54 / 64
夫の出世を願う花嫁と、妻の幸せを願う花婿
2★
しおりを挟む
アルフォンスは、ギルフォードの問いかけに対して一度は同意した。だが、
「恐れながら……自分はもう勘当されてます。ですので、家名はありません」
少しの間のあと、とても言いにくそうに訂正を入れたのは、彼なりの精一杯の反抗なのだろうか。
それとも、新しい人生を歩み始めた彼にとって、本当に呼ばれたくない名だったのだろうか。
ギルフォードはそんなことを考えてみる。
でも結局、否定されたことに不愉快だとも思わないし、本人確認ができたならそれで良いという結論に達した。
そして早々に用事を済ませたいギルフォードは、顎で別の方向を指し示した。
「向こうで少し話そう」
「……はい」
ゴミを漁る連中の視線を鬱陶しく感じたギルフォードは、少し離れた小屋に移動することにした。
てっきりアルフォンスは、移動中に要件を問うてきたり、仕事の途中だと難癖つけてくると思った。けれど、彼は観念した様子で大人しくギルフォードの後に続く。
幸い小屋は無人だった。そして強い夏の日差しを遮ってくれるので、かなり涼しい。
薄暗く相手の顔が見えにくいのと、相変わらず据えた匂いは充満しているのが難点だが、さほど困ることでもない。
なので、ギルフォードは小屋の奥まで歩を進めると、振り返ってアルフォンスに向かい要件を口にする。
「アルフォンス殿、急ではあるがロマーインズの砦の警護主任に任命する。出立は3日後だ。既に現地には、君の為の屋敷を用意してある。それと移動手段だが、こちらで馬車を用意する。早朝からの移動となる。すぐに帰宅して、荷物をまとめるように」
一気に言い切ったギルフォードに対し、アルフォンスはぽかんと口を開けたまま微動だにしない。
「アルフォンス殿、聞いておられるか?」
「……はい。なんとか……聞こえては……」
このやりとり全てが夢なのかと疑う表情を隠すこともせず、アルフォンスは唖然としたまま返事をした。
だが、これは夢ではない。そしてギルフォードは長居はしたくない。
そんなわけで呆気にとらわれているアルフォンスを無視して、ギルフォードは懐に手を入れると自身の蝋印が押してある封筒を取り出した。
「受け取れ、路銀と任命書が中に入っている。これは命令だ。君に拒否権は無い。それと現地は、温暖な気候ではあるが閉鎖的な部分がある。奥方に、その旨きちんと伝えるように。あと、砦の責任者であるリッセオラ殿は、ご夫婦そろって大変面倒見が良いと聞く。土地に馴染めないようなら、まず彼らに相談するように。……聞いているのか?」
「……はい」
とりあえず返事をするアルフォンスだが、それは身に付いた習慣で答えるもの。恐ろしいほど生返事で、ギルフォードが差し出した封筒に手を伸ばすことはしない。
そんなアルフォンスに対し、ギルフォードは眼光を強めることにする。そうすれば、アルフォンスはびくりと身を強張らせた。
でも、封筒を受け取ることはしない。その代わりに、こんな問いをギルフォードに向けた。
「……どうして……でしょうか?」
「何がだ?」
「い、いや……あの……どうして、部下でもない自分なんかに……こんな……」
もにょもにょと不明瞭な言葉を紡ぐアルフォンスに対し、ギルフォードは静かに口を開く。
「妻が、そう願ったんだ。自分をコケにしたんだから、ちゃんと幸せになってほしいそうだ」
「は?」
アルフォンスは、まったく理解できないといった感じで目を瞬かせた。だがすぐに何かに気付いたように「あっ」と短く声を上げる。
「えっと……あの……しょ、しょ、しょ、少佐殿の奥様とは、ま、ま、ま、まさか……」
───自分の婚約者だったシャンティなのでしょうか?
そうアルフォンスはギルフォードに聞こうと思った。だが、殺意を超えた眼光に口を閉じざるを得なかった。
彼は既婚者で子供もいる身。小さな好奇心を埋める為に、命を落とすことはできない。だが、気付けば違う質問を口にしていた。
「なんで?」
思わず素の口調でギルフォードに問いかければ、すぐに「ちょっとした縁だ」という返答が返ってくる。
その縁とは多少、自分も関わっているのだろう。それに気付いたアルフォンスはこれ以上ギルフォードを問い詰めることはしない。深々と腰を折り、ギルフォードが手にしている封筒を受け取った。
「よろしい。あと、君の御父上が未だに君と奥方の結婚を認めず、色々と嫌がらせをしているようだが、どうする?こちらで穏便に処理できるが……」
「いいえ。お気持ちだけで。こうなることは覚悟の上で、妻を選んだのです。それにロマーインズはかなり離れた距離にあります。父は根っからの面倒くさがりですから、あそこまで離れれば妨害行為をすることはないでしょう」
「なるほど。それは納得できる」
深く頷いたギルフォードは、少しだけ片方の口の端を持ち上げた。だが、すぐに表情を戻す。
「話は以上だ」
瞳から殺意を消したギルフォードは、要は済んだと言わんばかりに小屋から出ようとする。けれど、アルフォンスはそれを引き留めた。
この貧民街は社会秩序からはみだした者が集まる場所。そしてきな臭い噂が飛び交う場所でもある。
そこでアルフォンスは、ギルフォードに対して良くない噂を耳にしたことを思い出したのだ。
「あのっ、余計なお世話かもしれませんが……少佐、お気を付けください。確か……ボレーデ?あれ、ギデーレ?ええっと……ビデーレだったかな?そんな名前の没落貴族が、あなたを良く思っていないそうです。近いうちに、何か起こるかも」
「忠告ありがとう。アルフォンス殿」
ギルフォードは露骨に余計なお世話だと顔に出して、アルフォンスの言葉を遮った。そして、今度こそここを去ろうと小屋の出入口に足を向ける。
なのだが、またアルフォンスに呼び止められてしまい、さすがに苛つきを覚える。
「アルフォンス殿、人の事に気を向けている場合ではないだろう。そんな暇があるなら」
「奥方様との間に娘が生まれた場合、お気を付けください」
「……なに?」
急に声音が変わったギルフォードに、アルフォンスは真剣な眼差しを向ける。
「愛する人の血を受け継いだ娘は天使にしか見えないでしょう。たまらなく可愛いでしょう。きっと目に入れても痛くないと思うでしょうし、目に入れることができるならいっそ入れてしまいたいとすら思うでしょう」
「それは同意する」
「ですが、そんな天使も、いずれは他の男に持っていかれるのです」
「……それは認めたくない。だが、そうなるな。場合によっては相手の男を殺してしまうかもしれないが」
「ええ、自分も娘が生まれた時、そう思いました。ですが、例えそれが本音だとしても決して口にしてはなりません」
「……」
「万が一、それを口にしてしまえば、妻には呆れられ、最悪……嫌われます」
最後はしんみりとした口調になったアルフォンスを目にして、ギルフォードはこれが彼の実体験であったことを知る。
「き、肝に銘じておく。……アルフォンス殿、忠告ありがとう。助かった」
そう言ったギルフォードは先ほどとは打って変わって、貴重なアドバイスをくれた人生の先輩に対し、きちんと礼を取ってから小屋を後にした。
「恐れながら……自分はもう勘当されてます。ですので、家名はありません」
