TAIL BERSERKER

滝永ひろ

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Ⅹ 協力

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「フィフスの目撃証言が2個だ。片方はこないだの第二型のフィフス...誰がどっち行く?」

警視総監の訪問から次の日、赤城が早速例の名を使って指示をする。

「僕、第二型?の方行きます」

シュウが決めると、アクトもそれに応じて答える。

「じゃあ俺はもう片方で」

「決まりだな。シュウの方は相手が相手だし、俺もついていく。今回は遠いぞ~。アクトは...大丈夫だろ。警視総監あってからなんか興奮気味だし」

じゃあ、ということで3人とも部屋を出た。

「ひとりぼっち...」

レイラは静かにつぶやいた。



「なあシュウ」

「どうしたんですか?」

赤城が運転する車の、助手席に乗る。エンジンをかけ、前を向いたまま話しかける。

「前回の第二型フィフスな」

「あの仮面のですか」

「そうなのか?まあ、それだ。あれな、たまたま監視カメラに映っただけで人に見られることを極端に嫌っているんだ」

「え?まあ同じようなことは聞きましたけど...」

「おかしいと思わないか?」

「なんでですか?」

「お前には返事して戦闘までしたんだろ?」

「言われてみれば確かに...」

「おかしいんだよ。まるで、シュウを狙っているような...」

「それでついてきてくれたんですね」

「まあそんなとこだ」

赤城は信号で止まった。同じ過ちは2度起こさない...いや、すでに数回繰り返していたが。

「赤城さん」

「どうした?」

「赤城さんもファーム出身なんですよね」

「ああ、そうだな」

「赤城さんの尾って、無いようにに見えるんですけど...」

「ああ、俺の尾な。どこにあると思う?」

「え?それは腰から生えてるに決まって...ん?でもどこにもない...」

「今お前の目の前に浮いてるよ」

「えっ?でも見えて...あっ!感触がある!」

シュウが目の周りに手をやると、そこに確かな感触があった。つるつるしているが、しなやかで柔らかい。

「俺の尾は遠隔操作、さらに不可視で強靭。都合よくできてるな」

「誰が作ってるんですかね」

「知らね」

赤城は左にハンドルを切った。



「また地下駐車場。今回は使われてない08-b4か...とことん人目を嫌ってるんだな」

そういって、地下駐車場の入り口をふさぐように駐車した。

「あー、助手席側から降りたら車で入れないだろ。こっちから降りろよ」

「はい」

(車でふさぐ...でも壊されたらどうするんだろう...)

「じゃ、俺はここで待ってるから。お前じゃないと戦闘にならないかもだし」

「はい...でも、見えない敵なんてどうするんですか?」

「んー、まあ、何とかなんだろ」

赤城はポケットから煙草を取り出すと、その一本を咥えてライターを取り出し、「行ってきな」とシュウを送り出した。


「おーい...」

仕方がないので前回と同じように声をかけてみる。

「ふしゅるるる...」

「聞こえた。あっちだ」

シュウが走って向かった先には、前回と同じようにやはり何もいない。

「おーい...」

「ふしゅるう...」

「来た。多分この辺...」

シュウは両の尾を振り回した。ボグッと鈍い音がする。シュウの尾に感触があった。

「ふっ...しゅるるるる...」

じわぁっと空間内に姿が現れる。仮面をつけた、不気味な影だ。

「君は...何者なんだ?」

「ふしゅるる...しゅ...う...」

「今、僕の名前を呼んだのか?まさか僕が赤城さんと話してるのを聞いて...?でもフィフスには知能がないんじゃ...」

「ふしゅるるる」

その敵はまたもや空間に溶け込んでいった。

「くそっ」

シュウはまた尾を適当に振り回す。すると、鈍い音とともに今度はエンの尾がヒットしたのがわかった。

「来た!あてずっぽうで攻撃できるなら何とかなりそうだぞ」

「ふしゅう...」

姿を現した敵は、息を吐きながら上体を倒して構えている。

次の瞬間、敵は駐車場奥に向かって走り出した。

「あっ!透明化も使わず...どういうつもりなんだ?」

シュウはその姿を追う。

「まてっ!」

なかなか追いつけない。つかず離れず、といった感じで一定の距離がなかなかつまらない。

「はぁ、はぁ...なんで...どうしても追いつかない...そうだ、入口、あそこは必ず赤城さんが食い止めてる。あそこに行けば...」

シュウは踵を返し、駐車場入り口へ向かう。

「これは...どういうことなんだ...!」

後ろを向いた途端、前まで前にいた敵がまた前にいる。つまり、瞬間移動でもしたかのように視界の中心にい続けるのだ。

「これは...やっぱりただのフィフスなんかじゃないぞ...多分今見えているのは虚像だ。これは幻覚を見せる尾。じゃあ本当に入口の方にフィフスが...」

シュウは入口へ走った。
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