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2年
野営料理入門10
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「おかえりー。どこ行ってたんだ?」
「フィラー先生のところだよ。大図書館に迎えに行ったよね? ごめん」
「先生に呼ばれたなら仕方ないだろう。それにセインを探す前に、今日は来てないって司書さんが教えてくれたしな」
あの後フィラー先生の部屋にジャイルさんがやって来て、何故か三人で話し合いをすることになってしまったんだ。話し合いの内容は僕が書いたレポートについて。正確には、レポートに基づいての今後の案ってかんじかな。今年度の授業中止は決定だよ。その代わり来年はしっかりした授業にしたいから、その為の準備等をどうしようかって話し合い。先生たちの会議のときに案を出したいんだって。レポートを書いた僕なら良い案があるのではないかって考えたそうだ。でもそれは生徒に聞くんじゃなく、先生たちで考えるべきことなんじゃないかなぁ……。と言うことで、ちょっと納得いかない。
そんなわけですっかり遅くなってしまって、マシューには申し訳ないことをしちゃった。不可抗力だけどね。クラスが違うと、こんなとき不便だね。
「へぇ~。まさか始まったばかりの科目が終了になるとはねぇ」
「そうだね。とりあえず前世僕が書いた野草の本を見つけたから、それをフィラー先生に勧めといた」
「野草の本?」
「第6混成団の皆に配った本だよ。アルさんに聞いた野営料理も一緒に載せたヤツ」
「……ああ、あれかぁ。大図書館にあったんだ」
「うん。野草についてもあの本を見たら何とかなると思う」
「来年の野営料理入門の先生は、事前にそれを読んで勉強するってわけか」
「そうだね。本で勉強して、実際に野草を摘んで料理してみることになるかな」
「ふうん。誰が先生になるんだろうな」
「誰がなるにしろ、しっかり勉強しておいて欲しいよ」
「ははは、手厳しいな」
学園側も非は認めてるとは言え、いろんな人が振り回された形になってしまったんだから、今度こそしっかり準備して欲しいと思うよ。
そんなこんなで、最後の『野営料理入門』の日だ。
「『野営料理入門』の授業は今日で終わりになってしまったけど、オレとしては次回もこの時間にこのメンバーで集まりたいと思うんだ。どうだろうか?
考えてみたらさ、野営料理なんて習わなくてもオレたちだけで勉強できると思うんだよ。ジャイルさんに聞いたら野営料理の本も見つかったって言うしさ。ウワサでは来年のこの授業の先生は、その見つかった本を元に教えるらしいんだ。ならオレたちも一緒に勉強しても悪くないと思わないか? また来年もこの授業を取るよりよっぽど良いとオレは思ってる。皆はどうかな?」
先生たち――今日は担当講師になった全員が揃ってるよ――からの授業終了の話が終わった後、先輩のひとりが研究会発足の案を出してきたんだ。たしか彼は6年生で、よっぽどヘマをしない限り留年せず卒業できそうって会話を聞いたことがある。だから来年この授業が再開しても受けれる可能性はほぼ無いんだ。卒業後は冒険者になるってのも聞いたことがあるから、野営料理は是非覚えたいんだろうね。
「もちろんこれは自由研究だから、参加するかどうかは皆の自由だ。一応オレのグループはやりたいと言ってるから、少なくとも五人はメンバーがいることになる。他に希望する人はいないか? 将来冒険者になるのなら、この研究会は有意義だと思うんだけど」
話してるのはモーリスって名前の先輩。彼は最初この授業自体乗り気じゃなく、同じグループの人にお願いされて仕方なく一緒に受けたそうだよ。声が大きい人なので、直接話したことはほとんど無いのにいろいろ知ってしまったってかんじかなぁ。グループリーダー兼いじられ役ってポジションみたい。リロイさんみたいだね。
「オレはやりたいな。と言うか、ウチのグループはやるべきだと思う。なんせオレたちは食えないスープを作ったグループだからな。セイン君がいてくれて本当に助かったよ。セイン君、あの時はありがとう。つうことで、研究会に参加するとともに提案がある。と言うか、お願いって言った方が正しいかな。是非セイン君にも入って欲しい」
「えっ、僕ですか?」
「うん。あの場で短時間で美味しいスープを作ってくれたセイン君だから、もしかしたらいろいろとアドバイスを貰えるんじゃないかと思って。あれだけのものを咄嗟に作れるってことは、いろいろと引き出しがあるんじゃないかなぁ。どうだろうか?」