少しの間のあと、とても言いにくそうに訂正を入れたのは、彼なりの精一杯の反抗なのだろうか。
それとも、新しい人生を歩み始めた彼にとって、本当に呼ばれたくない名だったのだろうか。
ギルフォードはそんなことを考えてみる。
でも結局、否定されたことに不愉快だとも思わないし、本人確認ができたならそれで良いという結論に達した。
そして早々に用事を済ませたいギルフォードは、顎で別の方向を指し示した。
「向こうで少し話そう」
「……はい」
ゴミを漁る連中の視線を鬱陶しく感じたギルフォードは、少し離れた小屋に移動することにした。
てっきりアルフォンスは、移動中に要件を問うてきたり、仕事の途中だと難癖つけてくると思った。けれど、彼は観念した様子で大人しくギルフォードの後に続く。
幸い小屋は無人だった。そして強い夏の日差しを遮ってくれるので、かなり涼しい。
薄暗く相手の顔が見えにくいのと、相変わらず据えた匂いは充満しているのが難点だが、さほど困ることでもない。
なので、ギルフォードは小屋の奥まで歩を進めると、振り返ってアルフォンスに向かい要件を口にする。
「アルフォンス殿、急ではあるがロマーインズの砦の警護主任に任命する。出立は3日後だ。既に現地には、君の為の屋敷を用意してある。それと移動手段だが、こちらで馬車を用意する。早朝からの移動となる。すぐに帰宅して、荷物をまとめるように」
一気に言い切ったギルフォードに対し、アルフォンスはぽかんと口を開けたまま微動だにしない。
「アルフォンス殿、聞いておられるか?」
「……はい。なんとか……聞こえては……」
このやりとり全てが夢なのかと疑う表情を隠すこともせず、アルフォンスは唖然としたまま返事をした。
だが、これは夢ではない。そしてギルフォードは長居はしたくない。
そんなわけで呆気にとらわれているアルフォンスを無視して、ギルフォードは懐に手を入れると自身の蝋印が押してある封筒を取り出した。
「受け取れ、路銀と任命書が中に入っている。これは命令だ。君に拒否権は無い。それと現地は、温暖な気候ではあるが閉鎖的な部分がある。奥方に、その旨きちんと伝えるように。あと、砦の責任者であるリッセオラ殿は、ご夫婦そろって大変面倒見が良いと聞く。土地に馴染めないようなら、まず彼らに相談するように。……聞いているのか?」
「……はい」
とりあえず返事をするアルフォンスだが、それは身に付いた習慣で答えるもの。恐ろしいほど生返事で、ギルフォードが差し出した封筒に手を伸ばすことはしない。
そんなアルフォンスに対し、ギルフォードは眼光を強めることにする。そうすれば、アルフォンスはびくりと身を強張らせた。
でも、封筒を受け取ることはしない。その代わりに、こんな問いをギルフォードに向けた。
「……どうして……でしょうか?」
「何がだ?」
「い、いや……あの……どうして、部下でもない自分なんかに……こんな……」
もにょもにょと不明瞭な言葉を紡ぐアルフォンスに対し、ギルフォードは静かに口を開く。
「妻が、そう願ったんだ。自分をコケにしたんだから、ちゃんと幸せになってほしいそうだ」
「は?」
アルフォンスは、まったく理解できないといった感じで目を瞬かせた。だがすぐに何かに気付いたように「あっ」と短く声を上げる。
「えっと……あの……しょ、しょ、しょ、少佐殿の奥様とは、ま、ま、ま、まさか……」
───自分の婚約者だったシャンティなのでしょうか?
そうアルフォンスはギルフォードに聞こうと思った。だが、殺意を超えた眼光に口を閉じざるを得なかった。
彼は既婚者で子供もいる身。小さな好奇心を埋める為に、命を落とすことはできない。だが、気付けば違う質問を口にしていた。
「なんで?」
思わず素の口調でギルフォードに問いかければ、すぐに「ちょっとした縁だ」という返答が返ってくる。
その縁とは多少、自分も関わっているのだろう。それに気付いたアルフォンスはこれ以上ギルフォードを問い詰めることはしない。深々と腰を折り、ギルフォードが手にしている封筒を受け取った。
「よろしい。あと、君の御父上が未だに君と奥方の結婚を認めず、色々と嫌がらせをしているようだが、どうする?こちらで穏便に処理できるが……」
「いいえ。お気持ちだけで。こうなることは覚悟の上で、妻を選んだのです。それにロマーインズはかなり離れた距離にあります。父は根っからの面倒くさがりですから、あそこまで離れれば妨害行為をすることはないでしょう」
「なるほど。それは納得できる」
深く頷いたギルフォードは、少しだけ片方の口の端を持ち上げた。だが、すぐに表情を戻す。
「話は以上だ」
瞳から殺意を消したギルフォードは、要は済んだと言わんばかりに小屋から出ようとする。けれど、アルフォンスはそれを引き留めた。
この貧民街は社会秩序からはみだした者が集まる場所。そしてきな臭い噂が飛び交う場所でもある。
そこでアルフォンスは、ギルフォードに対して良くない噂を耳にしたことを思い出したのだ。
「あのっ、余計なお世話かもしれませんが……少佐、お気を付けください。確か……ボレーデ?あれ、ギデーレ?ええっと……ビデーレだったかな?そんな名前の没落貴族が、あなたを良く思っていないそうです。近いうちに、何か起こるかも」
「忠告ありがとう。アルフォンス殿」
ギルフォードは露骨に余計なお世話だと顔に出して、アルフォンスの言葉を遮った。そして、今度こそここを去ろうと小屋の出入口に足を向ける。
なのだが、またアルフォンスに呼び止められてしまい、さすがに苛つきを覚える。
「アルフォンス殿、人の事に気を向けている場合ではないだろう。そんな暇があるなら」
「奥方様との間に娘が生まれた場合、お気を付けください」
「……なに?」
急に声音が変わったギルフォードに、アルフォンスは真剣な眼差しを向ける。
「愛する人の血を受け継いだ娘は天使にしか見えないでしょう。たまらなく可愛いでしょう。きっと目に入れても痛くないと思うでしょうし、目に入れることができるならいっそ入れてしまいたいとすら思うでしょう」
「それは同意する」
「ですが、そんな天使も、いずれは他の男に持っていかれるのです」
「……それは認めたくない。だが、そうなるな。場合によっては相手の男を殺してしまうかもしれないが」
「ええ、自分も娘が生まれた時、そう思いました。ですが、例えそれが本音だとしても決して口にしてはなりません」
「……」
「万が一、それを口にしてしまえば、妻には呆れられ、最悪……嫌われます」
最後はしんみりとした口調になったアルフォンスを目にして、ギルフォードはこれが彼の実体験であったことを知る。
「き、肝に銘じておく。……アルフォンス殿、忠告ありがとう。助かった」
そう言ったギルフォードは先ほどとは打って変わって、貴重なアドバイスをくれた人生の先輩に対し、きちんと礼を取ってから小屋を後にした。
3
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
聖女の座を追われた私は田舎で畑を耕すつもりが、辺境伯様に「君は畑担当ね」と強引に任命されました
さら
恋愛
王都で“聖女”として人々を癒やし続けてきたリーネ。だが「加護が弱まった」と政争の口実にされ、無慈悲に追放されてしまう。行き場を失った彼女が選んだのは、幼い頃からの夢――のんびり畑を耕す暮らしだった。
ところが辺境の村にたどり着いた途端、無骨で豪胆な領主・辺境伯に「君は畑担当だ」と強引に任命されてしまう。荒れ果てた土地、困窮する領民たち、そして王都から伸びる陰謀の影。追放されたはずの聖女は、鍬を握り、祈りを土に注ぐことで再び人々に希望を芽吹かせていく。
「畑担当の聖女さま」と呼ばれながら笑顔を取り戻していくリーネ。そして彼女を真っ直ぐに支える辺境伯との距離も、少しずつ近づいて……?
畑から始まるスローライフと、不器用な辺境伯との恋。追放された聖女が見つけた本当の居場所は、王都の玉座ではなく、土と緑と温かな人々に囲まれた辺境の畑だった――。
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
婚約破棄イベントが壊れた!
秋月一花
恋愛
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる