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26.修学旅行
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「思ったより、いろいろ行けたな」
「やっぱ自転車最強」
「でももっと有名所も行きたかったな」
「予算とか決められてるから仕方ないっしょ」
オレたちは今、修学旅行で京都に来ている。今日は二日目、自由行動の初日だ。計画通り自転車を借りていろいろまわってきた。ただし予算が決められてるんで、有名なところは二か所だけだ。だって入園料がバカにならないんだもん。その代わり、無料の小さな寺や神社なんかろいろいろ見てきた。調べるといっぱいあるんだね。
清水寺と金閣寺は団体行動のコースになってる。清水寺は昨日行ってきた。金閣寺は最終日のコースになってる。あとどこだっけ?もう一か所くらいあったような気もするけど。
とにかく今は二日目の夜。晩ごはんも食べ終えて部屋でまったりしてるところだ。ここは四人部屋で、オレ、亮介、雅人、信一のいつものメンバーだ。愛理ちゃんと梨奈ちゃんとこも四人部屋で、別のグループの子二人と一緒だと言ってた。
「そろそろ風呂行かね? あんまり遅くなると怒られそうだし」
「だなぁ。智は? 今日はどうすんの?」
「オレ? オレは今日も部屋のシャワーでいいわ。今日は亮介も行ってきたら? オレのことは気にしないでいいよ」
オレたちが泊まってるホテル、最上階に大浴場があるんだよ。思った以上に広くて良かったって雅人が言ってた。昨日は雅人と信一だけが大浴場に行って、オレと亮介は部屋のシャワーで済ませた。でもって今日は亮介にも大浴場に行ってもらった。オレ? ホントはオレも行きたいよ。広い風呂なんて滅多に入るチャンスが無いんだからさ、行きたいに決まってるじゃん。
でも行けないんだ。それはオレじゃなくて亮介のせいだ。亮介ぇ、恨むぜぇ……。
だってさ、太腿の内側に、キスマークと歯型が付いてんだもん。なにそれ。歯型って有り得なくね? つか、オレ初めて見たんだけど。
さすがに無理っしょ。タオルで前を隠してたら何とかなりそうな気もするけど、湯船に浸かるときとかって隠せないし、無理に見せる場所じゃないけど万が一見えたら困るって言うか、やばいし言い逃れできないし恥ずかしすぎる。同じ理由で浴衣も着てない。オレだけジャージだ。
何でこんなときに、こんな場所に、こんなモノを付けるんだ! オレは声を大にして言いたい。言えないけど。
一応反省してたみたいだけどな。
「だいぶ薄くなったから、明日は行けるか? いや、やっぱ無理かなぁ……」
シャワーを浴びながら、ひとりつぶやいてた。
「すげぇなこれ。こんだけあったら鳥居って感じしないや」
今日は自由行動の三日目だ。愛理ちゃんが希望していた伏見稲荷に来てるとこ。雅人がつぶやいた通りすごいんだ。鳥居が隙間なく並んでる。それがずーっと続いてて、実際どこまであるんだろ? 何はともあれ迷子になることだけは無さそうだ。
「足がダルーい。これ今日にして良かったよ。最初にこっちだったら三日目死んでたかも」
「高校生がそんなこと言っちゃダメでしょ。……って、実は私もダルい」
見晴らしが良いところでお弁当食べながら、愛理ちゃんと梨奈ちゃんがそんな話をしていた。うん、そうなんだ。上ったり下ったりしながら延々と歩くんだ。最初はワイワイやりながら歩いてたんだけど、途中からは飽きてた。だって延々と続く鳥居のトンネルをあるくだけなんだもん。まあ、ちっちゃい鳥居とかは見てて面白かったけどな。
「この後どうする? 今日はここだけしか予定組んでないじゃん」
「京都駅行きたい。お土産とかも見たいし」
「でも遊んでるのバレたらヤバくね?」
「一時間くらいなら大丈夫なんじゃねぇの?」
「三時間はあるんだけど」
「だからさ、ここをゆっくりまわったことにして、残った一時間を駅前ですごしたって」
「でも実際は三時間遊んだと。……さすが雅人、いつも思うけど勉強以外だと頭いいな」
「ひでぇ」
こんなカンジで午後の予定が決まった。でも思ったより帰り道も時間がかかって、駅前をブラブラしたのは二時間くらいだった。
愛理ちゃんと梨奈ちゃんは「足がダルい」とか言ってたくせして、買い物になった途端元気になってたし。やっぱ女の子って買い物好きだよなぁ。それに付き合ったオレたちは少々お疲れモードかも。
「智はお土産どうすんの?」
「とりあえずお茶と団子? 亮介は?」
「渋いな、その土産。オレは……、まだ決めてない」
「お茶と団子ってのは、お母さんがそんなこと言ってたからだよ」