「えーっと……」
「オレも賛成だな。オレの勘が囁いてるんだ。セイン君をいれた方が絶対面白くなるって」
「あの……」
「モーリスにしては良いこと言うじゃんか。オレも賛成だ。セイン君どうだろう? と言うか、オレからもお願いしたい」
「あー……、はい、分かりました。僕も参加します」
後で知った話だけど、モーリス先輩のグループは、僕同様この授業が終了になるのを事前に聞いてたそうなんだ。だからグループ内でいろいろ話し合って、生徒主導の研究会を発足させようって決まったみたい。少なくとも自分たち以外にも賛同する生徒がいるだろうって予想もしてたようだよ。僕自身はどっちでも良かったかな。でも面白そうな気もしたから、こうやって指名されなくても参加したんじゃないかと思ってる。そして可能なら、メンバー全員に痺れ茸を振る舞いたいなぁ。今のうちに食べておいて絶対損は無いと思うんだ。
この研究会は生徒が自主的に立ち上げた生徒主導のものなのだけど、何故か一部の冒険者も参加することになった。と言っても毎回ではなく、時間が空いてるときに参加させてくださいってかんじかな。冒険者側は学園の許可が必要だけど、この研究に関してだけはすんなり許可を貰えるだろうってことだ。そこらへんの事情は、何となく想像できるね。
「と言うことで、次回からよろしく。ちなみに次回はどうしようか? あー、次回は話し合いってことで良いか。今後の活動についての具体的な案を持ってきて欲しいな」
リーダーは、言い出しっぺのモーリス先輩がやることになったよ。それ以外は次回以降に決めようってことだね。次回以降の研究会の進め方はどうしようかな? 何となく僕が出した案が採用されるような予感があるんだ。だからしっかりしたものを作って持ってこようと思ってる。
研究会では最初は皆で簡単な料理をしたり、料理以外の野営時の注意点や現役冒険者がやってる工夫とかを聞いたりなんてことをやってたけど、進めて行くうちに、いつの間にか僕が皆に教えるような形になっていった。味付けのアドバイスが適格だったのと、僕自身が野草に詳しいってのが皆にバレたからだね。皆が聞いてくるうちに、自然とそう言う形になっていったんだ。このメンバーの中では僕が一番年下だけど、誰もそれは気にしなくなってた。知ってる人が知らない人に伝授する。単純に言うとそれだけ。生意気だと言う人がいなくて良かったと思う。
講師担当だった冒険者さんたちも時間が許す限り参加してきてて、結局翌年以降の『野営料理入門』の講師は引き続き彼らが担当することになった。授業のカリキュラムについては、研究会でやった内容からチョイスしていったってかんじかな。ウィードさんに泣きつかれて、僕自身もカリキュラム案作りに加わるはめにもなったよ。おかしいよね、僕まだ2年生なのに……。
研究会はこの一年だけで解散となった。翌年からはしっかりとしたカリキュラムでの授業が始まったから、もう必要ないよねってことだ。この研究会メンバーは翌年以降の授業は受けることは無かったものの、野外実習のときはサポート役で招かれることが多かったよ。受動的に授業を受ける人たちに比べると、僕たち研究会のメンバーは自発的にいろいろやったからね。研究会としての野外実習もたくさんしたから、アドバイスできることは沢山あったってわけ。
僕自身もお願いされることはあったけど、申し訳無いと思いつつ毎回断ってた。僕が伝授したメンバーが授業を受けた生徒にいろいろアドバイスするって形が出来てたからね、そこにはもう僕はいない方が良いと思ったの。もちろんそれは僕の心の中にだけ留めて、口に出したことは無いよ。さすがに下級生の僕が言うセリフじゃないから。
◇◇◇ ◇◇◇
「やっぱりセインは、どこまで行ってもセインだな」
研究会で僕が皆に教えるようになって、暫く経った頃のマシューのセリフだ。
どうしてもガマンできなくて、研究会メンバー全員に痺れ茸料理を振る舞ったんだ。あの後フィラー先生にガッツリ怒られたけど、僕自身は後悔してないよ。むしろ満足してる。せっかくの野営料理だもの。美味しいキノコは味わうべしってのが僕のモットーだから。
「どうしよう、マシュー……。課題が全く終わりそうな気がしない」
「自業自得だ」
「うー」
お説教の後で大量の課題を渡された僕は、ここ数日本当に大変な思いをしてるところ。酷いよね?
