オム・ファタールと無いものねだり

狗空堂

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1.オム・ファタールと無いものねだり

旧図書館の主

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『前野が親衛隊の奴らに連れてかれたんだ……! 俺、前野と一緒にノート運びやってたんだけど、職員室から帰る時に呼び止められて……。前野、俺を逃がす為に『ちょっと話してくるわ』って。でもアイツら、多分会長の親衛隊で、その中でも過激派の奴らだ。猪狩も鹿屋も部活で居ないし、俺、俺どうしたらいいか分かんなくって……!』

 半泣きの蝶木には猪狩と鹿屋への連絡を任せて、俺は全速力で校内を見回ることにした。



 道中を行く生徒たちに片っ端から『前野篤志を見なかったか』と問いただせば、俺の鬼気迫る表情に恐れをなしたのか皆親切に教えてくれた。

 目撃証言から目撃証言に飛び移っていけば、最後に辿り着いたのは『多分旧図書館に連れて行かれた』。なんでも、その過激派グループが所謂制裁を行うのは旧図書館というのが相場らしい。


 旧図書館。本校舎からも寮からも遠く、敷地の端の方にぽつりとある建物だ。本校舎の移設と建て替えに伴い置いて行かれたらしい。立ち入り禁止にはなっているが厳重ではなく、そこでサボったり制裁を行ったり同性不純交友をするのは生徒の中の暗黙の了解のようだった。


 親切な生徒から貰った情報を頼りに歩いて行けば、延々と広がる畑や果樹園の先に一際目立つ建物が見えた。あれが多分、そうなのだろう。俺の知っているボロい市営の図書館などとは大違いだ。

 まるで洋館のような佇まい。敷地の果てにこんな建物があるとは思わなかった。どんだけ広いんだこの学園は。


 ザク、ザク、ザク。土を踏みしめて入口へと向かえば、厳かな空気が漂う入り口に辿り着いた。重そうなガラス戸は曇りはすれど、ヒビや割れなどは見当たらない。手摺にも埃は積もっていなかった。出入り自体はよくあるようだ。

 ギ、と押し開ければ、少し黴臭い空気がむわりと身を包む。ドーム状の天井は一部ガラス張りのようで、太陽光のおかげでか思ったよりも暗くない。

 受付には誰も居なかった。円形に広がる館内は、全て中心に向かう形で本棚が配置されている。壁一面にも本棚が設置されていて、そのどれにもみっしりと本が詰まっていた。


「……すみませーん、誰かいませんか?」
 空間に向かって呼びかけても何も返事は無い。仕方ない、とスマホで電話をかけ続けながら足を進める。これだけ静かだったら着信音は良く響くだろう。スマホをぶっ壊されてなければの話だが。


 頼む、無事で居てくれ。ドコドコと荒ぶる心臓を押さえつけて館内をずんずんと進む。コール音と、俺の僅かな衣擦れ。足音は毛足の長い絨毯に全部飲み込まれてしまう。キラリ、と視界の端で何かが反射した。


「篤志、居るのか! 居るなら——」
「探し物か? こんな果てまでご苦労なこった」
「ッ、誰だ!」

 声がした方を振り返る。中心には半円の背の低い本棚がサークル状に設置されていた。その中には一層分厚い絨毯が敷かれていて、どうやら昔は靴を脱いで寛げる読書スペースだったようだ。

 そこからのそり、と人影が起き上がる。デカい。本棚の高さから考えても、二メートル近くはあるんじゃないか。またキラリ、と何かが反射した。男の付けているピアスだろうか。明らかな不審者の登場に、ごくりと生唾を飲んで対峙する。


「おいおい、そんな怖い顔するなよ」
「お前が篤志を連れ出したのか」
「俺が? まさか。龍宮の親衛隊なんて死んでも御免だな」

 男は肩を竦めた後、本棚を跨いでこちらに向いて腰を下ろした。行儀が悪い男だ。というよりもその口ぶり、篤志が生徒会長の親衛隊に連れ出されたということは知っているのか。

「……そうか。なら、騒がしい奴らを見なかったか? 俺の友人がここに連れて来られたって聞いたんだ」
「敬語」
「怪しい奴を敬う心は生憎持ち合わせてないんだ。他を当たってくれ」

 俺が吐き棄てるようにそう言えば、男は垂れた目を細めてカラカラと笑った。こんな敷地の果てにある建物に、一人で居る時点で怪しさ満点だ。ネクタイを締めていないからカラーから学年の判断も出来ない。


