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「はあ…、こんなにも可愛いルカ様にキスをしたいのですが、人目がありますからね。後でゆっくりとします。…赤築、悪いな。おまえの役目はここまでだ。どうやら、俺とルカ様の問題に巻き込んでしまったみたいで、申し訳ない。それと、今のを見ていただろう。おまえのルカ様への想いは、胸の中にしまい込んでくれ」
僕とロウから数メートル離れた場所で、リツが呆然とこちらを見て立っていた。ロウの言葉に、泣きそうな顔をして僕を見る。
「リツ…、僕の我が儘で連れ回して、ごめんね…。でもリツがいてくれて、心強かった。一緒に来てくれて、すごく嬉しかった。いつも一生懸命、僕のこと思ってくれて、守ってくれて、好きだと言ってくれて…。ロウ以外にそんな風にされたことなかったから、戸惑いもしたけど、本当に嬉しかった…。リツ…僕はリツが好きだよ。でもそれは、友達としての好き。僕はリツの一番の友達でいたい。だからリツの気持ちには応えられない。ごめんね…」
「いいっ、謝んなくていい…。俺は、ルカが幸せならそれでいいから。ルカ…もう大丈夫だな?」
「うん、大丈夫。ありがとう…」
「いいって。じゃあ、俺はお邪魔だし帰るよ」
「ああ、待て。もうすぐ赤築家の迎えが来るぞ」
「え?」
ロウが言ったタイミングで、一台の黒い車が、別荘の敷地に入って来た。リツのすぐ側で止まり、後ろのドアから赤築先生が降りて来る。リツの傍に行き、軽く頭をポンポンと叩いて、車に乗るようにリツの背中を押す。リツを車に押し込むと、先生がこちらを振り返って頭を下げた。
「この度は弟が迷惑をかけて…。ごめんなさい」
「違うっ!違いますっ。僕が、リツに迷惑をかけたんですっ。弟さんを振り回してごめんなさい。僕を怒って下さい」
ロウの胸から身体を離して、赤築先生に深く頭を下げた。
「いいえ、リツがちゃんと引き留めるべきだったのよ。何も無かったからいいものの、もしルカ君に怪我でもさせてたら大変だったわ」
「でも、やっぱり僕が全部悪いんです。本当にすいませんでした。リツのことは、怒らないであげて下さい…」
「ふふ…、わかったわ。ほら、あなた達も一緒に乗って?」
頭を上げた僕に、赤築先生は優しく微笑んでくれた。
黙ってやり取りを見ていたロウが、僕の肩を抱き寄せる。
「いや、いい。俺達は、のんびりと帰ります。わざわざ出向いてもらって申し訳ない。気をつけて帰って下さい」
「そう?じゃあまた学校で…」
僕達に手を振って、赤築先生は車に乗り込んだ。
すぐに運転手が車を発進させる。
見送る僕に、リツが後ろを振り向いて、大きく手を振った。僕もそれに応えてそっと手を振る。
車が細い道の先を曲がって見えなくなり、僕とロウの二人が残された。
僕とロウから数メートル離れた場所で、リツが呆然とこちらを見て立っていた。ロウの言葉に、泣きそうな顔をして僕を見る。
「リツ…、僕の我が儘で連れ回して、ごめんね…。でもリツがいてくれて、心強かった。一緒に来てくれて、すごく嬉しかった。いつも一生懸命、僕のこと思ってくれて、守ってくれて、好きだと言ってくれて…。ロウ以外にそんな風にされたことなかったから、戸惑いもしたけど、本当に嬉しかった…。リツ…僕はリツが好きだよ。でもそれは、友達としての好き。僕はリツの一番の友達でいたい。だからリツの気持ちには応えられない。ごめんね…」
「いいっ、謝んなくていい…。俺は、ルカが幸せならそれでいいから。ルカ…もう大丈夫だな?」
「うん、大丈夫。ありがとう…」
「いいって。じゃあ、俺はお邪魔だし帰るよ」
「ああ、待て。もうすぐ赤築家の迎えが来るぞ」
「え?」
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「この度は弟が迷惑をかけて…。ごめんなさい」
「違うっ!違いますっ。僕が、リツに迷惑をかけたんですっ。弟さんを振り回してごめんなさい。僕を怒って下さい」
ロウの胸から身体を離して、赤築先生に深く頭を下げた。
「いいえ、リツがちゃんと引き留めるべきだったのよ。何も無かったからいいものの、もしルカ君に怪我でもさせてたら大変だったわ」
「でも、やっぱり僕が全部悪いんです。本当にすいませんでした。リツのことは、怒らないであげて下さい…」
「ふふ…、わかったわ。ほら、あなた達も一緒に乗って?」
頭を上げた僕に、赤築先生は優しく微笑んでくれた。
黙ってやり取りを見ていたロウが、僕の肩を抱き寄せる。
「いや、いい。俺達は、のんびりと帰ります。わざわざ出向いてもらって申し訳ない。気をつけて帰って下さい」
「そう?じゃあまた学校で…」
僕達に手を振って、赤築先生は車に乗り込んだ。
すぐに運転手が車を発進させる。
見送る僕に、リツが後ろを振り向いて、大きく手を振った。僕もそれに応えてそっと手を振る。
車が細い道の先を曲がって見えなくなり、僕とロウの二人が残された。
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