※※※
痺れ茸を食べさせるのはお約束です。
セイン自身大量の課題をこなすだけで精一杯で気付いてませんが、実は課題は高学年向けのものだったりします。普通は解けない問題をしれっと出したフィラー先生もフィラー先生ですが、それに気づかず解いてるセインもセインです。本編には載せない裏話(笑)
これにて一旦終了です。
続きはいつかまた。新しいエピソードを思いついたときに投稿いたします。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
「フィラー先生のところだよ。大図書館に迎えに行ったよね? ごめん」
「先生に呼ばれたなら仕方ないだろう。それにセインを探す前に、今日は来てないって司書さんが教えてくれたしな」
あの後フィラー先生の部屋にジャイルさんがやって来て、何故か三人で話し合いをすることになってしまったんだ。話し合いの内容は僕が書いたレポートについて。正確には、レポートに基づいての今後の案ってかんじかな。今年度の授業中止は決定だよ。その代わり来年はしっかりした授業にしたいから、その為の準備等をどうしようかって話し合い。先生たちの会議のときに案を出したいんだって。レポートを書いた僕なら良い案があるのではないかって考えたそうだ。でもそれは生徒に聞くんじゃなく、先生たちで考えるべきことなんじゃないかなぁ……。と言うことで、ちょっと納得いかない。
そんなわけですっかり遅くなってしまって、マシューには申し訳ないことをしちゃった。不可抗力だけどね。クラスが違うと、こんなとき不便だね。
「へぇ~。まさか始まったばかりの科目が終了になるとはねぇ」
「そうだね。とりあえず前世僕が書いた野草の本を見つけたから、それをフィラー先生に勧めといた」
「野草の本?」
「第6混成団の皆に配った本だよ。アルさんに聞いた野営料理も一緒に載せたヤツ」
「……ああ、あれかぁ。大図書館にあったんだ」
「うん。野草についてもあの本を見たら何とかなると思う」
「来年の野営料理入門の先生は、事前にそれを読んで勉強するってわけか」
「そうだね。本で勉強して、実際に野草を摘んで料理してみることになるかな」
「ふうん。誰が先生になるんだろうな」
「誰がなるにしろ、しっかり勉強しておいて欲しいよ」
「ははは、手厳しいな」
学園側も非は認めてるとは言え、いろんな人が振り回された形になってしまったんだから、今度こそしっかり準備して欲しいと思うよ。
そんなこんなで、最後の『野営料理入門』の日だ。
「『野営料理入門』の授業は今日で終わりになってしまったけど、オレとしては次回もこの時間にこのメンバーで集まりたいと思うんだ。どうだろうか?
考えてみたらさ、野営料理なんて習わなくてもオレたちだけで勉強できると思うんだよ。ジャイルさんに聞いたら野営料理の本も見つかったって言うしさ。ウワサでは来年のこの授業の先生は、その見つかった本を元に教えるらしいんだ。ならオレたちも一緒に勉強しても悪くないと思わないか? また来年もこの授業を取るよりよっぽど良いとオレは思ってる。皆はどうかな?」
先生たち――今日は担当講師になった全員が揃ってるよ――からの授業終了の話が終わった後、先輩のひとりが研究会発足の案を出してきたんだ。たしか彼は6年生で、よっぽどヘマをしない限り留年せず卒業できそうって会話を聞いたことがある。だから来年この授業が再開しても受けれる可能性はほぼ無いんだ。卒業後は冒険者になるってのも聞いたことがあるから、野営料理は是非覚えたいんだろうね。
「もちろんこれは自由研究だから、参加するかどうかは皆の自由だ。一応オレのグループはやりたいと言ってるから、少なくとも五人はメンバーがいることになる。他に希望する人はいないか? 将来冒険者になるのなら、この研究会は有意義だと思うんだけど」
話してるのはモーリスって名前の先輩。彼は最初この授業自体乗り気じゃなく、同じグループの人にお願いされて仕方なく一緒に受けたそうだよ。声が大きい人なので、直接話したことはほとんど無いのにいろいろ知ってしまったってかんじかなぁ。グループリーダー兼いじられ役ってポジションみたい。リロイさんみたいだね。
「オレはやりたいな。と言うか、ウチのグループはやるべきだと思う。なんせオレたちは食えないスープを作ったグループだからな。セイン君がいてくれて本当に助かったよ。セイン君、あの時はありがとう。つうことで、研究会に参加するとともに提案がある。と言うか、お願いって言った方が正しいかな。是非セイン君にも入って欲しい」
「えっ、僕ですか?」
「うん。あの場で短時間で美味しいスープを作ってくれたセイン君だから、もしかしたらいろいろとアドバイスを貰えるんじゃないかと思って。あれだけのものを咄嗟に作れるってことは、いろいろと引き出しがあるんじゃないかなぁ。どうだろうか?」
「えーっと……」
「オレも賛成だな。オレの勘が囁いてるんだ。セイン君をいれた方が絶対面白くなるって」
「あの……」
「モーリスにしては良いこと言うじゃんか。オレも賛成だ。セイン君どうだろう? と言うか、オレからもお願いしたい」
「あー……、はい、分かりました。僕も参加します」
後で知った話だけど、モーリス先輩のグループは、僕同様この授業が終了になるのを事前に聞いてたそうなんだ。だからグループ内でいろいろ話し合って、生徒主導の研究会を発足させようって決まったみたい。少なくとも自分たち以外にも賛同する生徒がいるだろうって予想もしてたようだよ。僕自身はどっちでも良かったかな。でも面白そうな気もしたから、こうやって指名されなくても参加したんじゃないかと思ってる。そして可能なら、メンバー全員に痺れ茸を振る舞いたいなぁ。今のうちに食べておいて絶対損は無いと思うんだ。
この研究会は生徒が自主的に立ち上げた生徒主導のものなのだけど、何故か一部の冒険者も参加することになった。と言っても毎回ではなく、時間が空いてるときに参加させてくださいってかんじかな。冒険者側は学園の許可が必要だけど、この研究に関してだけはすんなり許可を貰えるだろうってことだ。そこらへんの事情は、何となく想像できるね。
「と言うことで、次回からよろしく。ちなみに次回はどうしようか? あー、次回は話し合いってことで良いか。今後の活動についての具体的な案を持ってきて欲しいな」
リーダーは、言い出しっぺのモーリス先輩がやることになったよ。それ以外は次回以降に決めようってことだね。次回以降の研究会の進め方はどうしようかな? 何となく僕が出した案が採用されるような予感があるんだ。だからしっかりしたものを作って持ってこようと思ってる。
研究会では最初は皆で簡単な料理をしたり、料理以外の野営時の注意点や現役冒険者がやってる工夫とかを聞いたりなんてことをやってたけど、進めて行くうちに、いつの間にか僕が皆に教えるような形になっていった。味付けのアドバイスが適格だったのと、僕自身が野草に詳しいってのが皆にバレたからだね。皆が聞いてくるうちに、自然とそう言う形になっていったんだ。このメンバーの中では僕が一番年下だけど、誰もそれは気にしなくなってた。知ってる人が知らない人に伝授する。単純に言うとそれだけ。生意気だと言う人がいなくて良かったと思う。
講師担当だった冒険者さんたちも時間が許す限り参加してきてて、結局翌年以降の『野営料理入門』の講師は引き続き彼らが担当することになった。授業のカリキュラムについては、研究会でやった内容からチョイスしていったってかんじかな。ウィードさんに泣きつかれて、僕自身もカリキュラム案作りに加わるはめにもなったよ。おかしいよね、僕まだ2年生なのに……。
研究会はこの一年だけで解散となった。翌年からはしっかりとしたカリキュラムでの授業が始まったから、もう必要ないよねってことだ。この研究会メンバーは翌年以降の授業は受けることは無かったものの、野外実習のときはサポート役で招かれることが多かったよ。受動的に授業を受ける人たちに比べると、僕たち研究会のメンバーは自発的にいろいろやったからね。研究会としての野外実習もたくさんしたから、アドバイスできることは沢山あったってわけ。
僕自身もお願いされることはあったけど、申し訳無いと思いつつ毎回断ってた。僕が伝授したメンバーが授業を受けた生徒にいろいろアドバイスするって形が出来てたからね、そこにはもう僕はいない方が良いと思ったの。もちろんそれは僕の心の中にだけ留めて、口に出したことは無いよ。さすがに下級生の僕が言うセリフじゃないから。
◇◇◇ ◇◇◇
「やっぱりセインは、どこまで行ってもセインだな」
研究会で僕が皆に教えるようになって、暫く経った頃のマシューのセリフだ。
どうしてもガマンできなくて、研究会メンバー全員に痺れ茸料理を振る舞ったんだ。あの後フィラー先生にガッツリ怒られたけど、僕自身は後悔してないよ。むしろ満足してる。せっかくの野営料理だもの。美味しいキノコは味わうべしってのが僕のモットーだから。
「どうしよう、マシュー……。課題が全く終わりそうな気がしない」
「自業自得だ」
「うー」
お説教の後で大量の課題を渡された僕は、ここ数日本当に大変な思いをしてるところ。酷いよね?
※※※
痺れ茸を食べさせるのはお約束です。
セイン自身大量の課題をこなすだけで精一杯で気付いてませんが、実は課題は高学年向けのものだったりします。普通は解けない問題をしれっと出したフィラー先生もフィラー先生ですが、それに気づかず解いてるセインもセインです。本編には載せない裏話(笑)
これにて一旦終了です。
続きはいつかまた。新しいエピソードを思いついたときに投稿いたします。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
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