異世界転生したので俺TUEEEを期待してたら戦闘向きの能力じゃなかったので頭を捻ろうと思います。

滝永ひろ

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6章 バレンタインだー!!ソワソワ アダム…ご愁傷さま。

4話 告白

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「ふいー、ひと悶着だったな、なあハル?」

ハルの方を見ると、ハルの顔が真っ赤だ。

「どうしたハル、顔真っ赤だが。風邪か?寒いもんな今日」

「いや、何でもない」

そう言ってハルは顔をそっぽに向けた。

「あっあの...」

ハルは顔をそっぽに向けたまま鞄の中をあさっている。

「あの、これ、もらってくれる...?」

ハルが差し出したのは、丁寧に放送がされた包みだった。

「あの、さっきの話...」

「ああ、風邪か?」

「そうじゃなくて」

「?」

さっきの話って...?

「僕、リック君のことが...す、好きです!付き合ってください!」

その時、雪が降ってきた。5m先も見えない。これはじきに積もるだろう。

「ああ、お願いします」

雪は俺らへの祝福のように、これからの俺らの幸せかのように積もり積もってゆく。

「寒いな」

「寒いね」

ハルの顔は赤いままだ。それが恥ずかしくて赤いのか、寒さで赤いのか、確かめようはない。というかどうでもいい。

「寒いから手、つないでもいい?」

「ああ、かまわないぞ」

俺たちは手をつないで、歩き出した。

「なあハル」

「ん?どうしたの?」

「俺さ、夏休みの時の宿で、聞いちゃったんだ。お前が俺が返っちゃうのが嫌だって」

「何!?聞いてたの?」

「ああ、それでお前には言っとかないとと思ってな」

「...何を?」

「まず、俺は異国の生まれなんかじゃない」

「え?」

「この国じゃないから、異国は異国なんだけど、この世界の生まれじゃないんだ」

「...えっ?」

「友達と遊んでて、気づいたらここにいたんだ。異世界から来たなんて言ったら怪しまれるだろうから黙ってた。ごめんな」

「え?それじゃあ異世界に行っちゃうの?そんなのいやだよ!同じ世界ならまだしも、異世界じゃあ一生会えないかも...」

「安心してくれ。まだ帰る方法は見つかってない」

「でも見つかったら帰っちゃうんでしょ?」

「それは...わからない。でも、俺は元の世界よりもここのほうが居心地がいいのは確かだ」

「でも、帰らないと、リック君のこと探してる人いっぱいいるんじゃない?」

「そうだな。でも、こっちからいなくなったら悲しむ人もいっぱいいるんじゃないか?」

「もともといた世界に帰るのがいいんじゃない?」

「でも、俺はこっちの世界に居たい」

ハルがなき目になっているのがわかる。

「それに...ハルもいるし」

「あははっ、何それ!」

ハルは泣き目のまま笑った。

「帰る方法も探さなくていーや。ハル、とりあえず帰ろうか」

「うん」

こうして、俺は一つ楽になった。
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