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王の花 26
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アルファムの髪の毛に指を入れて、何度も梳く。サラサラと指から零れ落ちる赤い髪が俺の頬に触れて、思わず目を細めた。
「…アル、俺、別の世界から来た男の俺が、アルと結婚出来るなんて思ってなかったんだ…。そのうちにアルは女の人と結婚して、子供を作るんだろうな…って思ってた。その様子を見るのは辛いけど、それでも俺はアルの近くに居たいと願ってたよ。だから今日、たくさんの人から祝福を受けて婚儀を挙げられたことが、とても嬉しい。祝ってくれた人達に、ちゃんと感謝の気持ちを伝えたい。俺も早く二人になりたいけど、今は我慢して宴に出よ?それにさ、これからは、アルが嫌だと言っても、俺はずっとアルの傍から離れないんだよ?」
「ん…わかってる。少し、甘えてみただけだ…。あと間違ってるぞ。おまえが嫌だと言っても、俺が傍から離れないんだ。覚悟しろよ?」
アルファムが、俺の耳元で静かに囁く。
その声だけで、俺の腰の奥が震えてアルファムが欲しくなってしまう。
俺は、顔を上げてアルファムを見つめると、強く唇を押し当ててペロリと舐めた。
「カナ…、おまえがそう言うから我慢しようとしてるのに、何をしている…」
「ご、ごめん…っ。偉そうに言ったけど、アルに触れるの我慢出来なかった」
えへ、と笑う俺を見て、アルファムが太陽のような笑顔になる。
仕返しとばかりに俺の頭を引き寄せると、勢いよく唇にかぶりついた。
激しく舌を絡めて強く吸う。熱い舌が口内を動きまわるクチュクチュという水音に、更に腰の奥を熱くする。
いつの間にかアルファムの膝の上に座らされていた俺は、無意識に緩く腰を動かした。
チュッと音を立ててアルファムが離れ、俺を膝から下ろして立ち上がる。
俺は荒い息を吐きながら、泉の縁に座ってアルファムを見上げた。
「はぁ…っ、どうしたの…?」
「おまえ…煽り過ぎだ。危うく押し倒す所だった…」
「あ…だってっ…、アルがエロいキスするからじゃん…っ」
「最初に仕掛けたのはおまえではないか」
「だって、アルに触れたかったから…」
「はあ…、カナ、早くその顔を元に戻せ。誰にも見せるわけにはいかぬ」
「え?俺、そんな変な顔してる?」
「違う。そんな蕩けきった顔で宴に出たら、誰もがおまえから目を離せなくなるだろうが」
「あ…、ご、ごめんっ。エロい顔になってるんだねっ。早く治す…っ」
俺は、両手を頬に当てて、深呼吸を繰り返す。
確かに、顔が無茶苦茶熱い。このまま皆の前に出たら、何をしてたか一目瞭然だ。
俺は、泉に両手を入れて、濡らした掌を頬に当てた。
水で冷えた掌が、とても心地よい。
何度目かの深呼吸で落ち着いて、顔の熱も引いてきた。
「もう大丈…」
アルファムにそう言いかけて、言葉が詰まる。
だってアルファムが、とても甘い目をして、俺を見つめていたから。
もうっ…、せっかく熱が引いたのに、また熱くなっちゃうじゃん…。
そう心の中で呟きながら、俺もアルファムを見つめ返して、ゆっくりと立ち上がった。
アルファムと向かい合い、両手を繋いでお互いの瞳に映し合う。
中庭に爽やかな風が吹き抜けて、俺とアルファムの髪を揺らす。
ああ、今最高に幸せだな…とうっとりしていると、城に入る扉が勢いよく開いて、リオの大きな声が聞こえてきた。
「あっ!やっぱりここにいたっ!もうっ、何してるんすかっ!これから毎日毎日イチャイチャ出来るんですから、今日ぐらい我慢して下さいよっ。早く宴の間へ!皆さんお待ちですよっ!」
すごい形相と剣幕でまくし立てるリオに、俺とアルファムは、固まってリオを見た。
でも、次の瞬間、お互い顔を見合わせて声を上げて笑う。
「なっ、なんですかっ!」
リオが、顔を真っ赤にして怒っている。
俺は、アルファムと繋いでいた両手を離すと、目尻に溜まった涙を指で拭って、リオに抱き着いた。
「なっ、なっ、なにっ!?」
「リオ、いつもありがとう。これからもよろしくね」
「え?お、おう…っ」
何が何だかわからないという様子で、リオが慌てている。
俺は、アルファムが傍にいてとても幸せだけど、リオやシアンや皆がいると、もっと幸せなんだ。
そう思って、思わず抱き着いてしまったんだけど。すぐに、アルファムに引き剥がされて、アルファムの胸に強く抱き寄せられてしまった。
「カナ、何をしている。リオは早く戻れ。俺達もすぐに行く」
「え?あっ、は、早くお願いしますよ?遅れたら、俺がシアン様に怒られるんですからねっ!」
不安そうに念を押しながら、リオが城の中へと戻って行った。
俺は、アルファムを見上げて笑顔で言う。
「アル、早く行こう。リオを困らせたらダメだよ」
「あいつは生意気な所があるからな。多少、シアンから注意してもらう方がいい。ところでカナ、俺の目の前で他の男に触れるな」
アルファムが、険しい顔で、俺の額に額をコツンと当てる。
俺は、上目遣いで「ごめん」と謝った。
「なんか、すごく幸せだー!って嬉しくて。俺、この国の人も、この世界の人も好きだよ。もちろん、アルは特別に大好き」
「ふっ、そうか。俺も、炎の国の民は好きだ。世界となると…。水の国の王や月の国の王、風の国の王子は好かぬな…」
「あ~…、まあアルの気持ちもわからないでもないけど。なんかね、そういう人達も含めて好きだなーって思っちゃうぐらい、すっごく幸せだってこと。アル、愛してるよっ!」
「おまえの笑顔を見てると、嫌なことなど吹き飛んでしまうな。カナ、愛してるぞ」
俺とアルファムは、顔を見合わせて「ふふっ」と笑うと、手を繋いで明るい光の中を歩き出した。
end.
「…アル、俺、別の世界から来た男の俺が、アルと結婚出来るなんて思ってなかったんだ…。そのうちにアルは女の人と結婚して、子供を作るんだろうな…って思ってた。その様子を見るのは辛いけど、それでも俺はアルの近くに居たいと願ってたよ。だから今日、たくさんの人から祝福を受けて婚儀を挙げられたことが、とても嬉しい。祝ってくれた人達に、ちゃんと感謝の気持ちを伝えたい。俺も早く二人になりたいけど、今は我慢して宴に出よ?それにさ、これからは、アルが嫌だと言っても、俺はずっとアルの傍から離れないんだよ?」
「ん…わかってる。少し、甘えてみただけだ…。あと間違ってるぞ。おまえが嫌だと言っても、俺が傍から離れないんだ。覚悟しろよ?」
アルファムが、俺の耳元で静かに囁く。
その声だけで、俺の腰の奥が震えてアルファムが欲しくなってしまう。
俺は、顔を上げてアルファムを見つめると、強く唇を押し当ててペロリと舐めた。
「カナ…、おまえがそう言うから我慢しようとしてるのに、何をしている…」
「ご、ごめん…っ。偉そうに言ったけど、アルに触れるの我慢出来なかった」
えへ、と笑う俺を見て、アルファムが太陽のような笑顔になる。
仕返しとばかりに俺の頭を引き寄せると、勢いよく唇にかぶりついた。
激しく舌を絡めて強く吸う。熱い舌が口内を動きまわるクチュクチュという水音に、更に腰の奥を熱くする。
いつの間にかアルファムの膝の上に座らされていた俺は、無意識に緩く腰を動かした。
チュッと音を立ててアルファムが離れ、俺を膝から下ろして立ち上がる。
俺は荒い息を吐きながら、泉の縁に座ってアルファムを見上げた。
「はぁ…っ、どうしたの…?」
「おまえ…煽り過ぎだ。危うく押し倒す所だった…」