とりあえず、オレたちもお土産を買ったりしておいた。
修学旅行も、あとちょっとで終わりだ。
「やっぱ自転車最強」
「でももっと有名所も行きたかったな」
「予算とか決められてるから仕方ないっしょ」
オレたちは今、修学旅行で京都に来ている。今日は二日目、自由行動の初日だ。計画通り自転車を借りていろいろまわってきた。ただし予算が決められてるんで、有名なところは二か所だけだ。だって入園料がバカにならないんだもん。その代わり、無料の小さな寺や神社なんかろいろいろ見てきた。調べるといっぱいあるんだね。
清水寺と金閣寺は団体行動のコースになってる。清水寺は昨日行ってきた。金閣寺は最終日のコースになってる。あとどこだっけ?もう一か所くらいあったような気もするけど。
とにかく今は二日目の夜。晩ごはんも食べ終えて部屋でまったりしてるところだ。ここは四人部屋で、オレ、亮介、雅人、信一のいつものメンバーだ。愛理ちゃんと梨奈ちゃんとこも四人部屋で、別のグループの子二人と一緒だと言ってた。
「そろそろ風呂行かね? あんまり遅くなると怒られそうだし」
「だなぁ。智は? 今日はどうすんの?」
「オレ? オレは今日も部屋のシャワーでいいわ。今日は亮介も行ってきたら? オレのことは気にしないでいいよ」
オレたちが泊まってるホテル、最上階に大浴場があるんだよ。思った以上に広くて良かったって雅人が言ってた。昨日は雅人と信一だけが大浴場に行って、オレと亮介は部屋のシャワーで済ませた。でもって今日は亮介にも大浴場に行ってもらった。オレ? ホントはオレも行きたいよ。広い風呂なんて滅多に入るチャンスが無いんだからさ、行きたいに決まってるじゃん。
でも行けないんだ。それはオレじゃなくて亮介のせいだ。亮介ぇ、恨むぜぇ……。
だってさ、太腿の内側に、キスマークと歯型が付いてんだもん。なにそれ。歯型って有り得なくね? つか、オレ初めて見たんだけど。
さすがに無理っしょ。タオルで前を隠してたら何とかなりそうな気もするけど、湯船に浸かるときとかって隠せないし、無理に見せる場所じゃないけど万が一見えたら困るって言うか、やばいし言い逃れできないし恥ずかしすぎる。同じ理由で浴衣も着てない。オレだけジャージだ。
何でこんなときに、こんな場所に、こんなモノを付けるんだ! オレは声を大にして言いたい。言えないけど。
一応反省してたみたいだけどな。
「だいぶ薄くなったから、明日は行けるか? いや、やっぱ無理かなぁ……」
シャワーを浴びながら、ひとりつぶやいてた。
「すげぇなこれ。こんだけあったら鳥居って感じしないや」
今日は自由行動の三日目だ。愛理ちゃんが希望していた伏見稲荷に来てるとこ。雅人がつぶやいた通りすごいんだ。鳥居が隙間なく並んでる。それがずーっと続いてて、実際どこまであるんだろ? 何はともあれ迷子になることだけは無さそうだ。
「足がダルーい。これ今日にして良かったよ。最初にこっちだったら三日目死んでたかも」
「高校生がそんなこと言っちゃダメでしょ。……って、実は私もダルい」
見晴らしが良いところでお弁当食べながら、愛理ちゃんと梨奈ちゃんがそんな話をしていた。うん、そうなんだ。上ったり下ったりしながら延々と歩くんだ。最初はワイワイやりながら歩いてたんだけど、途中からは飽きてた。だって延々と続く鳥居のトンネルをあるくだけなんだもん。まあ、ちっちゃい鳥居とかは見てて面白かったけどな。
「この後どうする? 今日はここだけしか予定組んでないじゃん」
「京都駅行きたい。お土産とかも見たいし」
「でも遊んでるのバレたらヤバくね?」
「一時間くらいなら大丈夫なんじゃねぇの?」
「三時間はあるんだけど」
「だからさ、ここをゆっくりまわったことにして、残った一時間を駅前ですごしたって」
「でも実際は三時間遊んだと。……さすが雅人、いつも思うけど勉強以外だと頭いいな」
「ひでぇ」
こんなカンジで午後の予定が決まった。でも思ったより帰り道も時間がかかって、駅前をブラブラしたのは二時間くらいだった。
愛理ちゃんと梨奈ちゃんは「足がダルい」とか言ってたくせして、買い物になった途端元気になってたし。やっぱ女の子って買い物好きだよなぁ。それに付き合ったオレたちは少々お疲れモードかも。
「智はお土産どうすんの?」
「とりあえずお茶と団子? 亮介は?」
「渋いな、その土産。オレは……、まだ決めてない」
「お茶と団子ってのは、お母さんがそんなこと言ってたからだよ」
とりあえず、オレたちもお土産を買ったりしておいた。
修学旅行も、あとちょっとで終わりだ。
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