おいでませ異世界!アラフォーのオッサンが異世界の主神の気まぐれで異世界へ。

ゴンべえ

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054 治療

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禁制の薬草をエルフ族の薬師に調合させた。
エルフィネス国王の症状だと薬草を単体で用いるより、他の薬草を加えて調合した方が効果が高いと判断したからだ。

解毒、ウイルスの駆除、炎症の抑制、化膿止め、血液の浄化など、施すべき効能は多岐に渡る。
長らく症状を抱えていた弊害だ。
完治させるには更なる効能を要する事になるだろう。

「おお、これは……」

調合した薬を服用したエルフィネス国王は肉体の変化に驚いた。

「如何なされましたか!?」

ブリュンティールが心配そうに尋ねた。
エルフィネス国王に万が一の事が起きれば。
モストティアに激震が走るのは避けられないからだ。

「うむ……不可思議な事だが、痛みが引いていく。こんな感覚は初めてだ」

エルフィネス国王は我が目を疑うように自らの両腕をまじまじと眺めた。
見た目に変化こそ無いものの効果は顕著に現れているらしい。
言葉の端々に喜びと困惑の入り交じった感情が見て取れる。

「今は体内に侵入したウイルスの駆除が進んでいる状態です。併せて解毒の効果も出ています。ですが犯されていた期間が長いので治癒には時間が掛かりそうです」

俺はゲノムカスタマイズクリエイトでエルフィネス国王の両腕を解析した。
さすが禁制の薬草は効能が凄まじい。
抗生物質のようにウイルスを駆除していく様が確認できる。

「治る見込みが出てきただけでも果報というものよ」

希望の光が見えた事で表情が明るくなった気がした。
普段の厳しい表情が幾分和らいた感じに思える。

「よかった。となりますと、とりあえず経過を観察せねばなりませんね」

ひとまず安心したとブリュンティールは胸を撫で下ろした。
とはいえ危機が去った訳ではない。
未だエルフィネス国王の両腕が完治するかは予断を許さない状態だ。
その上でメタルゴーレムの対処法を考えねばならないのだ。

「そうだな。だが仮に完治したとして以前のように剣を振るえるかは分からぬ。やはりメタルゴーレムの対処法を講じる他あるまい」

「すでに兵を派遣して入口を警備させています。念のためドワーフ達に入口を封鎖するよう命じましたが。偵察隊の報告ではメタルゴーレムは坑道内に留まって外に出てくる気配は無いようです」

「おそらく発生して間もないからだろう。肉体の構築がまだ済んでおらんのかもしれぬ。今なら容易く討伐できようが」

被害も甚大になる可能性がある。
未成熟体でもメタルゴーレムの破壊力は凄まじいからだ。

「あの、その件についてなのですが。私に任せて頂けませんか?」

苦慮する二人に提案した。
なにを言い出すんだ?
そんな面持ちで二人は俺を見てくる。

そりゃそうだろう。
伝説の剣士エルフィネス国王でさえ万全の体調でなければ対処が困難な魔物だ。
リオンとハンゾウでは討伐など到底不可能な話だ。

それでも俺には勝算がある。
というか討伐の目処が立ったと言っていい。
というのも思わぬ収穫によって解決策が見つかったからだ。

「なにか方法でもあるのか?」

「はい、あります。それは私のスキルに関する事になりますので詳しくは申し上げられませんが」

「ほう、スキルだと?」

意外という感じの反応だ。
おそらくメタルゴーレムをスキルで討伐すると勘違いしているのだろう。
確かに攻撃スキルの中にはメタルゴーレムを倒せる物もあるだろうが。
さすがに11歳の少年が持っていたとしても、メタルゴーレムに挑むのは無理難題だと思う。

「勘違いなされませぬように。私のスキルは攻撃スキルではありません」

「なに、違うのか?」

やはり攻撃スキルと勘違いしていたようだ。
危ない危ない。
勘違いで坑道に押し込まれたら大変な事になっていた。

「解せませんね。攻撃スキルでは無いと言うのなら、どのようにしてメタルゴーレムの討伐を?」

「私には優れた家臣がいます。それと預けられたエルフ族の青年達も。彼等がメタルゴーレムを倒してくれるでしょう」

「待て。それは難しかろう。余の見立てではリオン、ハンゾウ共に力量が足るまい。ましてや若僧共では歯が立たぬ」

相手の力量を正確に把握できるエルフィネス国王だけに説得力がある。
仮に強力なスキルを持っていれば話は別なのだが。
残念ながらリオンとハンゾウはメタルゴーレムを倒せるスキルを持っていない。

「存じています。ですから私のスキルの出番なのです。詳しくは申し上げられませんが、メタルゴーレムを倒せる力量を身につける事が出来るかもしれないのです」

「なんだと!?そんな事が可能なのか?」

驚くエルフィネス国王とブリュンティールに掻い摘んだ説明をした。
どうせ遺伝子とか細胞とか言っても理解できないだろう。
そもそもスキルで劇的に実力を底上げする事が荒唐無稽なのだ。
だから納得させるなど到底不可能で、とりあえず実行してみる事で折り合いがついたのだった。
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