炎の国の王の花

明樹

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看病 5

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すぐに規則正しい呼吸音が聞こえて、ハマトがまた眠ったんだと気づく。
俺は、痛む横腹に顔を歪めながら、懇親の力でハマトの身体を押し退け、ひどい目眩に痛み出した頭を抱えて、ゆっくりと身体を起こした。


その時、ガチャリと音がして扉が開き、医者が戻って来た。
頭を抱える俺を見て、慌てて駆け寄って来る。


「あれ?起きて見てくれてたの?寝ながら本当に見てるだけで良かったのに。どうしたの?目眩がひどい?」


そもそも怪我人を置いて出て行くなよ…と恨みがましく医者を睨みながら、「それもだけど頭が痛い…」と訴えた。
医者は「大変だ」と、とても大変とは思ってない様子で言うと、また棚から容器を取り出す。容器から琥珀色の飴玉みたいな物を取り出すと、俺の掌の上に乗せた。


「それ舐めてみて。痛みが治まるから。甘くて美味しいよ」
「…はあ…」


少しの間、掌に乗せられた物を眺めてから、口に入れる。シナモンのような独特な香りがするけど、確かに甘くて美味しい。
俺はフラフラと立ち上がると、ブーツを手に持って扉へと向かう。


「あ、君、どこ行くの?」
「部屋に戻ります。部屋の方が落ち着いて休めるから…。それと、ハマト、熱が上がってきてるみたいですよ。解熱薬とか飲ませた方がいいと思います」
「うん、そうだね。その薬を取りに行ってたんだよ。すぐに飲ませる。君、部屋に戻るならこれを持って行って。軽くなら身体を洗ってもいいから、その後にこの薬を塗るんだよ。いいね?」


医者が、塗り薬が入った容器と頭痛薬だという飴玉みたいな物が入った容器を差し出してくる。
俺は、それらを受け取ると、「ありがとうございます」と頭を下げて部屋を出た。





自分の部屋に戻る途中で迎えに来たリオと合流して、肩を借りて部屋に戻った。
頭痛が中々治まらなくて、もらった薬をもう一つ口に入れてベッドに横になる。
今日一日でとても疲れてしまい、首から下げている赤い石を握りしめて「アルに会いたいな…」と呟いていると、扉の外から自分の部屋に戻っていたリオの声が聞こえた。


「カナデ、サッシャ様が帰って来られた。入ってもいい?」
「…どうぞ」


返事の後に扉が開いて、サッシャとリオが入ってくる。
俺が身体を起こそうとすると、サッシャに「そのままでいいよ」と止められた。


「怪我はどうだった?深刻?」
「…大丈夫。腕の傷も薬を塗ってれば治るし、蹴られたお腹も骨にヒビが入っただけだった…」
「そう…。ヒビ?ヒビが入ってんのっ?ご、ごめんっ!俺の国でそんな怪我をさせてしまって…っ。どうしよう…、アルファム王に合わせる顔がない…」


ベッドの傍の椅子に座り、しゅんと項垂れるサッシャを見てると、こちらが何だか申し訳ない気持ちになってくる。
俺は、出来るだけ明るい声を出して言った。


「サッシャは何も悪くないよ。俺の不注意だし、一番悪いのは襲ってきたアイツだろ?ところで、アイツが何者かわかったの?」


サッシャは、「カナデは優しいなぁ」と力無く笑うと、真剣な顔になって俺を見た。
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