小学六年魔法美少女仮面ヴィクトワール

小学六年魔法美少女仮面ヴィクトワール プロローグ ①

小学六年魔法美少女仮面ヴィクトワール

プロローグ
①
　地域でも有名なお嬢様、お坊ちゃまが通う学校は、今日も平凡な一日が終ようとしていた。
「アリス、何をしているのかしら、また、不思議なことをして、本当、おもしろい子ね」　同級生の佳代は、アリスの弱みを握ろうと監視しているのだ。
「不思議な石を見つけたから良く見てるのよ、お守りにしましょう」
　アリスは、佳代の方を振り向かずに習い事の、新体操教室に急いだ。
「銀行強盗だ！」
　近くの銀行から人が飛び出して来た。窓から見える中の様子は、銃を持った犯人が人質を一か所にまとめて銃を突きつけている。
「あっ、花ちゃん！」
　同級生で親友の花ちゃんが捕まっていた。助けたいけど、どうしようもない、無事を念じるだけだ。
（だれか、花ちゃんを助けて下さい、私を身代わりにしてもいいから、お願い・・・・）　さっき拾ったストーンが輝き始めた。そして、どこからともなく聞こえてくる声に誘われてストーンを真上に上げた。すると、勝手に体が動き、声が出た。
「魔法美少女仮面ヴィクトワール！」
　アリスの全身が宙に浮き、コスチュームが瞬時に装着された。そして、銀行の中へと走って行った。助けたい気持ちが先行して、自分をうまくコントロールできないのだ。
　突然のヒロインの登場にみんなは驚いたが、赤いアイマスクで正体はばれない。光沢グリーンのミニワンピースで腰にベルトを巻いている。
　胸には赤い大きなリボン、鼓笛隊のような白い帽子とグリーンの羽根、白い膝上ニーハイ―ロングブーツとロング手袋の姿だ。手には魔法のステッキを持っている。
「愛と正義の使者、魔法美少女仮面ヴィクトワール参上！」