たゆたう青炎

明樹

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瑠璃の瞳に浮かぶ幸せ

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「知ってる…覚えてる…っ。だからロウは、う、嘘つきだっ!僕の傍にいると言ったのに、僕に離れるなと言ったのに、自分から離れようとしてるじゃないかっ」
「嘘などついていない!俺がっ、ルカ様の、あなたの傍を離れるなんて出来る訳ないだろっ!あなたを置いて、青蓮家に戻るなどしないっ」
「だってっ、父さんと電話で…」
「確かにルイ様からは、戻るようにお話がありました。何度も断ってましたが、中々にしつこいので、昨日は直接お会いして断る為に、青蓮家に行ったのです。もしかしてあなたが電話を聞いていたかもしれないとは思ったのですが…、そこまで思い詰めてるとは…」


ーーえ…、断っ…た?じゃあ、ロウは…。


僕はロウのシャツを握りしめて、高い位置にある深い青の瞳を見つめながら、願いを口にする。


「じ、じゃあ…、僕から離れない?ずっと傍に…いる?」
「愚問です。でも、あなたが望むなら何度でも誓う。俺は、ルカ様の傍を、何があっても離れません。だからあなたも、俺の傍を決して離れないよう…」
「う、うんっ、離れない!ずっとロウの傍にいるっ。だから…ロウ、僕と一緒にいて…。僕は、ロウがいないと生きていけない…っ。ロウしか、いらない!」
「ルカ様…」


ポロポロと涙を流す僕を見て、ロウがとても嬉しそうに笑う。あまりにも綺麗な笑顔を見せるから、僕は目をパチパチと瞬かせて首を傾げた。


「ふふっ、十七年間想い続けてきた気持ちが、ようやく報われました。俺は今、とても幸せです」
「…報われた?」


ロウが、僕の濡れた頬を掌で拭って、額にキスをする。


「気づいてないのですか?ルカ様はさっき、俺に愛の告白をしたのですよ?」
「告白…」
「そう。俺はそう受け取ったのですが、違うのですか?」


泣き過ぎと、僕の身体中を占めていた不安が消えた安堵で、ぼんやりとした頭で思い返す。


ーー僕、何て言った?傍に、いて…。ロウがいないと、生きて…いけ…ない。ロウ、しか…いらな…い……。


僕は「あ」と声を上げて、一瞬で熱くなった顔を、ロウの胸に擦りつけて隠した。


ーーそうだ…!ここに来る道中も薄々思っていた。僕がロウに抱く感情って…そうなのかな、って。ロウがいないと生きていけないって、すごいこと言ってしまった…。


少しだけ顔を上げて、上目遣いでロウを見る。


「…違わない…。ロウは?僕、ロウから聞いてない…」
「いつも態度で示していたのですが、わかりませんでしたか?俺は、ルカ様を愛しています。あなたが生まれた瞬間からずっと。この先も永遠に」
「うん…。僕も……好き…」


ロウが本当に幸せそうに笑って、僕の額と瞼にキスをして、抱きしめる腕に力を込めた。


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