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IV 救済
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人を殺した。直接ではなくても、それはシュウの吐き気を呼び起こすのに十分だった。
「また、吐いた...」
これで7回目だ。
「死...頭が...うっうぷっ」
8回目である。
「エン...アレ?エンって...確か...」
ファームにいたときにいつも一緒に居た親友だ。
「この尻尾って...あ、おえっ」
その日はもう何も口に入れる気にならなかった。9回目から、もうシュウも数えていなかった。出るものも出尽くし、気持ちが悪いものが胸に残ったまま、眠ることもできず、寮のトイレで夜を明かした。
「あ、シュウ君、ちゃんとこれたね!えらいぞー」
「いや、まあ、はい」
「赤城さんがあそこまでだめだったら来ないかもっていうから。でも来てよかった」
「あ、ありがとうございます」
シュウはその顔も見れなかった。
「出勤なんて当たり前のことでしょ。そんなんでいちいち甘やかしてたらすぐダメになるんだから止めてください」
シュウが後ろを見ると、アクトが来ていた。
「どけ」
「あっ、すっすいません」
「チッ」
アクトは相変わらずの態度だ。
「大体死人見たくらいで大げさなんだよ。そんなんでいちいち吐いてたら餓死すんぞ」
「おーうお前ら入り口で詰まんな」
赤城も来た。入口に3人詰めっている。
「はっはいすみません」
シュウは急いで席に着いた。
「チッ」
アクトはまた舌を鳴らした。
「お前、またシュウになんか言ったろ~。控えめにしとけよ~」
赤城もまた席についた。
「シュウ、昨日は大変だったっぽいし今日はレイラと事務作業しといてくれ」
「やったー!私の仕事半分~」
「仕事の量倍にしとくから」
「ぶ~!」
雨宮は親指を下に向けて抗議した。
「じゃ、やっといてくれな。俺は代わりに行ってくるから。じゃよろしく~」
赤城はそういって上着を羽織り、部屋を後にした。
「お前が休んだら迷惑かかる人がいんのも忘れんなよ。そんな軟弱がいつ死ぬか楽しみにしといてやるよ」
そしてアクトも部屋を後にした。
「ごめんね。アクト君、誰にでもああだあら」
「いやいいんです。僕がわるいんですから」
レイラは顔をしかめた。
「シュウ君、もうちょっと主張してもいいんじゃない?」
「...いきなりなんですか」
「なんか、シュウ君言われっぱなしだし、なんも言い返さないじゃない」
「いいんです。僕、言われたこともできてないし、いちいち死体に反応したりして。雨宮さんもしたいなんか慣れっこなんでしょ?僕には無理ですよ。もういいんです」
「疲れちゃったんだね。私でいいなら好きなだけ当たりなよ。私は受け止めるよ」
「そんな...優しくしないでください。僕は...僕は...」
「ほら、おいで?私が抱きしめておいてあげる。いやなことは一回私に預けてみて」
シュウは吸い込まれるようにレイラに抱き着く。
「よしよし。思い出すなあ。妹がちっちゃい時よくこうしてたっけ」
「すいません...こんな...」
「ううん。いいの」
「僕、ここにいていいんでしょうか」
「いいんじゃない?私はいてほしいなー」
「でも...僕、殺しもできないのに」
「大丈夫。私もそうだよ。人殺しなんて私にも無理だよ。死体なんて見たこともない」
「...」
「だから大丈夫。怖かったらしばらく私と働こ。勇気が出てからでいいし、出なかったらそれでいいの。私の仕事楽になるし」
その時、扉が開く音がした。
「忘れ物~って、お前ら見た目に似合わず展開早いのな...」
驚いただろう。忘れ物を取りに戻ってきたら、青年が女性の胸の中で泣いている。動じなかった方である。
「わっ、誤解です!私は落ち込んでるシュウ君を励ましたかっただけで...」
「ま、そんくらいわかってるよ。お仕事頑張って~」
そうして赤城は出て行った。
「すみません、僕のせいで。もう大丈夫です」
「...」
レイラは複雑な顔をした。
「僕、仕事やりますから。何からすればいいですか?」
「うん...じゃあこれ、やって」
「はい」
二人はしゃべることなく仕事をしだした。
「また、吐いた...」
これで7回目だ。
「死...頭が...うっうぷっ」
8回目である。
「エン...アレ?エンって...確か...」
ファームにいたときにいつも一緒に居た親友だ。
「この尻尾って...あ、おえっ」
その日はもう何も口に入れる気にならなかった。9回目から、もうシュウも数えていなかった。出るものも出尽くし、気持ちが悪いものが胸に残ったまま、眠ることもできず、寮のトイレで夜を明かした。
「あ、シュウ君、ちゃんとこれたね!えらいぞー」
「いや、まあ、はい」
「赤城さんがあそこまでだめだったら来ないかもっていうから。でも来てよかった」
「あ、ありがとうございます」
シュウはその顔も見れなかった。
「出勤なんて当たり前のことでしょ。そんなんでいちいち甘やかしてたらすぐダメになるんだから止めてください」
シュウが後ろを見ると、アクトが来ていた。
「どけ」
「あっ、すっすいません」
「チッ」
アクトは相変わらずの態度だ。
「大体死人見たくらいで大げさなんだよ。そんなんでいちいち吐いてたら餓死すんぞ」
「おーうお前ら入り口で詰まんな」
赤城も来た。入口に3人詰めっている。
「はっはいすみません」
シュウは急いで席に着いた。
「チッ」
アクトはまた舌を鳴らした。
「お前、またシュウになんか言ったろ~。控えめにしとけよ~」
赤城もまた席についた。
「シュウ、昨日は大変だったっぽいし今日はレイラと事務作業しといてくれ」
「やったー!私の仕事半分~」
「仕事の量倍にしとくから」
「ぶ~!」
雨宮は親指を下に向けて抗議した。
「じゃ、やっといてくれな。俺は代わりに行ってくるから。じゃよろしく~」
赤城はそういって上着を羽織り、部屋を後にした。
「お前が休んだら迷惑かかる人がいんのも忘れんなよ。そんな軟弱がいつ死ぬか楽しみにしといてやるよ」
そしてアクトも部屋を後にした。
「ごめんね。アクト君、誰にでもああだあら」
「いやいいんです。僕がわるいんですから」
レイラは顔をしかめた。
「シュウ君、もうちょっと主張してもいいんじゃない?」
「...いきなりなんですか」
「なんか、シュウ君言われっぱなしだし、なんも言い返さないじゃない」
「いいんです。僕、言われたこともできてないし、いちいち死体に反応したりして。雨宮さんもしたいなんか慣れっこなんでしょ?僕には無理ですよ。もういいんです」
「疲れちゃったんだね。私でいいなら好きなだけ当たりなよ。私は受け止めるよ」
「そんな...優しくしないでください。僕は...僕は...」
「ほら、おいで?私が抱きしめておいてあげる。いやなことは一回私に預けてみて」
シュウは吸い込まれるようにレイラに抱き着く。
「よしよし。思い出すなあ。妹がちっちゃい時よくこうしてたっけ」
「すいません...こんな...」
「ううん。いいの」
「僕、ここにいていいんでしょうか」
「いいんじゃない?私はいてほしいなー」
「でも...僕、殺しもできないのに」
「大丈夫。私もそうだよ。人殺しなんて私にも無理だよ。死体なんて見たこともない」
「...」
「だから大丈夫。怖かったらしばらく私と働こ。勇気が出てからでいいし、出なかったらそれでいいの。私の仕事楽になるし」
その時、扉が開く音がした。
「忘れ物~って、お前ら見た目に似合わず展開早いのな...」
驚いただろう。忘れ物を取りに戻ってきたら、青年が女性の胸の中で泣いている。動じなかった方である。
「わっ、誤解です!私は落ち込んでるシュウ君を励ましたかっただけで...」
「ま、そんくらいわかってるよ。お仕事頑張って~」
そうして赤城は出て行った。
「すみません、僕のせいで。もう大丈夫です」
「...」
レイラは複雑な顔をした。
「僕、仕事やりますから。何からすればいいですか?」
「うん...じゃあこれ、やって」
「はい」
二人はしゃべることなく仕事をしだした。
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