「あ…だってっ…、アルがエロいキスするからじゃん…っ」
「最初に仕掛けたのはおまえではないか」
「だって、アルに触れたかったから…」
「はあ…、カナ、早くその顔を元に戻せ。誰にも見せるわけにはいかぬ」
「え?俺、そんな変な顔してる?」
「違う。そんな蕩けきった顔で宴に出たら、誰もがおまえから目を離せなくなるだろうが」
「あ…、ご、ごめんっ。エロい顔になってるんだねっ。早く治す…っ」
俺は、両手を頬に当てて、深呼吸を繰り返す。
確かに、顔が無茶苦茶熱い。このまま皆の前に出たら、何をしてたか一目瞭然だ。
俺は、泉に両手を入れて、濡らした掌を頬に当てた。
水で冷えた掌が、とても心地よい。
何度目かの深呼吸で落ち着いて、顔の熱も引いてきた。
「もう大丈…」
アルファムにそう言いかけて、言葉が詰まる。
だってアルファムが、とても甘い目をして、俺を見つめていたから。
もうっ…、せっかく熱が引いたのに、また熱くなっちゃうじゃん…。
そう心の中で呟きながら、俺もアルファムを見つめ返して、ゆっくりと立ち上がった。
アルファムと向かい合い、両手を繋いでお互いの瞳に映し合う。
中庭に爽やかな風が吹き抜けて、俺とアルファムの髪を揺らす。
ああ、今最高に幸せだな…とうっとりしていると、城に入る扉が勢いよく開いて、リオの大きな声が聞こえてきた。
「あっ!やっぱりここにいたっ!もうっ、何してるんすかっ!これから毎日毎日イチャイチャ出来るんですから、今日ぐらい我慢して下さいよっ。早く宴の間へ!皆さんお待ちですよっ!」
すごい形相と剣幕でまくし立てるリオに、俺とアルファムは、固まってリオを見た。
でも、次の瞬間、お互い顔を見合わせて声を上げて笑う。
「なっ、なんですかっ!」
リオが、顔を真っ赤にして怒っている。
俺は、アルファムと繋いでいた両手を離すと、目尻に溜まった涙を指で拭って、リオに抱き着いた。
「なっ、なっ、なにっ!?」
「リオ、いつもありがとう。これからもよろしくね」
「え?お、おう…っ」
何が何だかわからないという様子で、リオが慌てている。
俺は、アルファムが傍にいてとても幸せだけど、リオやシアンや皆がいると、もっと幸せなんだ。
そう思って、思わず抱き着いてしまったんだけど。すぐに、アルファムに引き剥がされて、アルファムの胸に強く抱き寄せられてしまった。
「カナ、何をしている。リオは早く戻れ。俺達もすぐに行く」
「え?あっ、は、早くお願いしますよ?遅れたら、俺がシアン様に怒られるんですからねっ!」
不安そうに念を押しながら、リオが城の中へと戻って行った。
俺は、アルファムを見上げて笑顔で言う。
「アル、早く行こう。リオを困らせたらダメだよ」
「あいつは生意気な所があるからな。多少、シアンから注意してもらう方がいい。ところでカナ、俺の目の前で他の男に触れるな」
アルファムが、険しい顔で、俺の額に額をコツンと当てる。
俺は、上目遣いで「ごめん」と謝った。
「なんか、すごく幸せだー!って嬉しくて。俺、この国の人も、この世界の人も好きだよ。もちろん、アルは特別に大好き」
「ふっ、そうか。俺も、炎の国の民は好きだ。世界となると…。水の国の王や月の国の王、風の国の王子は好かぬな…」
「あ~…、まあアルの気持ちもわからないでもないけど。なんかね、そういう人達も含めて好きだなーって思っちゃうぐらい、すっごく幸せだってこと。アル、愛してるよっ!」
「おまえの笑顔を見てると、嫌なことなど吹き飛んでしまうな。カナ、愛してるぞ」
俺とアルファムは、顔を見合わせて「ふふっ」と笑うと、手を繋いで明るい光の中を歩き出した。
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