に言いたかったことがあったんだ。出られなかったから結局ズルズル言えずじまいだったけどな。
瑠奈:..........悠先輩?
悠:..........今度の試合、俺にとっては最後の試合で............もし関東大会に出場できたら.........
広いグラウンドも、今では二人の空間となり、静寂の中、瑠奈は緊張感を覚えた。いつもからかってばかりの悠の真剣な横顔に、冗談混じりの会話ではないことは瑠奈にだってわかるくらいだった。
悠:.............大事な話があるから、時間取っといて
瑠奈:.........え
悠:........じゃあ......俺戻るから
悠はそう言い残し、瑠奈は唖然としていた。そこに、今か今かと待っていた亜美たちがゾロゾロと瑠奈の元へと駆け寄った。
亜美:ちょっと!!!いい感じの雰囲気すぎて息できなかったんだけど!!!それで??どうだったの!
瑠奈:............どうって..........というか、亜美.........と先輩たち........今まで悠先輩がその.....知ってて.......
''長かったな.........いや長すぎた!遂に想いを伝えたのか.......感慨深いな!''
瑠奈:いえ..........試合が終わってから話があるとしか.........
亜美/先輩たち:............は??
瑠奈:ですから、もし関東大会に出場できたら、その後話したいことがある...........って
''.............あいつ、まだそんなことにこだわってたのかよ.........''
亜美:去年試合に出られなかったから断念したと思ってたけど........まさか関東大会というミッションがあったなんて........
先輩たちと亜美は悠を見るなり、ゲッソリとした表情としょうがないなという溜息をつきながら、それぞれ練習へと戻って行った。
亜美:はぁ、瑠奈も瑠奈だよ。悠先輩がそこまで言っても..........いや、私からは何も言えないか。
瑠奈:............亜美は気づいてたんだ。先輩が、私のこと............後輩としてじゃなくて恋愛として見てるって。
亜美:後輩として見てるわけ...........................え。
''え、おい、瑠奈ちゃん今なんて言ったか聞いたか''
練習に戻ったはずの先輩たちも足を止め、隣で聞いていた亜美もあんぐりした表情で、瑠奈の言葉に皆が驚いた。
亜美:さすがに気づいた!?え、自覚し始めた!というか、あそこまで言ってやっと意識したの?!
瑠奈:いや、自意識過剰だったら失礼だけど、試合終わって話したいことって、そういう事かなって。でも、悠先輩が私のこと.......っていうのが、いまいちピンと来なくて
亜美:私からは何も言えないけど.........とにかく!どしっとかまえて!それで、悠先輩が言いたいこと言えるように、関東大会出場を目指して、私たちもサポート本気で頑張ろう!
瑠奈:.......うん、それは........もちろん。
''..............よし、俺らも本気で頑張ろう。悠の想いもだけど、あいつがあそこまで本気になるなんて俺たちも頑張らない理由ないしな。''
悠は悠なりに、試合前の段階で大きな行動を起こし、本人は心臓が持たなくなるほどあれから瑠奈がどう思ったのか気になる中、他の先輩たちは熱を帯びた結束力を高め、あと二週間の練習はとてつもない熱意が込められていた。
亜美:あと二週間って早いよねー
瑠奈:だねー。試合終わったら脱力感半端なさそう
亜美:うわぁ........でもさ、新体制始まるじゃん。先輩たちいなくなったら一気に少なくなるし、寂しくなるね
瑠奈:そっか。もう引退するのか.........
試合に終止符がうたれたと同時に悠たちは引退となり、新体制となることがもうすぐだということを二人はしみじみと実感していた。
亜美:..........ねぇ、瑠奈はさ.....ぶっちゃけどうなの?悠先輩のこと
瑠奈:どうって、何が?
亜美:だから.......!その.........もうすぐ一緒に部活できなくなって顔合わせることも減って........あぁーもぉー!率直にどう思うかってこと!
瑠奈:..........普通に、活気もなくなって寂しくなるとかじゃない?まぁ、受験勉強もあるだろうから頑張ってほしいとかだけど
亜美:..........何だろう、凄く先行きが不安だよ、私は。
瑠奈:何がそんなに不満なの?亜美もそうでしょ?