「俺と取引か? 後田宗介」
「ッ、」

 フルネームを呼ばれて身体が強張る。相手は俺を知っている? だが俺はこんな大男見たことない。学園の主要メンバーとして砂盃に魅せられた写真の中にも居なかったはずだ。


「後田宗介、十五歳。あの前野篤志と一緒に一週間遅れで入学してきた高等部からの編入生。一年B組に所属、同室者は砂盃菊之助」
 
 ペラペラペラ、と男から告げられる情報にゾッとする。が、砂盃も同じように様々な生徒のパーソナルデータを把握していた。ここは田舎の閉鎖的な村と同じなのだろう。よそ者の情報はすぐ出回る。
 篤志は有名人だ。それにくっついている俺だって、それなりに知られているのだろう。


「何が言いたい」
「取引をしようぜ。お前、知りたいことがあるんだろう」
「……残念だが、俺はただの従者だ。搾り取れるような金は無い」
 馬鹿馬鹿しい、付き合うだけ無駄だ。踵を返そうとした俺を呼び止めるように続けた。

「そうだろうなあ、お前は前野の使用人夫妻の養子だ。前野篤志と特別仲が良かったって、所詮は庶民のよそ者。金なんて期待してないさ」
「……は、」

 何で、知っている。呆然とした目で男を見れば、目を三日月に歪めて「ようやくこっちを見たな」と笑った。


「俺はしがない情報屋でね。ある程度のことは知ってるのさ。生徒のデータも、今誰がどこに居るのかも」
「データ」

「まだ信じないか? 後田宗介、父は後田雄介、母は日輪田信女。双方の親族全員から猛反対されて駆け落ち同然で結婚。お前が生まれるも、父親の会社の倒産、母親の事故など度重なる不幸に母親の精神が不安定に。よく分からん宗教にのめりこんだ末に財産を食い潰されて離婚。男手一つでお前を育てるも、三百万人に一人の難病を発症。旧知の仲である前野勇志に拾ってもらい、約一年の闘病の末死去。残されたお前は前野家使用人の山田夫妻の養子となる。……どうだ?」


 つらつらと述べられた俺、並びに良心のデータに目の前が真っ暗になる。コイツ、どこまで知ってるんだ? 単なる情報通で片付けていいレベルじゃない。


「お、信じたか?」
「……今誰がどこに居るのかも、分かるのか」
「まあな、大体。お前さんのお姫様の居場所もな。お前、ここに来る前に第四用具室も覗いたろ。残念、そこは『風紀の』親衛隊が制裁を行う場所だ」

 なんでもない風にそう言われて、俺はああもう全てが本当なのだ、と言葉を失った。
 
 ここに来る前に第四用具室に寄った。旧図書館に行く道すがらにあったから、念のために。
 いつか砂盃が「ここは気を付けなよ、校舎からも遠いから滅多に人が通りかからない。連れ込まれたらおーわり」と言っていたことを思い出したのだ。だけどそれは誰にも見られていないはずだ。砂盃の言う通り、周囲には人っ子一人居なかった。


「……篤志は、無事、なんだな」
「今のところは、な。やっぱり人誑かしの血はすごいな。あの親衛隊もたじってる」
「好きで誑かしてるわけじゃない。……で、対価は」

 今から闇雲に探し回るよりも、この男の望む対価とやらを渡してとっとと篤志の元に向かった方がいいだろう。この目で無事を確認できるまでは安心できない。


「そうさなぁ、理由が知りたい」
「理由?」
「そう。前野とお前が、他と違って一週間だけ遅れて編入してきた理由だ」

 そんなこと、と拍子抜けした。そんなことを知ってどうするというのだろう。理由なんて大したことない。一族の大事な儀式とか、何か特別な理由があってとか、そんなものは無い。
 訝し気に見上げる俺を、男は宥めるように言葉を紡ぐ。

「前野の使用人は皆口が堅くてね。掘っても掘っても欲しい情報が出てこない。前野の情報は、どんな小さなことだって誰もが喉から手が出るほど欲しい宝石なんだ。お前にとってはたかが日常の一かけらでも、な」

 しばらく考える。この情報を明け渡して、前野の家にどの程度の損失があるか。……全然思い当たらない。それ程までに些末な理由だ。旦那様や奥様に特別口を噤むよう言われていることも無い。
 なら、この程度で篤志の身の安全が買えるのなら安いもんだ、と口を開く。


「……俺の父親の命日が、四月十日なんだ。その日は決まって父親の墓に行く。俺は別に毎年やらなくていいって言ってるが、旦那様が俺の成長を面と向かって報告しないとって、毎年お時間を取ってくださる。それでまあ、入学式が七日だったろ。寮と行き来するのも面倒くさいだろうってなって、一週間だけ遅らせていただいたんだ」


 親父は親族の誰とも縁を切っていて、骨の引き取り手は誰も居なかった。俺が引き取ったとて墓を建てられる金も無い。もういっそ、適当な海に撒いてしまおうか——。息子にそんな風に思われる可哀想な親父の骨を、旦那様は引き取ってくださった上に、別荘の一番日当たりのいい場所に墓を立ててくださったのだ。

 『君のお父さんにはたくさん迷惑をかけてしまったからね』。それが旦那様の口癖だった。
 果たしてこの人にそんなことを言われる程、父は価値がある人間だっただろうか。いつだって瑞々しい花を供えられ、ぴかぴかに磨かれている墓石を見る度にそう思う。父は愚かな人間だった。



「……対価は支払ったぞ」
「……へえ、墓参り、ねえ。うんうん、いいね、最高だ。俺の中の仮説が補強された」
「仮説?」
 心底愉快そうにそう言う男に問い返せば、太い眉を器用に片方持ち上げて、まるで舞台役者のように声を上げた。



「前野の血に関する三つの言い伝えを知ってるか」
「言い伝え?」
「なんだ、知らないのか。前野の従者のくせに……ああいや、隠されていたか」

 隠されていた。耳障りの悪い言葉に眉を顰める。前野の血が人を狂わせる、前野家の方々やそこに仕える人々はよくそう言う。それ以外に何か馬鹿馬鹿しい噂があるというのか。



「一つ、前野の血は人を狂わせる」
 男がするりと本棚から降りて、絨毯の上に音もなく立つ。そのままゆっくりとした足取りで、俺の方へと歩き出した。


「二つ、前野の人間は人に愛され、殺される」

 これも、皆が言っていたことだ。前野の血を引く人間は、沢山の人間を引き寄せる。そして引き寄せた人間から愛され、慈しまれ、数々の祝福を惜しみなく与えられる。

 だけど必ず最後は、前野の血に狂わされた誰かによって、『殺される』のだそうだ。旦那様のお父様も、旦那様のお父様のご兄弟も、そのご先祖も。誰も彼もが、例外なく「殺人」という行為によって、この世を去っている。


『僕も、篤志も。きっとそう。そうなるんだよ』
 そう笑って言った旦那様が、子供心に恐ろしくて仕方が無かったのを、覚えている。




「三つ、前野の人間が愛した者は————」

 ——————ヴーーッ!



 男が俺の真正面に立った時、言葉を遮るようにして、静寂の旧図書館内に似使わないバイブ音が鳴り響いた。

「ッ、もしもし、篤志?!」
 震えたスマホを慌てて耳に当てて叫ぶ。電話口の向こうで、情けない声の篤志が『そーすけぇ~』といつもの調子で俺の名を呼んだ。

「おまっ……お前、何してんだ! 今どこだ!」
『超大変だったんだよ~! 親衛隊に呼び出されたんだけど、なんか風紀委員長? さんが通りかかってくれてさぁ。今保健室で手当てしてもらってる』
「怪我したのか?!」
『かすり傷だって。あー、先生のおつかいなんてするんじゃなかった』


 あまりにも拍子抜けする声でペラペラと続けるものだから、安心から来る疲労でずるずるとその場にしゃがみ込んでしまった。
 てかお前、聞き流してたけど風紀委員長って。また厄介なモン釣り上げてきやがって、クソ、あーもう、無事でよかった。ほんとに。腹立つから言わねえけど。

「はー……、分かった、今行く。お前、蝶木と猪狩たちにも連絡しとけよ。心配してた」
『はいはーい、了解~。いつもごめんな!』
 呑気な声に少しだけ笑ってから電話を切った。顔を上げれば、目を細めた男が俺をじっと見つめている。


「なんだ、見つかっちまったか、お姫様」
「お陰様で」
「代金、支払い損になったな」
「いい。別に、価値あるもんでも無いだろ」

「そうはいかない。俺はこういうので商売してるんでね。そうだ、次のツケにしといてくれ。何かあったらまた聞きにくればいい。その時は今日の分でチャラにしてやるよ」
「次ィ? ……ま、そうだな」

 借りは多い方がいい。特にこいつは随分と有能そうだ。何かあった時の保険はあればあるほど安心できるだろう。


「俺はトンビ。生徒からはそう呼ばれてる。あだ名だな」
「トンビ……。油揚げが好物の、あれか」
「あれは諺であって、好物ってわけじゃないんだがな。まあそう言うわけだ、お見知りおきを」

 わざとらしい仕草で頭を下げるトンビは本当に胡散臭い。そもそも名乗る名前があだ名だけってところも最悪だ。早々に立ち去るに限る。


「分かった。じゃあ、また」
「何かあったらここに来い。代金分は働くさ」
 ひらり、と手を振る男を一切振り返ることなく、俺は全速力でふかふかの絨毯を駆け抜けた。







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