14 / 44
第2章 前世の私の過ちと、今世の貴方のぬくもり
1
しおりを挟む
イクセルと期間限定の婚約者となった3日後、フェリシアは自室の文机に突っ伏して頭を抱えていた。
「とうとう……呼び出しが来てしまったわ」
午後の日差しが差し込む文机の上には、若草色の封筒に入った手紙が置いてある。
差出人はイクセルで、明日、別荘に警護隊の馬車を送るので砦に遊びに来いという内容だった。
これが本当の婚約者からなら、ウキウキルンルンな逢引のお誘いだ。でもフェリシアにとったら召集令状のようなもの。
(……い、行きたくない)
家門を救うため、命を代価にイクセルと仮初の婚約者になったことは後悔していない。
しかし前世と今世の失恋を癒すために王都から離れたというのに、どうして自分は今世の失恋相手に振り回されなければならないのだろうと嘆く気持ちは捨てられない。
そんな気持ちを抱えながら、かれこれ1時間近く文机に突っ伏しているフェリシアを憐れに思ったニドラが、足音を立てずに近づくと、そっと耳元で囁いた。
「……シア様、許可をいただけるなら、今すぐにでもあの男から指輪を奪って参ります」
我が身の危険を顧みずそんな提案をしてくれるニドラが侍女でいてくれることは、神様からの最高の贈り物だ。
しかし契約術は、契約者の血液を与えた時点で心臓に刻まれる。だから指輪を奪おうが、宝石を破壊しようが意味がない。むしろ契約不履行で命が消える。
「……ありがとう。でも気持ちだけ受け取るわ」
弱々しく微笑んだフェリシアは、不満げな表情を浮かべているニドラに問いかける。
「あのね、一応確認だけれどこの件は、お父様たちには報せてないわよね?」
「はい。今すぐにでもお伝えしたい衝動に駆られていますが、何とか堪えております」
「ファイトよ、ニドラ。貴女はやればできる子だから、まだまだ耐えることができるはずよ。ちなみにニドラのお母様……モネはどんな感じ?」
「……母は何となくわかっている様子です。ですがシア様が内緒にしてとおっしゃるなら、たとえ生爪を剥がされようとも口を開くことはないでしょう」
「たとえが危険すぎますわっ」
病弱なニドラの母親であるモネが拷問を受ける光景を否が応でも想像させられ、フェリシアは涙目になる。
モネが病弱になったのは、フェリシアの母親と同じ流行り病を患ったせいだ。母親を亡くした悲しみは今でもフェリシアの心の大事な部分を黒く塗りつぶしている。
しかしかつてフェリシアの乳母だったモネが、病の淵から戻って来てくれたことは純粋に嬉しい。
「お願い。どうかモネには、わたくしが別荘にいる間は一歩も外に出ては駄目。それと訪問者が来ても対応しないように伝えておいて」
「かしこまりました」
慇懃に腰を折ったニドラだが「逃げるのは恥だが役に立つ」と窓に目を向けながら異国のことわざを呟く。なんて素敵な響きなのだろう。
でもフェリシアは、どんなに悪あがきをしたところで契約期間を満了しなければ死ぬ運命だ。なら嘆くのは今日で終わりにして、明日からは腹を括ってイクセルの婚約者を演じよう。
「ねえ、ニドラ。確か貯蔵庫にワインがあったわよね?今日は特別にちょっとだけそれを飲んでもいいかしら?」
「は?駄目に決まってるでしょ」
素の口調になったニドラから、どれだけおねだりしても飲酒は無理だということをフェリシアは悟った。
(ああ……酔いたい)
酒の力を借りなきゃ明日から頑張れないこの心境、前世の井上莉子なら力説できるが、18歳のフェリシアではどう説明していいのかわからない。
「あ、諦めますわ。ならせめて、今日のディナーはお肉にしてちょうだい。血が滴るジューシーなやつをお願いね」
アルコールが駄目なら、スタミナをつけよう。
その後、明日から頑張るために肉を頬張るフェリシアを、シェフ兼給仕は「料理のし甲斐がある!」と小躍りしながら見つめていた。
*
──翌朝。
胃もたれするほど肉を食べたフェリシアは、動きやすい木綿のドレスに身を包み、別荘のポーチで馬車の到着を待っていた。
見上げれば、どこまでも続く青い空。絶好のお出かけ日和ではあるが、フェリシアの心の中は曇天だ。
「ニドラ。本当に付いてきてくれるの?モネとの時間を奪ってしまって申し訳ないわ」
「何を水臭いことを。私はシア様の侍女です。侍女が主人の供をするのは当たり前ではないですか」