亜美:視点が違うんだよね、私が思う分にはいいんだけど、瑠奈はそういう感じで思っては欲しくないんだよね。
瑠奈:ごめん全然意味わからん。
亜美:もういいよ。私から言うことじゃないし、自分で気づいて
瑠奈は不思議に思いながらも、今は練習に集中しようと亜美をほっとき、自分の役割をこなしていた。そのまま昼休憩となり、いつも通り瑠奈は亜美とご飯を食べようとしていると悠が気が進まなさそうに瑠奈の元へと行った。
悠:........ちょっといいか。
瑠奈:はい、どうしました?
悠:....いや、ちょっと........
悠は亜美や周りを気にして中々言い出せずにいると周りは何かを察知し、そそくさと荷物を取り出した。
亜美:あ、私たちはあっちにいるんで!どうぞ、ごゆっくり!
''よし、俺らもあっちで食うか!''
瑠奈:え、何もそんなに.........ですよね
悠:いや、悪いそうしてくれ
瑠奈:え.......?
瑠奈はみんなの前では言えない話なのかと思い、戸惑ったものの、ご飯を食べながら悠の話を聞いた。
瑠奈:何か大事な話なんですか?あ、部活のことですか?
悠:..........俺さ、去年の試合出れなかっただろ?足捻挫して。
瑠奈:あぁ、そうでしたね.......。今年はホントに気をつけてくださいよ!
悠:.........わかってる。でも、ホントは去年の試合に出て、お前に言いたかったことがあったんだ。出られなかったから結局ズルズル言えずじまいだったけどな。
瑠奈:..........悠先輩?
悠:..........今度の試合、俺にとっては最後の試合で............もし関東大会に出場できたら.........
広いグラウンドも、今では二人の空間となり、静寂の中、瑠奈は緊張感を覚えた。いつもからかってばかりの悠の真剣な横顔に、冗談混じりの会話ではないことは瑠奈にだってわかるくらいだった。
悠:.............大事な話があるから、時間取っといて
瑠奈:.........え
悠:........じゃあ......俺戻るから
悠はそう言い残し、瑠奈は唖然としていた。そこに、今か今かと待っていた亜美たちがゾロゾロと瑠奈の元へと駆け寄った。
亜美:ちょっと!!!いい感じの雰囲気すぎて息できなかったんだけど!!!それで??どうだったの!
瑠奈:............どうって..........というか、亜美.........と先輩たち........今まで悠先輩がその.....知ってて.......
''長かったな.........いや長すぎた!遂に想いを伝えたのか.......感慨深いな!''
瑠奈:いえ..........試合が終わってから話があるとしか.........
亜美/先輩たち:............は??
瑠奈:ですから、もし関東大会に出場できたら、その後話したいことがある...........って
''.............あいつ、まだそんなことにこだわってたのかよ.........''
亜美:去年試合に出られなかったから断念したと思ってたけど........まさか関東大会というミッションがあったなんて........
先輩たちと亜美は悠を見るなり、ゲッソリとした表情としょうがないなという溜息をつきながら、それぞれ練習へと戻って行った。
亜美:はぁ、瑠奈も瑠奈だよ。悠先輩がそこまで言っても..........いや、私からは何も言えないか。
瑠奈:............亜美は気づいてたんだ。先輩が、私のこと............後輩としてじゃなくて恋愛として見てるって。
亜美:後輩として見てるわけ...........................え。
''え、おい、瑠奈ちゃん今なんて言ったか聞いたか''
練習に戻ったはずの先輩たちも足を止め、隣で聞いていた亜美もあんぐりした表情で、瑠奈の言葉に皆が驚いた。
亜美:さすがに気づいた!?え、自覚し始めた!というか、あそこまで言ってやっと意識したの?!
瑠奈:いや、自意識過剰だったら失礼だけど、試合終わって話したいことって、そういう事かなって。でも、悠先輩が私のこと.......っていうのが、いまいちピンと来なくて
亜美:私からは何も言えないけど.........とにかく!どしっとかまえて!それで、悠先輩が言いたいこと言えるように、関東大会出場を目指して、私たちもサポート本気で頑張ろう!
瑠奈:.......うん、それは........もちろん。
''..............よし、俺らも本気で頑張ろう。悠の想いもだけど、あいつがあそこまで本気になるなんて俺たちも頑張らない理由ないしな。''
悠は悠なりに、試合前の段階で大きな行動を起こし、本人は心臓が持たなくなるほどあれから瑠奈がどう思ったのか気になる中、他の先輩たちは熱を帯びた結束力を高め、あと二週間の練習はとてつもない熱意が込められていた。
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