小学六年魔法美少女仮面ヴィクトワール

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「なんだ、おまえ？？」

　凛々しくも背が小さい、しかし、胸が小高くなっていて、体の曲線美から小さな女性らしさを感じる。
　テレビの世界から出てきたような小さなヒロイン、単なる小学生のコスプレイヤーなのか、悪人は、ポカンと口を開けたまま、 魔法美少女仮面ヴィクトワールを見ていた。

　光沢グリーンのミニスカワンピース、胸には赤い大きなリボン、鼓笛隊のような白い帽子とグリーンの羽根、髪の毛は帽子ん中に巻いてあるようだ。白い膝上ニーハイ―ロングブーツとロング手袋の姿。手には魔法のステッキを持っている。

「皆様は、どんなに苦しくても汗水垂らして働いてお金を得ているのです。このように、人質までとってお金を奪うなど、この魔法美少女仮面ヴィクトワールが許しません！」

　やっと、悪人も自分たちにとって目障りな存在だと気付いた。しかし、相手は、小学生ぐらいのコスプレ少女にしか見えない。
「バカな女の子だ、わざわざ人質になるために来るとはな、まあ、人質は一人でも多い方がいい、おい、捕まえて縛ってしまえ！」
「へいっ！」
　魔法美少女仮面ヴィクトワールは、右足を一歩出し、魔法のステッキを一回転しながら、
「ヴィクトワール、フラッシュ！」
「わぁああ～～」　
　捕まえようとしに来た悪人を、一瞬にして光線で壁まで吹き飛ばした。
「お残りになったみなさん、これでも抵抗を続けますか」
　目の前の光景が、何かマジシャンがやっているのか、気候術なのか、とにかく信じがたいが、このまま降参するわけには行かない。敵のリーダーが仲間に耳打ちをした。
「コスプレのお嬢さん、なんか、不思議なことができるんだね、わかった、降参する、おい、みんなここへ座れ！」
「へいっ！」
　悪人は、頭の後ろに手を組んで、この不思議な正義のヒロインの前に座った。
「お分かりになればよろしいのです、今、捕まえに到着することでしょう、人質のみなさん、お怪我はございませんか、もう、大丈夫ですわ」
　小さな魔法美少女仮面ヴィクトワールが人質の縄を解こうと敵に背を向けた時、敵が一斉に立ち上がって、魔法美少女仮面ヴィクトワールを四肢を押さえ、体にしがみついた。
「ふんっ、おい、小学生のコスプレ女、すぐにだまされるなんて、頭は良くないな」
　魔法美少女仮面ヴィクトワールは、あっという間にステッキを奪われて縛り上げられてしまった。
「な、何をなさるのですか、おやめなさい！　痛い目にあいたいのですか」
　リーダーが腕で首を閉めて、
「一言でも言ってみろ、首をへし折ってやる！」
　魔法美少女仮面ヴィクトワールは、まさかのピンチ、悔しくて犯人を強く睨んだ。