87 / 112
4
しおりを挟む
アレンの攻撃を、オリスがギリギリで避ける。
「いきなり何すんだよ!」
「おまえこそ、なぜここに来た?オキザリス寮の者が勝手に来るなっ」
アレンの怒鳴り声が、廊下に響く。
エイルリスは、アレンの迫力に驚いた。
他に誰もいないとはいえ、大声を出し過ぎだ、バカ!
「アレン落ち着け。あんた、俺に何か用?週末も俺の後をつけてたんだろ?暇なの?」
エイルリスは、アレンの腕を掴んでなだめ、オリスを睨んだ。そして少しだけ、表情には出さずに驚いた。
オリスの顔の口から耳にかけて、薄く赤い線が引かれている。アレンに付けられた傷の跡だ。完治しなかったのか。それって、オリスの力が、アレンよりも劣ってるってことだよな。
エイルリスの視線に気づいたオリスが、赤い線を指でなぞる。
「これさぁ、きれいに治らないんだけど。たまに痒くなるし。どうしてくれんの?おまえの顔も同じにしなきゃ、腹の虫がおさまらねぇ。それとも代わりに、エイルリスの顔に傷をつけてやろうか?」
「は?おまえ…ルリスに手を出したら、もっと切り刻んでやる」
アレンの全身から禍々しい気配が噴き出した。
エイルリスは舌打ちをして、アレンの手を強く握りしめる。
「アレン、挑発に乗るな。無視しろ。それに俺は大丈夫だろ?おまえが守ってくれるんだから」
「ルリス…もちろんだ」
霧が晴れるように、アレンの禍々しい気配が消える。
エイルリスは息を吐き出し、再びオリスを睨みつけた。
「早く要件を言えよ。俺はあんたの顔を見たくないんだけど」
「ふん、俺だっておまえ達の顔を見たくない。胸糞悪いからな。…頼まれたんだよ。そこの悪魔に客を連れてきた。俺は、そいつがポインセチア寮に入って行ったから、追いかけてきただけだ」
「俺に客?誰だ?」
「…外で待たせてる。部外者は建物の中には入れないからな。ついて来いよ」
「わかった」
アレンは頷き、エイルリスに部屋で待つように言う。
エイルリスは、胸騒ぎがした。自分も行かなければいけない気がした。
だから「俺も行く」と言い、アレンよりも先に部屋を出た。
「ルリス!俺の客だ!人間じゃないかもしれないっ」
「そうかもな」
「危険だ」
「おまえがいてくれるから大丈夫だろ。それに、悪い予感がする。だから行く」
「ルリス…。わかったよ。でも、絶対に俺の傍にいて。離れないで」
「わかってるよ」
エイルリスとアレンのやり取りをしり目に、オリスが二人の前を進んでいく。
ポインセチア寮を出て、中庭や建物の横を通り過ぎ、森の中へ入っていく。
「おい、どこに行くんだよ。まさか、森の中で待ってるのか?」
オリスが歩みを止めて振り返った。
「そうだよ。部外者だから、学園内の人に見つかると面倒くさいだろ。その人、許可を取らずに入ってきたし」
「誰だよ一体…。アレンの親か?」
エイルリスが、アレンを見上げた。
「いや、それはない。俺の親は今、他国に行ってるはずだ」
「ふーん。じゃあ兄弟とか友達とか」
「俺に兄弟も友達もいない」
「ほんとか?ま、会えばわかるんだけどな。おい、今さらだけど、俺たちを嵌めようとしてないよな?」
オリスが再び進み出し、前を向いて言う。
「どうだろうな?別に引き返してもらっても構わないぜ?怪しいと思うなら戻れ。興味があるなら来い」
「いきなり何すんだよ!」
「おまえこそ、なぜここに来た?オキザリス寮の者が勝手に来るなっ」
アレンの怒鳴り声が、廊下に響く。
エイルリスは、アレンの迫力に驚いた。
他に誰もいないとはいえ、大声を出し過ぎだ、バカ!
