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エイルリスの血を見て、アレンの手が震え出した。震える手でエイルリスの手袋を外し、ガラスが刺さってないかを確認すると、ズボンのポケットからハンカチを出して、切れた手のひらを強く押さえた。
押された瞬間、エイルリスの口から「痛…」と声が漏れた。
「ひどい…痛いよな。すぐに医務室に行こう」
「こんなの、消毒液をかけてれば治るから後でいい」
エイルリスは、アレンの手を外し、ハンカチを握りしめて立ち上がる。
アレンも立ち上がり、エイルリスの両肩を強く掴んで怒鳴った。
「んなわねーだろ!こんな血が出てんのに!すぐに行くぞ!ほら、歩けないなら抱いて行くから両手を出せ」
「うるさいな。自分で歩けるし。一人で行くから、おまえはここに残れよ。あと手を離せ。痛てぇよバカ」
「あ、ごめん。でも一緒に行くから。他に痛い所はない?」
そう言いながら、アレンがエイルリスの服についた土を払っていく。そしてエイルリスが持つ毒草に目を止めて、ゆっくりと体を起こした。
「きれいな花だな。でもルリスには似合わない。それは毒草だ」
エイルリスは、かすかに目を見開く。
へぇ、知ってたのか。植物とか興味無さそうに見えるのに。
エイルリスが視線を下げる。アレンのズボンのポケットから、小さな白い花が覗いている。
「知ってる。おまえは薬草か」
「ああ。これは鎮痛効果もある。精製した後でルリスにやるよ」
「いらない」
ふ…とアレンが笑った気がして、エイルリスは鋭く睨みつけた。
「なに?」
「素直じゃないなぁと思って。俺、ルリスのこと、だんだんとわかってきた気がする」
「はあ?昨日話したばかりでわかる訳ないだろうが。…もういい。一人で行くからついて来るな」
エイルリスは大股で歩き出した。しかし、何かにつまづいた訳ではないのに、再び体がよろける。
「ルリス!」
すぐさま、アレンに抱きとめられて転ばずに済んだ。
エイルリスは原因を考える。
貧血?これくらいの出血で?…いや違う。たぶん寝不足だな。学園に来てからの二ヶ月、悪夢でまともに眠れていないからな。
そうだとわかると、すごく眠くなってきた。もうこの場で寝転んでしまいたいくらいに。でも地面に寝転びたくはない。不潔なことは嫌いだ。
そんなことを考えていると、ふいに体が浮いて驚いた。抵抗する間もなくアレンに抱き抱えられていた。
「なにっ…」
「やっぱり危ないから俺が運ぶ。心配で見てられないよ」
「おいっ、離せ!」
「嫌だね。殴られても離さないよ」
「くそがっ!」
エイルリスは、アレンの胸を拳で叩いた。どん!と音がした。
だけどアレンは微笑んでるだけで、痛いともやめろとも言わない。
何だか自分一人だけが慌てていることがバカらしくなり、エイルリスは諦めて全身の力を抜いた。
アレンが歩く振動で体が揺れる。その振動が心地よかったのか、信じられないことに、医務室に着くまでに、アレンに抱えられたまま眠ってしまった。
押された瞬間、エイルリスの口から「痛…」と声が漏れた。
「ひどい…痛いよな。すぐに医務室に行こう」
「こんなの、消毒液をかけてれば治るから後でいい」
エイルリスは、アレンの手を外し、ハンカチを握りしめて立ち上がる。
アレンも立ち上がり、エイルリスの両肩を強く掴んで怒鳴った。
「んなわねーだろ!こんな血が出てんのに!すぐに行くぞ!ほら、歩けないなら抱いて行くから両手を出せ」
「うるさいな。自分で歩けるし。一人で行くから、おまえはここに残れよ。あと手を離せ。痛てぇよバカ」
「あ、ごめん。でも一緒に行くから。他に痛い所はない?」
そう言いながら、アレンがエイルリスの服についた土を払っていく。そしてエイルリスが持つ毒草に目を止めて、ゆっくりと体を起こした。
「きれいな花だな。でもルリスには似合わない。それは毒草だ」
エイルリスは、かすかに目を見開く。
へぇ、知ってたのか。植物とか興味無さそうに見えるのに。
エイルリスが視線を下げる。アレンのズボンのポケットから、小さな白い花が覗いている。
「知ってる。おまえは薬草か」
「ああ。これは鎮痛効果もある。精製した後でルリスにやるよ」
「いらない」
ふ…とアレンが笑った気がして、エイルリスは鋭く睨みつけた。
「なに?」
「素直じゃないなぁと思って。俺、ルリスのこと、だんだんとわかってきた気がする」
「はあ?昨日話したばかりでわかる訳ないだろうが。…もういい。一人で行くからついて来るな」
エイルリスは大股で歩き出した。しかし、何かにつまづいた訳ではないのに、再び体がよろける。
「ルリス!」
すぐさま、アレンに抱きとめられて転ばずに済んだ。
エイルリスは原因を考える。
貧血?これくらいの出血で?…いや違う。たぶん寝不足だな。学園に来てからの二ヶ月、悪夢でまともに眠れていないからな。
そうだとわかると、すごく眠くなってきた。もうこの場で寝転んでしまいたいくらいに。でも地面に寝転びたくはない。不潔なことは嫌いだ。
そんなことを考えていると、ふいに体が浮いて驚いた。抵抗する間もなくアレンに抱き抱えられていた。
「なにっ…」
「やっぱり危ないから俺が運ぶ。心配で見てられないよ」
「おいっ、離せ!」
「嫌だね。殴られても離さないよ」
「くそがっ!」
エイルリスは、アレンの胸を拳で叩いた。どん!と音がした。
だけどアレンは微笑んでるだけで、痛いともやめろとも言わない。
何だか自分一人だけが慌てていることがバカらしくなり、エイルリスは諦めて全身の力を抜いた。
アレンが歩く振動で体が揺れる。その振動が心地よかったのか、信じられないことに、医務室に着くまでに、アレンに抱えられたまま眠ってしまった。
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