4種族9人の主人公の運命が絡み合い、凍える大陸を目覚めさせる!王道ファンタジー『オルダニアの春』

武濤大洋@鴻鵠ブラザーズ

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第5章 囚われた者たち

ギャラン

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 オルダニアには東西に流れる二本の大河によって、北部、中部、南部と分けることができる。中部と南部の境は、『神吹の湖』から流れる、『竜の大河』だった。

 それは途中で枝分かれして、かたや呼び名はそのままで『黄金の港町』から南の海へ落ち、もう片方は『ゴーガの河』と名前を変え、さらに東へ向かって大陸を横断していく。

『王都』は、『ゴーガの河』沿いのオルダニア中部に位置していた。

 栄華を極めるエドワード王城とクルセナ大聖堂を二つの目となり、都はどこよりも活気にあふれ、賑々しく、そして猥雑だった。オルダニア大陸の全ての財と贅が集まり、金で買えないものは一つもなかった。人命でさえ、取引されていた。

 その頃はまだアゼルドと呼ばれていたエドワード七世と、アーロン、ギャランの三兄弟が生まれ育ったのは、まさにその中心だった。
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