「アレン落ち着け。あんた、俺に何か用?週末も俺の後をつけてたんだろ?暇なの?」
エイルリスは、アレンの腕を掴んでなだめ、オリスを睨んだ。そして少しだけ、表情には出さずに驚いた。
オリスの顔の口から耳にかけて、薄く赤い線が引かれている。アレンに付けられた傷の跡だ。完治しなかったのか。それって、オリスの力が、アレンよりも劣ってるってことだよな。
エイルリスの視線に気づいたオリスが、赤い線を指でなぞる。
「これさぁ、きれいに治らないんだけど。たまに痒くなるし。どうしてくれんの?おまえの顔も同じにしなきゃ、腹の虫がおさまらねぇ。それとも代わりに、エイルリスの顔に傷をつけてやろうか?」
「は?おまえ…ルリスに手を出したら、もっと切り刻んでやる」
アレンの全身から禍々しい気配が噴き出した。
エイルリスは舌打ちをして、アレンの手を強く握りしめる。
「アレン、挑発に乗るな。無視しろ。それに俺は大丈夫だろ?おまえが守ってくれるんだから」
「ルリス…もちろんだ」
霧が晴れるように、アレンの禍々しい気配が消える。
エイルリスは息を吐き出し、再びオリスを睨みつけた。
「早く要件を言えよ。俺はあんたの顔を見たくないんだけど」
「ふん、俺だっておまえ達の顔を見たくない。胸糞悪いからな。…頼まれたんだよ。そこの悪魔に客を連れてきた。俺は、そいつがポインセチア寮に入って行ったから、追いかけてきただけだ」
「俺に客?誰だ?」
「…外で待たせてる。部外者は建物の中には入れないからな。ついて来いよ」
「わかった」
アレンは頷き、エイルリスに部屋で待つように言う。
エイルリスは、胸騒ぎがした。自分も行かなければいけない気がした。
だから「俺も行く」と言い、アレンよりも先に部屋を出た。
「ルリス!俺の客だ!人間じゃないかもしれないっ」
「そうかもな」
「危険だ」
「おまえがいてくれるから大丈夫だろ。それに、悪い予感がする。だから行く」
「ルリス…。わかったよ。でも、絶対に俺の傍にいて。離れないで」
「わかってるよ」
エイルリスとアレンのやり取りをしり目に、オリスが二人の前を進んでいく。
ポインセチア寮を出て、中庭や建物の横を通り過ぎ、森の中へ入っていく。
「おい、どこに行くんだよ。まさか、森の中で待ってるのか?」
オリスが歩みを止めて振り返った。
「そうだよ。部外者だから、学園内の人に見つかると面倒くさいだろ。その人、許可を取らずに入ってきたし」
「誰だよ一体…。アレンの親か?」
エイルリスが、アレンを見上げた。
「いや、それはない。俺の親は今、他国に行ってるはずだ」
「ふーん。じゃあ兄弟とか友達とか」
「俺に兄弟も友達もいない」
「ほんとか?ま、会えばわかるんだけどな。おい、今さらだけど、俺たちを嵌めようとしてないよな?」
オリスが再び進み出し、前を向いて言う。
「どうだろうな?別に引き返してもらっても構わないぜ?怪しいと思うなら戻れ。興味があるなら来い」
0
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
君に不幸あれ。
ぽぽ
BL
「全部、君のせいだから」
学校でも居場所がなく、家族に見捨てられた男子高校生の静。
生きる意味を失いかけた時に屋上で出会ったのは、太陽に眩しい青年、天輝玲だった。
静より一つ年上の玲の存在は、静の壊れかけていた心の唯一の救いだった。
静は玲のことを好きになり、静の告白をきっかけに二人は結ばれる。
しかしある日、玲の口から聞いた言葉が静の世界を一瞬で反転させる。
「好きになられるからあいつには近づかない方がいいよ。」
玲に対する感情は信頼から憎悪へと変わった。
それから十年後。
静は玲に復讐するために近づくが…
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
春風の香
梅川 ノン
BL
名門西園寺家の庶子として生まれた蒼は、病弱なオメガ。
母を早くに亡くし、父に顧みられない蒼は孤独だった。
そんな蒼に手を差し伸べたのが、北畠総合病院の医師北畠雪哉だった。
雪哉もオメガであり自力で医師になり、今は院長子息の夫になっていた。
自身の昔の姿を重ねて蒼を可愛がる雪哉は、自宅にも蒼を誘う。
雪哉の息子彰久は、蒼に一心に懐いた。蒼もそんな彰久を心から可愛がった。
3歳と15歳で出会う、受が12歳年上の歳の差オメガバースです。
オメガバースですが、独自の設定があります。ご了承ください。
番外編は二人の結婚直後と、4年後の甘い生活の二話です。それぞれ短いお話ですがお楽しみいただけると嬉しいです!
光と瘴気の境界で
天気
BL
黒髪黒眼の少年・はるは、ある日下校途中にトラックに轢かれると、瘴気に侵された森で倒れていた。
彼を救ったのは、第二騎士団長であるアルバート。
目を覚ましたはるは、魔法や魔物も瘴気も知らず…
アルバートの身に危険が迫ったその瞬間、
彼の中で眠っていた“異質な力”が覚醒する。
古来より黒目黒髪は“救世主の色”であり、膨大な力を持っているとされている。
魔物と瘴気で侵されているエクリシア王国の国王ははるの存在を知るとその力を彼の体が壊れようとも思うがままに使おうとする。
ーー動き始めた運命は、やがて大いなる伝承の核心へと迫って行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる