君がすべてを教えてくれた。

美桜

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恋煩い

意識

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あの大騒動からの練習は凄まじく、他の先輩はもちろん、一年生も二年生も熱を帯びた練習が始まった。あの日は結局、瑠奈はまともに悠を見ることができず、完全に意識した状態で、悠も緊張感が高ぶり、お互い話すことないままでいた。


亜美:ねぇ、あれから悠先輩と話してないの?

瑠奈:.................うん。

亜美:急に意識するってなるとそんな感じになるんだーーへぇーー(笑)

瑠奈:意識っていうか、何話せばいいのか分からなくなっちゃって.........

亜美:まぁ、待つしかない。いい?試合がどんな結果になっても、ちゃんと聞くんだよ!関東大会出場が叶わなかったら悠先輩ホントに言わないつもりみたいだし

瑠奈:それは...............もう分かんないよ......


瑠奈は心の中で分からなくなっていた。急に恋愛対象として見ることが難しいのもあるが、どこかで引っかかっている部分があった。


新藤:おぉ!何か見ないうちに気合い入ってんな!

瑠奈:っ!..........お疲れ様です。

新藤:ごめんなーー!忙しくてしばらく来れなくて。あと少しで試合だからか妙に気合い入ってて安心したよ

亜美:まぁ、団結力は誰にも負けない自信がありますね.........瑠奈のおかげで(笑)

瑠奈:ちょっと.........

新藤:まさか、四宮がサッカー部の番長的ポジションだったのか?(笑)

亜美:じゃなくて!...........関東大会まで行けたら..........

瑠奈:亜美ってば..........!

亜美:悠先輩が瑠奈に...........

瑠奈:だからやめてってば!!!


普段取り乱さない瑠奈の大声に、休憩に入ろうとしていた皆が足を止めて恐る恐るフィールドへと一歩下がった。


亜美:...........え、瑠奈?

新藤:...............悪い、茶化しすぎたな、大丈夫か?

瑠奈:あ..........いえ、ホントすいません。.........ちょっと、一旦出ますね。


そう言って瑠奈はグラウンドを出ていき、皆も戸惑いを覚えた。


''え、どした?喧嘩でもした?''

亜美:いや、私が悪いんです。その........昨日のこと新藤先生に思わず言いそうになって.......自分のことで話題になるの嫌なの知ってたのに..........

''あぁ、なるほど。よし、悠ー!ちょっと!''

悠:なんだよ、てかあいつどうした?何かあったのか?


悠が疑問に思う中、他の先輩がこっそりと悠に伝えた。


''うん、心配だよな。何か亜美ちゃんによると、昨日の昼から様子がおかしいらしく、妙に気にしてるみたいで.........何か知ってるか?''


知っているくせにあえて知らないフリをするその先輩の言葉に悠は当然心当たりがあり、戸惑いを隠すのに必死だった。


悠:いや.........俺は.........

''まぁ、俺らは休憩したいから余裕そうなお前が行ってやってくれ''

悠:....................あぁ


そう言ってコソコソしていた二人を他所に、亜美は自分から謝りに行きたそうにしている中、新藤が動き出した。


新藤:四宮は俺が見てくるよ。古本はみんなの休憩時間に仕事があるだろ。

亜美:あ、..............そうですね。すいません、お願いします

''いや、あの..........新藤先生は.......''

悠:俺が行きます。


新藤が行こうとした足を止め、悠が動き出したのを他の部員たちが息を呑んでハラハラしていた。


新藤:神田も休憩あるだろ。四宮は俺に任せて、練習に............

悠:多分俺が原因なんで。俺が行きます。


悠は新藤の言葉を遮り、足早に瑠奈の元へと走り出した。

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