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2章 え…交流会?初耳なんだが…って、なんか変じゃね?
5話 解決
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表彰式では俺が一番高い位置に立った。それでも俺はまだ勝った気になれなかった。終わってから、アダムとハルが駆け寄ってきた。
「すごいよリック君!初出場で優勝しちゃうなんて」
「異例中の異例だぞ!君の友達であることを誇りに思うぞ」
そういうアダムの手にはしっかり優勝杯が握られていた。
「お前にだけは言われたくねえ!」
「さ、みんな待っているぞ。行こうじゃないか」
「先に行っててくれ。まだ用事がある」
「?そうか。待っているからな」
「さ、お話を聞きましょうか黒幕さん」
クリス先輩のほうを向くと、まだ険しい表情のままのクリス先輩がそこにいた。
「汚いことで勝とうなんてプライドないのかアンタ」
俺はクリス先輩にわざと強めに言う。
「何のことだ」
「とぼけんな。変な刺客差し向けて不戦勝狙ったのはアンタだろ。間に合っても体力切れでアド取ろうって魂胆だったんだろ」
「本当に知らない。そっちこそ僕が用意していた粘着型空気圧縮爆弾を盗んで...」
「ん?今なんて?」
「本日の主役さんたち、喧嘩はそこまでだよ」
突如として女の声がした。見ると、魔法陣が空中に浮いている。
「よいしょっと...」
「うんしょ...わあ!」
魔法陣から二人が出てきた。(ラニがこけたのは黙っておこう)
「その争い、このおねーさんが全部解決して見せよう!」
「部外者は引っ込んでろ。今僕がこいつに...」
クリス先輩が頭に血管浮かべながら怒鳴る。
「どうどう。二人とも、何で怒っているのかは把握済みだよ。二人とも違ってるけどね」
「どういうことすか、シャル先輩」
「後輩君は素直でいい子だねえ。じゃあ、あの爆弾魔のことなんだけど」
「ああ、あれって俺が会場にたどり着かないように妨害で...」
「4分の1くらいはあってる。でもリック君が会場に行くのを邪魔してクリスを勝たせようとしていたのは確かね」
「勝たせる...?」
「じゃあ僕の爆弾は...」
「俺に投げてきた輩がいたんです。あれは何なんですか」
「それはあの爆弾魔たちが持ち出したの。これまたクリスを勝たせるために」
「さっきからクリス先輩を勝たせるって...いったい誰が?」
「クリスはもう気づいてるんじゃない?」
「...」
「私が言ったほうがいいかしら?」
「信じたくないが...」
「クリスの思ってる通り、あんたの爺やよ」
「やはり...そうか」
「ちなみに」
ラニ、とシャル先輩が声をかけると、ラニが出した魔法陣から拘束されたご老人が出てきた。
「爺や!」
「ラニに捕まえてもらったわ。そいつが黒幕よ」
「なるほど...そういうことか」
全てが腑に落ちた。
恐らくこの爺さんは、俺に負けた話をきいて主人の助けになればと思ってわざわざ人を雇ってまで俺に資格を差し向けた。広い敷地の中で比較的会場から近場だったのは勝手に疲れてやってきた俺を公衆の面前で主人に討たせるため。
「爺や」
「はいっ」
爺さんがびくびくしながら返事をする。
「僕は怒っている」
「これはとんだ失態を...」
「そうじゃない。僕には貴族に生まれたプライドがある。いついかなる時も絶対的頂点として君臨し、いざというときにみなの支えとなる王としての使命のことだ」
「承知しております」
「お前はこんな些末な作戦をたて、僕の地位を汚したのだ。わかっているのか」
「申し訳ありません」
「挙句何だ。見つかってわが一族に泥を塗って」
「わたくしの力不足のせいでございます」
「そうじゃない」
クリス先輩は爺やの胸倉をつかんで持ち上げた。
「不正なんかで勝ってこの僕が喜ぶと思うのか。そんな勝利で今までクレバーを引き継いできた先人に顔向けできるのかと聞いているんだ」
「...」
「僕の敗北も僕の醜態も僕の血肉だ。これからの僕の血肉を見届ける勇気がないならお前とは今日限りだ」
「そこまで言わなくても...」
シャル先輩がなだめに入ったが、クリス先輩は聞かない。
「僕は怒っている」
「はい」
「お前はこれからもまだうちにいられるか」
「...短い老い先、ささげる覚悟であります」
「そうか。安心したぞ」
この一組の主従関係に、今までより太い糸ができたように見えた。
ところで...
「あの...いいですか?」
ラニが申し訳なさそうに話に入ってきた。
「2-Aの打ち上げが...めっちゃ盛り下がってるんですけど...」
「まじか...」
「いくといいリック君。友達は大切にしな」
「せっかくなんで、4人も一緒に...」
「おっ、いいのかい?おねーさんうれしいな~」
「私が行っていいんでしょうか...」
「いくぞ爺や」
「かしこまりました」
今日は賑やかなパーティーになりそうだ。
「すごいよリック君!初出場で優勝しちゃうなんて」
「異例中の異例だぞ!君の友達であることを誇りに思うぞ」
そういうアダムの手にはしっかり優勝杯が握られていた。
「お前にだけは言われたくねえ!」
「さ、みんな待っているぞ。行こうじゃないか」
「先に行っててくれ。まだ用事がある」
「?そうか。待っているからな」
「さ、お話を聞きましょうか黒幕さん」
クリス先輩のほうを向くと、まだ険しい表情のままのクリス先輩がそこにいた。
「汚いことで勝とうなんてプライドないのかアンタ」
俺はクリス先輩にわざと強めに言う。
「何のことだ」
「とぼけんな。変な刺客差し向けて不戦勝狙ったのはアンタだろ。間に合っても体力切れでアド取ろうって魂胆だったんだろ」
「本当に知らない。そっちこそ僕が用意していた粘着型空気圧縮爆弾を盗んで...」
「ん?今なんて?」
「本日の主役さんたち、喧嘩はそこまでだよ」
突如として女の声がした。見ると、魔法陣が空中に浮いている。
「よいしょっと...」
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魔法陣から二人が出てきた。(ラニがこけたのは黙っておこう)
「その争い、このおねーさんが全部解決して見せよう!」
「部外者は引っ込んでろ。今僕がこいつに...」
クリス先輩が頭に血管浮かべながら怒鳴る。
「どうどう。二人とも、何で怒っているのかは把握済みだよ。二人とも違ってるけどね」
「どういうことすか、シャル先輩」
「後輩君は素直でいい子だねえ。じゃあ、あの爆弾魔のことなんだけど」
「ああ、あれって俺が会場にたどり着かないように妨害で...」
「4分の1くらいはあってる。でもリック君が会場に行くのを邪魔してクリスを勝たせようとしていたのは確かね」
「勝たせる...?」
「じゃあ僕の爆弾は...」
「俺に投げてきた輩がいたんです。あれは何なんですか」
「それはあの爆弾魔たちが持ち出したの。これまたクリスを勝たせるために」
「さっきからクリス先輩を勝たせるって...いったい誰が?」
「クリスはもう気づいてるんじゃない?」
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「私が言ったほうがいいかしら?」
「信じたくないが...」
「クリスの思ってる通り、あんたの爺やよ」
「やはり...そうか」
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「爺や!」
「ラニに捕まえてもらったわ。そいつが黒幕よ」
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恐らくこの爺さんは、俺に負けた話をきいて主人の助けになればと思ってわざわざ人を雇ってまで俺に資格を差し向けた。広い敷地の中で比較的会場から近場だったのは勝手に疲れてやってきた俺を公衆の面前で主人に討たせるため。
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「はいっ」
爺さんがびくびくしながら返事をする。
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「そうじゃない。僕には貴族に生まれたプライドがある。いついかなる時も絶対的頂点として君臨し、いざというときにみなの支えとなる王としての使命のことだ」
「承知しております」
「お前はこんな些末な作戦をたて、僕の地位を汚したのだ。わかっているのか」
「申し訳ありません」
「挙句何だ。見つかってわが一族に泥を塗って」
「わたくしの力不足のせいでございます」
「そうじゃない」
クリス先輩は爺やの胸倉をつかんで持ち上げた。
「不正なんかで勝ってこの僕が喜ぶと思うのか。そんな勝利で今までクレバーを引き継いできた先人に顔向けできるのかと聞いているんだ」
「...」
「僕の敗北も僕の醜態も僕の血肉だ。これからの僕の血肉を見届ける勇気がないならお前とは今日限りだ」
「そこまで言わなくても...」
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「僕は怒っている」
「はい」
「お前はこれからもまだうちにいられるか」
「...短い老い先、ささげる覚悟であります」
「そうか。安心したぞ」
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今日は賑やかなパーティーになりそうだ。
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