「……今日は何だかその言葉が異常に胸に染みるわ」
涙を浮かべてニドラに微笑めば、侍女は無言でハンカチを取り出し目元を拭ってくれた。
前回はイクセルに気圧されてニドラをテラスから追い出してしまったが、今日は誰が何と言おうとも、絶対に彼女を傍に置く。
そう決心しているフェリシアだが、イクセルが嫌な顔をするのではないかと不安も抱えている。
フェリシアが住まうラスタン国では、貴族令嬢が侍女を連れて異性に会いに行くのは一般常識だ。
だから貴族中の貴族であるイクセルが、嫌な顔をするわけがない。そう頭ではわかっているのだが、彼と話をしているとこれまで当たり前だった常識がグラグラ揺れる感覚を覚えてしまう。
(しっかりしなさい! わたくし)
フェリシアが自分に𠮟咤激励を送ったと同時に、別荘の外門が開き、騎乗した警護隊に引率され馬車が到着した。
「は、はじめまして!自分、イクセル隊長の部下のラルフっす!今日は、雨が降ろうが、槍が降ろうが、魔獣が襲って来ようがフェリシア嬢に傷一つ付けることなく砦に送り届けますので安心してください!」
不安を煽る赤髪警護隊の自己紹介に、フェリシアとニドラは互いに顔を見合わせる。
兄のフレードリクに系統は似ているが、それより顔は怖いし、個性も強そうだ。本当に彼は警護隊なのかと不安がよぎる。
「失礼を承知でお伺いいたしますが、ラルフ様は本当に警護隊のお方なのでしょうか?」
前置きはしたが相当失礼なニドラからの質問に気を悪くすることなく、ラルフは制服の上着から書簡を取り出した。
「やっぱ、そう訊かれちゃいましたか。ははっ、いやぁー良く疑われるんすよ。あ、これどうぞ」
手渡された書簡にはイクセルの直筆で、要約すると「変な男だが間違いなく警護隊の一員だ」という内容が書かれていた。
どうしてこんな男を迎えに寄こしたのだろう。警護隊は人手不足なのだろうか。
そんな疑問が頭をよぎったが、ニドラも連れていくことにラルフはあっさり了承してくれたので、フェリシアは余計なことは尋ねずに馬車に乗り込んだ。
「とうとう……呼び出しが来てしまったわ」
午後の日差しが差し込む文机の上には、若草色の封筒に入った手紙が置いてある。
差出人はイクセルで、明日、別荘に警護隊の馬車を送るので砦に遊びに来いという内容だった。
これが本当の婚約者からなら、ウキウキルンルンな逢引のお誘いだ。でもフェリシアにとったら召集令状のようなもの。
(……い、行きたくない)
家門を救うため、命を代価にイクセルと仮初の婚約者になったことは後悔していない。
しかし前世と今世の失恋を癒すために王都から離れたというのに、どうして自分は今世の失恋相手に振り回されなければならないのだろうと嘆く気持ちは捨てられない。
そんな気持ちを抱えながら、かれこれ1時間近く文机に突っ伏しているフェリシアを憐れに思ったニドラが、足音を立てずに近づくと、そっと耳元で囁いた。
「……シア様、許可をいただけるなら、今すぐにでもあの男から指輪を奪って参ります」
我が身の危険を顧みずそんな提案をしてくれるニドラが侍女でいてくれることは、神様からの最高の贈り物だ。
しかし契約術は、契約者の血液を与えた時点で心臓に刻まれる。だから指輪を奪おうが、宝石を破壊しようが意味がない。むしろ契約不履行で命が消える。
「……ありがとう。でも気持ちだけ受け取るわ」
弱々しく微笑んだフェリシアは、不満げな表情を浮かべているニドラに問いかける。
「あのね、一応確認だけれどこの件は、お父様たちには報せてないわよね?」
「はい。今すぐにでもお伝えしたい衝動に駆られていますが、何とか堪えております」
「ファイトよ、ニドラ。貴女はやればできる子だから、まだまだ耐えることができるはずよ。ちなみにニドラのお母様……モネはどんな感じ?」
「……母は何となくわかっている様子です。ですがシア様が内緒にしてとおっしゃるなら、たとえ生爪を剥がされようとも口を開くことはないでしょう」
「たとえが危険すぎますわっ」
病弱なニドラの母親であるモネが拷問を受ける光景を否が応でも想像させられ、フェリシアは涙目になる。
モネが病弱になったのは、フェリシアの母親と同じ流行り病を患ったせいだ。母親を亡くした悲しみは今でもフェリシアの心の大事な部分を黒く塗りつぶしている。
しかしかつてフェリシアの乳母だったモネが、病の淵から戻って来てくれたことは純粋に嬉しい。
