21 / 23
ⅩⅩⅠ 開戦
しおりを挟む
「起きろ」
その日の夜。警察寮のシュウの部屋に現れたのは、赤城だった。
「パンゲア外からの使者を確認した。これからペンギンを招集する。この大陸の治安維持はペンギンからコンタクトとって世界中のギャングに任せている。そのうえで世界中から人工尾対策術を知る者ありったけに声かけた。各々の方法で同行することになっている。行くぞ」
「...わかりました。準備します。あと窓からくるのはやめてください」
「ふっ。戦争の火ぶたとはまだ気づかれてないはずだ。穴の位置はわかっている。少なくとも奴らが帰るときまでは猶予がある。いいか、万全を尽くせ」
「わかりました」
赤城につれてこられた場所には、ペンギン、エン、アクト。
「おーう、何時間かぶりやな。行く前に名前くらい聞いとくよ」
「アクト、戦闘要員。この中じゃ唯一尾がないが、負ける気はねえ。死にに行くわけじゃねえ」
「エン。ジャミング要員。戦闘にも地震波あります。二度親友が死ぬ思いをシュウにさせたくない。死ぬ気はありません」
「シュウ、自己紹介」
赤城が促す。
「シュウ...戦闘要員...自信はないです...でも死にたくはない...頑張ります」
「まず」
赤城が話し出す。
「まず、強い動機があるわけでもないのに命がけの戦争に参加してくれるシュウ。もう一度礼を言う。そして二人。アクトとエンも、俺を信じてくれてありがとう。ペンギン、ギャングと警察がここまで世界的に協力するのは歴史上おそらく初めてだ。ここまで大事にするようなことはこれで最後にしたい。しかし、この作戦に参加してくれたこと、大きく感謝する」
「けっ、警察がギャングに頭なんて下げんなよ。俺もこの尾の貸しは返さないといけないからな」
「あとは警視総監だけだ。あの人は忙しいからな。来たら全世界にGOサインを出す。お前ら準備はいいな」
「「「はい」」」
「応!」
あちこちで崩落音が聞こえる。もう何かが起きているようだ。
「高木からの通信が途絶えた。なんかあったな。アメリカの組のやつらからも一部途絶えた。早めに行くぞ」
「待たせてしまったかな?」
その声に全員が振り向いた。
「閻公成。戦闘要員だ。とりあえず足手まといにならないように気を付けるよ」
警視総監。ここにきて貫録を見せつけている。
「じゃあ、行こうか」
ペンギンが手を差し出す。
「つかめ。俺が飛ばすが、俺が飛ぶだけでお前らを運べるわけではねー。シュウは肩車して衝撃波を避けるためにそのとがった尾で角を作っとけ。お前ら、とりあえず飛ばすから鋭角に収まるようになれよ」
ペンギンはシュウを肩車した。そのうえでシュウがシュウの尾を上に突き出す。ほかはペンギンにしがみつく。
「ずいぶん不格好だが。じゃ、行くぞ」
ふわり、と浮いた。
「飛ばすぜ」
次の瞬間、急加速した。
「シュウ、尾は緩めるなよ。お前のそれが緩んだら終わりだ」
「これ今どれくらいスピード出てるんですか?マッハ10だ。このまま1時間半くらい我慢だ」
それほどの距離ということだ。
「なんだとっ!?」
急にペンギンが声を荒げる。
「穴が閉まってる。これじゃ出れねーぜ」
「ペンギンさん!」
「どうしたシュウとかいう小僧!」
「このまま突っ込んでください。このスピードなら貫通できるはずです」
「そんなことしたらお前の尾が」
「大丈夫です。もう一本あります」
「はっ、いい顔するようになったじゃねーか」
シュウはもう覚悟を決めていた。弱気な自分はもう振り切って、弱い自分から逃げ切る自分に変わるため、このロケットの先端になっていた。
「行くぞ。覚悟しろよ」
ペンギンはスピードを増した。
「ペンギンさん、なんでギャングになったんですか?」
「今聞くことかよ」
「すいません。気になって」
「フェンリルに正義は似合わねーかなって思ってな」
「...なんかかっこいいですね」
「そうか?見えてきたぞ。ぶっ壊して一番感知されないのはおそらくあそこ。上空10000m、ドームの天井だ」
もう目視で確認できるところまで来ていた。2秒後、すでに6人は上空13000mにいた。
「おめでとうシュウ。突破だ。まだ行くぜ」
ロケットは進路を変更し、横に向かって飛び出した。
「あとは俺の仕事だ。捕まってろよ!」
ペンギンはとにかく早く飛んだ。マッハ10なんて日ではなかった。30分後、迎撃システムのセンサーにも感知できないスピードで天空都市に飛び込んだ。
「さあ、まだ戦う力は残ってっか?俺はまだ燃えてるぜ」
ペンギンの目はまだメラメラと燃えている。
「おいでなすった...こうなると思ったぜ」
赤城が前方を見る。その先には警備ロボットがキャタピラでこちらに進行してきていた。
その日の夜。警察寮のシュウの部屋に現れたのは、赤城だった。
「パンゲア外からの使者を確認した。これからペンギンを招集する。この大陸の治安維持はペンギンからコンタクトとって世界中のギャングに任せている。そのうえで世界中から人工尾対策術を知る者ありったけに声かけた。各々の方法で同行することになっている。行くぞ」
「...わかりました。準備します。あと窓からくるのはやめてください」
「ふっ。戦争の火ぶたとはまだ気づかれてないはずだ。穴の位置はわかっている。少なくとも奴らが帰るときまでは猶予がある。いいか、万全を尽くせ」
「わかりました」
赤城につれてこられた場所には、ペンギン、エン、アクト。
「おーう、何時間かぶりやな。行く前に名前くらい聞いとくよ」
「アクト、戦闘要員。この中じゃ唯一尾がないが、負ける気はねえ。死にに行くわけじゃねえ」
「エン。ジャミング要員。戦闘にも地震波あります。二度親友が死ぬ思いをシュウにさせたくない。死ぬ気はありません」
「シュウ、自己紹介」
赤城が促す。
「シュウ...戦闘要員...自信はないです...でも死にたくはない...頑張ります」
「まず」
赤城が話し出す。
「まず、強い動機があるわけでもないのに命がけの戦争に参加してくれるシュウ。もう一度礼を言う。そして二人。アクトとエンも、俺を信じてくれてありがとう。ペンギン、ギャングと警察がここまで世界的に協力するのは歴史上おそらく初めてだ。ここまで大事にするようなことはこれで最後にしたい。しかし、この作戦に参加してくれたこと、大きく感謝する」
「けっ、警察がギャングに頭なんて下げんなよ。俺もこの尾の貸しは返さないといけないからな」
「あとは警視総監だけだ。あの人は忙しいからな。来たら全世界にGOサインを出す。お前ら準備はいいな」
「「「はい」」」
「応!」
あちこちで崩落音が聞こえる。もう何かが起きているようだ。
「高木からの通信が途絶えた。なんかあったな。アメリカの組のやつらからも一部途絶えた。早めに行くぞ」
「待たせてしまったかな?」
その声に全員が振り向いた。
「閻公成。戦闘要員だ。とりあえず足手まといにならないように気を付けるよ」
警視総監。ここにきて貫録を見せつけている。
「じゃあ、行こうか」
ペンギンが手を差し出す。
「つかめ。俺が飛ばすが、俺が飛ぶだけでお前らを運べるわけではねー。シュウは肩車して衝撃波を避けるためにそのとがった尾で角を作っとけ。お前ら、とりあえず飛ばすから鋭角に収まるようになれよ」
ペンギンはシュウを肩車した。そのうえでシュウがシュウの尾を上に突き出す。ほかはペンギンにしがみつく。
「ずいぶん不格好だが。じゃ、行くぞ」
ふわり、と浮いた。
「飛ばすぜ」
次の瞬間、急加速した。
「シュウ、尾は緩めるなよ。お前のそれが緩んだら終わりだ」
「これ今どれくらいスピード出てるんですか?マッハ10だ。このまま1時間半くらい我慢だ」
それほどの距離ということだ。
「なんだとっ!?」
急にペンギンが声を荒げる。
「穴が閉まってる。これじゃ出れねーぜ」
「ペンギンさん!」
「どうしたシュウとかいう小僧!」
「このまま突っ込んでください。このスピードなら貫通できるはずです」
「そんなことしたらお前の尾が」
「大丈夫です。もう一本あります」
「はっ、いい顔するようになったじゃねーか」
シュウはもう覚悟を決めていた。弱気な自分はもう振り切って、弱い自分から逃げ切る自分に変わるため、このロケットの先端になっていた。
「行くぞ。覚悟しろよ」
ペンギンはスピードを増した。
「ペンギンさん、なんでギャングになったんですか?」
「今聞くことかよ」
「すいません。気になって」
「フェンリルに正義は似合わねーかなって思ってな」
「...なんかかっこいいですね」
「そうか?見えてきたぞ。ぶっ壊して一番感知されないのはおそらくあそこ。上空10000m、ドームの天井だ」
もう目視で確認できるところまで来ていた。2秒後、すでに6人は上空13000mにいた。
「おめでとうシュウ。突破だ。まだ行くぜ」
ロケットは進路を変更し、横に向かって飛び出した。
「あとは俺の仕事だ。捕まってろよ!」
ペンギンはとにかく早く飛んだ。マッハ10なんて日ではなかった。30分後、迎撃システムのセンサーにも感知できないスピードで天空都市に飛び込んだ。
「さあ、まだ戦う力は残ってっか?俺はまだ燃えてるぜ」
ペンギンの目はまだメラメラと燃えている。
「おいでなすった...こうなると思ったぜ」
赤城が前方を見る。その先には警備ロボットがキャタピラでこちらに進行してきていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる