14 / 451
14
しおりを挟む
「ん…」
鼻から甘い息を吐いて、僕の肩が震えた。
唇に触れた柔らかい物はすぐに離れ、リアムが僕を見つめながら頬を撫でる。
「フィー…好きだ」
「……」
僕は答えることが出来なかった。
だって好きというものがどういうことか知らない。リアムの傍は心地よいけど、それが好きという感情からきてるのかわからない。それに…僕は男だ。僕を女と思って好意を向けてくれるリアムと結ばれることはない。
だから本当は、今も押し返すべきだった。触れさせてはいけなかった。だけどなぜか僕は動けなかった。リアムにキスされても嫌じゃなかった。むしろもっと触れていたいとさえ…。
「……え?」
「フィー?ごめん…嫌だった?」
「…リアムのばか」
「えっ?ごめんっ!」
リアムが慌てて上半身を起こし、あたふたと焦っている。
僕はリアムを睨みつけながら、ドキドキと高鳴る鼓動に気づかれないように、ゆっくりと呼吸を整えた。
もっと触れていたいってなに?どういう感情?ああそうか。姉上ともっと話したいとかラズールに傍にいて欲しいとかいう感情と同じなのかも。そっか…。僕はリアムを家族みたいに思ってるのかな。
そう考えたら何だか滑稽になって、僕はふふっと吹き出してしまった。
「フィー?怒ってない?」
「…うん。びっくりしたけど怒ってないよ。でももう、僕の断りなくするのはやめて」
「くっ…わかった。次からは断りを入れてからにする」
「うん、そうし……て?」
あれ?これって断りを入れたならキスしてもいいってことじゃないか!僕はなに頷こうとしてるの?
僕も慌てて起き上がり、両手を胸の前で交叉させる。
「違っ!今のは間違い…っ」
「駄目だ。もう言質をとったぞ」
リアムが僕の両手を掴み太陽のように明るく笑う。その顔がとても眩しくて目の前がくらくらする。
僕は両手を掴まれたまま顔を伏せた。しかしすぐに耳朶に何かが触れて「フィー」と楽しそうな声がする。リアムの唇だ。僕は逃れるように反対側に頭を逸らした。するとあらわになった首を強く吸われた。
「あっ…」
「甘…」
何度も何度も吸われてついに我慢が出来なくなった僕は、両手に力を込めてリアムの胸を押した。
リアムは押されるままに僕から離れ、両手を合わせて再び「ごめん」と謝る。
「フィーが可愛いし甘い匂いがして我慢出来なかった。調子に乗った。本当にごめん。フィーがいいって言ってくれるまでもう触れない」
「ほんとに…?我慢できるの?」
「うっ…できる!」
黙っていればとても美しく凛々しい姿のリアムが、ベッドの上で正座をして僕に謝ってる姿が可愛くてとても面白い。僕は片手で口元を押さえ、思わず声を出して笑った。
僕を見てリアムの腰が浮き手を伸ばしかけたけど、ギュッと拳を握りしめて耐えていた。本当に約束通りに我慢している姿に、僕は目を細めて笑い続けた。
鼻から甘い息を吐いて、僕の肩が震えた。
唇に触れた柔らかい物はすぐに離れ、リアムが僕を見つめながら頬を撫でる。
「フィー…好きだ」
「……」
僕は答えることが出来なかった。
だって好きというものがどういうことか知らない。リアムの傍は心地よいけど、それが好きという感情からきてるのかわからない。それに…僕は男だ。僕を女と思って好意を向けてくれるリアムと結ばれることはない。
だから本当は、今も押し返すべきだった。触れさせてはいけなかった。だけどなぜか僕は動けなかった。リアムにキスされても嫌じゃなかった。むしろもっと触れていたいとさえ…。
「……え?」
「フィー?ごめん…嫌だった?」
「…リアムのばか」
「えっ?ごめんっ!」
リアムが慌てて上半身を起こし、あたふたと焦っている。
僕はリアムを睨みつけながら、ドキドキと高鳴る鼓動に気づかれないように、ゆっくりと呼吸を整えた。
もっと触れていたいってなに?どういう感情?ああそうか。姉上ともっと話したいとかラズールに傍にいて欲しいとかいう感情と同じなのかも。そっか…。僕はリアムを家族みたいに思ってるのかな。
そう考えたら何だか滑稽になって、僕はふふっと吹き出してしまった。
「フィー?怒ってない?」
「…うん。びっくりしたけど怒ってないよ。でももう、僕の断りなくするのはやめて」
「くっ…わかった。次からは断りを入れてからにする」
「うん、そうし……て?」
あれ?これって断りを入れたならキスしてもいいってことじゃないか!僕はなに頷こうとしてるの?
僕も慌てて起き上がり、両手を胸の前で交叉させる。
「違っ!今のは間違い…っ」
「駄目だ。もう言質をとったぞ」
リアムが僕の両手を掴み太陽のように明るく笑う。その顔がとても眩しくて目の前がくらくらする。
僕は両手を掴まれたまま顔を伏せた。しかしすぐに耳朶に何かが触れて「フィー」と楽しそうな声がする。リアムの唇だ。僕は逃れるように反対側に頭を逸らした。するとあらわになった首を強く吸われた。
「あっ…」
「甘…」
何度も何度も吸われてついに我慢が出来なくなった僕は、両手に力を込めてリアムの胸を押した。
リアムは押されるままに僕から離れ、両手を合わせて再び「ごめん」と謝る。
「フィーが可愛いし甘い匂いがして我慢出来なかった。調子に乗った。本当にごめん。フィーがいいって言ってくれるまでもう触れない」
「ほんとに…?我慢できるの?」
「うっ…できる!」
黙っていればとても美しく凛々しい姿のリアムが、ベッドの上で正座をして僕に謝ってる姿が可愛くてとても面白い。僕は片手で口元を押さえ、思わず声を出して笑った。
僕を見てリアムの腰が浮き手を伸ばしかけたけど、ギュッと拳を握りしめて耐えていた。本当に約束通りに我慢している姿に、僕は目を細めて笑い続けた。
12
あなたにおすすめの小説
冤罪で追放された王子は最果ての地で美貌の公爵に愛し尽くされる 凍てついた薔薇は恋に溶かされる
尾高志咲/しさ
BL
旧題:凍てついた薔薇は恋に溶かされる
🌟第10回BL小説大賞(2022年)奨励賞。2025年11月アンダルシュノベルズより刊行🌟
ロサーナ王国の病弱な第二王子アルベルトは、突然、無実の罪状を突きつけられて北の果ての離宮に追放された。王子を裏切ったのは幼い頃から大切に想う宮中伯筆頭ヴァンテル公爵だった。兄の王太子が亡くなり、世継ぎの身となってからは日々努力を重ねてきたのに。信頼していたものを全て失くし向かった先で待っていたのは……。
――どうしてそんなに優しく名を呼ぶのだろう。
お前に裏切られ廃嫡されて最北の離宮に閉じ込められた。
目に映るものは雪と氷と絶望だけ。もう二度と、誰も信じないと誓ったのに。
ただ一人、お前だけが私の心を凍らせ溶かしていく。
執着攻め×不憫受け
美形公爵×病弱王子
不憫展開からの溺愛ハピエン物語。
◎書籍掲載は、本編と本編後の四季の番外編:春『春の来訪者』です。
四季の番外編:夏以降及び小話は本サイトでお読みいただけます。
なお、※表示のある回はR18描写を含みます。
🌟第10回BL小説大賞での応援ありがとうございました!
🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
オークとなった俺はスローライフを送りたい
モト
BL
転生したらオークでした。豚の顔とかマジないわ~とか思ったけど、力も強くてイージーモードじゃん。イージーイージー!ははは。俺、これからスローライフを満喫するよ!
そう思っていたら、住んでいる山が火事になりました。人間の子供を助けたら、一緒に暮らすことになりました。
子供、俺のこと、好きすぎるのやめろ。
前半ファンタジーっぽいですが、攻めの思考がヤバめです。オークが受けでも別に大丈夫という方のみお読みください。
不憫オークですが、前向きすぎるので不憫さは全くありません。
ムーンライトノベルズでも投稿しております。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
応援ありがとうございます!
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
ボスルートがあるなんて聞いてない!
雪
BL
夜寝て、朝起きたらサブ垢の姿でゲームの世界に!?
キャラメイクを終え、明日から早速遊ぼうとベッドに入ったはず。
それがどうして外に!?しかも森!?ここどこだよ!
ゲームとは違う動きをするも、なんだかんだゲーム通りに進んでしまい....?
あれ?お前ボスキャラじゃなかったっけ?
不器用イケメン×楽観的イケメン(中身モブ)
※更新遅め
【完結】顔だけと言われた騎士は大成を誓う
凪瀬夜霧
BL
「顔だけだ」と笑われても、俺は本気で騎士になりたかった。
傷だらけの努力の末にたどり着いた第三騎士団。
そこで出会った団長・ルークは、初めて“顔以外の俺”を見てくれた人だった。
不器用に愛を拒む騎士と、そんな彼を優しく包む団長。
甘くてまっすぐな、異世界騎士BLファンタジー。
【本編完結】最強魔導騎士は、騎士団長に頭を撫でて欲しい【番外編あり】
ゆらり
BL
帝国の侵略から国境を守る、レゲムアーク皇国第一魔導騎士団の駐屯地に派遣された、新人の魔導騎士ネウクレア。
着任当日に勃発した砲撃防衛戦で、彼は敵の砲撃部隊を単独で壊滅に追いやった。
凄まじい能力を持つ彼を部下として迎え入れた騎士団長セディウスは、研究機関育ちであるネウクレアの独特な言動に戸惑いながらも、全身鎧の下に隠された……どこか歪ではあるが、純粋無垢であどけない姿に触れたことで、彼に対して強い庇護欲を抱いてしまう。
撫でて、抱きしめて、甘やかしたい。
帝国との全面戦争が迫るなか、ネウクレアへの深い想いと、皇国の守護者たる騎士としての責務の間で、セディウスは葛藤する。
独身なのに父性強めな騎士団長×不憫な生い立ちで情緒薄めな甘えたがり魔導騎士+仲が良すぎる副官コンビ。
甘いだけじゃない、骨太文体でお送りする軍記物BL小説です。番外は日常エピソード中心。ややダーク・ファンタジー寄り。
※ぼかしなし、本当の意味で全年齢向け。
★お気に入りやいいね、エールをありがとうございます! お気に召しましたらぜひポチリとお願いします。凄く励みになります!
巨人の国に勇者として召喚されたけどメチャクチャ弱いのでキノコ狩りからはじめました。
篠崎笙
BL
ごく普通の高校生だった優輝は勇者として招かれたが、レベル1だった。弱いキノコ狩りをしながらレベルアップをしているうち、黒衣の騎士風の謎のイケメンと出会うが……。
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる