異世界転生したので俺TUEEEを期待してたら戦闘向きの能力じゃなかったので頭を捻ろうと思います。

滝永ひろ

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7章 先生ら忙しそうだな。でもなんか変じゃね?まさか…

5話 決着

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「手は出さないでください。俺が全部片づけます」

「そんなことできるわけが...ああなんかねむ...」

兵士はその場で眠りについた。これも習得した。無意識世界で他人との境界をとるだけだ。相手側は意識が無意識世界にないので、こっちが触れればすぐに反応してしまう。

「すみませんが、今回は仕事ください」

俺は敵のいる方に向かって歩き出す。その間も攻撃はやまないが、すべて戦意を失って停止していく。

「無駄だよ。全部な」

俺はとうとう敵兵の目と鼻の先まで来た。

「你想死吗?」

チーニア兵が言う。「死にたいのか?」と言っているようだ。無意識世界、便利だな。

「死ぬ気はねえよ。テレパシーで聞こえんだろ?」

全チーニア兵がざわついた。

「俺のことは殺せない。お前らの負けだ」

その瞬間、全チーニア兵がその場に倒れこんだ。寝てるんだろうな。

俺はまた歩いてブリトーン兵がいる方へ向かう。その間も警戒は解かないが、何も起きない。

「敵は全員対処しました。殺さないでください。寝てるだけです」

俺は兵に告げる。

「しかし殺さなければまた襲ってくるだろう」

「大丈夫です。あいつらにはもう戦意はありませんよ」

兵は納得していないようだったが、無意識で操る気にはならなかった。
 


あとは...

俺は、いったん魔法を解除した後、再度発動、姿の投影を中国に当たる場所に座標指定する。次の瞬間、目の前が中国に切り替わる。

「王朝は...あれか」

さらにその中に投影体を動かす。

目の前に、派手な格好をした人物が目の前に現れる。いや、現れたのは俺の方か。

「(あんたがこの国の王か?)」

「貴様は何者だ」

「(あんたが王か?)」

「そうだがなんだ」

「(まず、今の俺は実体ではない。何をしても無駄だし、こちらから何もできない)」

「だからどうした」

「(これ以上かわす言葉はない)」

俺は、チーニア王から戦意を抜き取った。

「...帰るか」

そして、またカールトンへと戻る。



「ただいま、ハル」

俺はハルにまず声をかけた。

「...っ、...っ!」

ハルは言葉になっていないようだった。

「信じてたよ。『またな』って言ったから」

「はは、ありがと。ところで、ここを出た時には既に言おうと思ってたことがあるんだ」

「何?」

俺はハルに近寄る。

「え?なになに?」

俺はハルの手を取る。

「ハル、付き合おう」

そうだ。俺は別れようと言ってここを出た。戻ってきたら、まず付き合い直す事を考えていた。

「リック君、ありがと」

「俺は俺がやりたいことやってただけだ」

「うそだー、僕のこと好きだったんじゃん」

「嫌いな奴の告白受けねーや」

「リック君らしいや」

「なんだそりゃ」

こうして、俺たちは復縁した。というかこんな会話を体育館の玄関口でやってたものだから、通りがかった人全員に聞かれ、翌日噂になった。というか学校内新聞に載った。なんでや。

後日談だが、どうやらチーニアとブリトーンは和平を結んだらしい。ブリトーン王の戦意を抜き取ったんじゃないかって?

...内緒で。
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