「お願い。どうかモネには、わたくしが別荘にいる間は一歩も外に出ては駄目。それと訪問者が来ても対応しないように伝えておいて」
「かしこまりました」
慇懃に腰を折ったニドラだが「逃げるのは恥だが役に立つ」と窓に目を向けながら異国のことわざを呟く。なんて素敵な響きなのだろう。
でもフェリシアは、どんなに悪あがきをしたところで契約期間を満了しなければ死ぬ運命だ。なら嘆くのは今日で終わりにして、明日からは腹を括ってイクセルの婚約者を演じよう。
「ねえ、ニドラ。確か貯蔵庫にワインがあったわよね?今日は特別にちょっとだけそれを飲んでもいいかしら?」
「は?駄目に決まってるでしょ」
素の口調になったニドラから、どれだけおねだりしても飲酒は無理だということをフェリシアは悟った。
(ああ……酔いたい)
酒の力を借りなきゃ明日から頑張れないこの心境、前世の井上莉子なら力説できるが、18歳のフェリシアではどう説明していいのかわからない。
「あ、諦めますわ。ならせめて、今日のディナーはお肉にしてちょうだい。血が滴るジューシーなやつをお願いね」
アルコールが駄目なら、スタミナをつけよう。
その後、明日から頑張るために肉を頬張るフェリシアを、シェフ兼給仕は「料理のし甲斐がある!」と小躍りしながら見つめていた。
*
──翌朝。
胃もたれするほど肉を食べたフェリシアは、動きやすい木綿のドレスに身を包み、別荘のポーチで馬車の到着を待っていた。
見上げれば、どこまでも続く青い空。絶好のお出かけ日和ではあるが、フェリシアの心の中は曇天だ。
「ニドラ。本当に付いてきてくれるの?モネとの時間を奪ってしまって申し訳ないわ」
「何を水臭いことを。私はシア様の侍女です。侍女が主人の供をするのは当たり前ではないですか」
「……今日は何だかその言葉が異常に胸に染みるわ」
涙を浮かべてニドラに微笑めば、侍女は無言でハンカチを取り出し目元を拭ってくれた。
前回はイクセルに気圧されてニドラをテラスから追い出してしまったが、今日は誰が何と言おうとも、絶対に彼女を傍に置く。
そう決心しているフェリシアだが、イクセルが嫌な顔をするのではないかと不安も抱えている。
フェリシアが住まうラスタン国では、貴族令嬢が侍女を連れて異性に会いに行くのは一般常識だ。
だから貴族中の貴族であるイクセルが、嫌な顔をするわけがない。そう頭ではわかっているのだが、彼と話をしているとこれまで当たり前だった常識がグラグラ揺れる感覚を覚えてしまう。
(しっかりしなさい! わたくし)
フェリシアが自分に𠮟咤激励を送ったと同時に、別荘の外門が開き、騎乗した警護隊に引率され馬車が到着した。
「は、はじめまして!自分、イクセル隊長の部下のラルフっす!今日は、雨が降ろうが、槍が降ろうが、魔獣が襲って来ようがフェリシア嬢に傷一つ付けることなく砦に送り届けますので安心してください!」
不安を煽る赤髪警護隊の自己紹介に、フェリシアとニドラは互いに顔を見合わせる。
兄のフレードリクに系統は似ているが、それより顔は怖いし、個性も強そうだ。本当に彼は警護隊なのかと不安がよぎる。
「失礼を承知でお伺いいたしますが、ラルフ様は本当に警護隊のお方なのでしょうか?」
前置きはしたが相当失礼なニドラからの質問に気を悪くすることなく、ラルフは制服の上着から書簡を取り出した。
「やっぱ、そう訊かれちゃいましたか。ははっ、いやぁー良く疑われるんすよ。あ、これどうぞ」
手渡された書簡にはイクセルの直筆で、要約すると「変な男だが間違いなく警護隊の一員だ」という内容が書かれていた。
どうしてこんな男を迎えに寄こしたのだろう。警護隊は人手不足なのだろうか。
そんな疑問が頭をよぎったが、ニドラも連れていくことにラルフはあっさり了承してくれたので、フェリシアは余計なことは尋ねずに馬車に乗り込んだ。
187
あなたにおすすめの小説
【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
私が張っている結界など存在しないと言われたから、消えることにしました
天宮有
恋愛
子爵令嬢の私エルノアは、12歳になった時に国を守る結界を張る者として選ばれた。
結界を張って4年後のある日、婚約者となった第二王子ドスラが婚約破棄を言い渡してくる。
国を守る結界は存在してないと言い出したドスラ王子は、公爵令嬢と婚約したいようだ。
結界を張っているから魔法を扱うことができなかった私は、言われた通り結界を放棄する。
数日後――国は困っているようで、新たに結界を張ろうとするも成功していないらしい。
結界を放棄したことで本来の力を取り戻した私は、冒険者の少年ラーサーを助ける。
その後、私も冒険者になって街で生活しながら、国の末路を確認することにしていた。
【完結】愛したあなたは本当に愛する人と幸せになって下さい
高瀬船
恋愛
伯爵家のティアーリア・クランディアは公爵家嫡男、クライヴ・ディー・アウサンドラと婚約秒読みの段階であった。
だが、ティアーリアはある日クライヴと彼の従者二人が話している所に出くわし、聞いてしまう。
クライヴが本当に婚約したかったのはティアーリアの妹のラティリナであったと。
ショックを受けるティアーリアだったが、愛する彼の為自分は身を引く事を決意した。
【誤字脱字のご報告ありがとうございます!小っ恥ずかしい誤字のご報告ありがとうございます!個別にご返信出来ておらず申し訳ございません( •́ •̀ )】
もう一度あなたと?
キムラましゅろう
恋愛
アデリオール王国魔法省で魔法書士として
働くわたしに、ある日王命が下った。
かつて魅了に囚われ、婚約破棄を言い渡してきた相手、
ワルター=ブライスと再び婚約を結ぶようにと。
「え?もう一度あなたと?」
国王は王太子に巻き込まれる形で魅了に掛けられた者達への
救済措置のつもりだろうけど、はっきり言って迷惑だ。
だって魅了に掛けられなくても、
あの人はわたしになんて興味はなかったもの。
しかもわたしは聞いてしまった。
とりあえずは王命に従って、頃合いを見て再び婚約解消をすればいいと、彼が仲間と話している所を……。
OK、そう言う事ならこちらにも考えがある。
どうせ再びフラれるとわかっているなら、この状況、利用させてもらいましょう。
完全ご都合主義、ノーリアリティ展開で進行します。
生暖かい目で見ていただけると幸いです。
小説家になろうさんの方でも投稿しています。
いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!
夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。
しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。
ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。
愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。
いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。
一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ!
世界観はゆるいです!
カクヨム様にも投稿しております。
※10万文字を超えたので長編に変更しました。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
白い結婚のはずでしたが、いつの間にか選ぶ側になっていました
ふわふわ
恋愛
王太子アレクシオンとの婚約を、
「完璧すぎて可愛げがない」という理不尽な理由で破棄された
侯爵令嬢リオネッタ・ラーヴェンシュタイン。
涙を流しながらも、彼女の内心は静かだった。
――これで、ようやく“選ばれる人生”から解放される。
新たに提示されたのは、冷徹無比と名高い公爵アレスト・グラーフとの
白い結婚という契約。
干渉せず、縛られず、期待もしない――
それは、リオネッタにとって理想的な条件だった。
しかし、穏やかな日々の中で、
彼女は少しずつ気づいていく。
誰かに価値を決められる人生ではなく、
自分で選び、立ち、並ぶという生き方に。
一方、彼女を切り捨てた王太子と王城は、
静かに、しかし確実に崩れていく。
これは、派手な復讐ではない。
何も奪わず、すべてを手に入れた令嬢の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる