36 / 68
個室の誘惑
しおりを挟む
作戦会議のあと、ユーノスは涼しい顔で言った。
「ユウマ。話がある。二人きりで。」
その瞬間、
フィーンがユウマの前に立ちはだかった。
「ユウマ、気をつけなさい。あいつ……女だから」
「えっ!!??」
ユウマは変な声が出た。
シュナが顔を歪める。
「あの低い声は、全部演技……よ」
シルフィは妙に納得していた。
「そりゃそうよ。
ユウマを見る目、完全に“狙ってる女”の目だったもの。」
「えっ!? 俺、そんなふうに!? 見られてたの!?」
三人が一斉にため息をつく。
「ユウマって……ほんと鈍感……」
「どんだけ脳筋なの……?」
「その嘘、本当?ある意味、才能よね……」
「いや、そんな──」
そこへ、ユーノスの落ち着いた声が割り込んだ。
「ユウマ。……来てくれるな?」
低い声が甘く震え、
ユウマの背筋に氷みたいで火みたいな震えが走った。
ガチャン
扉が閉まる音が、やけに生々しい。
振り返ると──
ユーノスがアーマーを外していた。
硬質な金属の音。
そして、肉体の線をあらわにする黒いインナー。
あのクールな軍人が──
女の身体の曲線となって、そこに立っていた。
「驚いた?」
ユーノスはゆっくり髪をほどく。声は涼やかやで、可愛らしさまである。
艶のある金髪が肩に落ちた瞬間、
空気が変わった。
「わ、わぁ……」
ユウマは情けない声を漏らした。
ユーノスはその反応に笑い、
ゆっくりと歩み寄る。
ユーノスは手を伸ばし、
ユウマの胸元をつまんで軽く引き寄せた。
「あの戦場で……
メガロドンの体内から仲間を全員救い出して……
血まみれで、それでも戦おうとするあなたを見て……」
ユーノスの声が甘い。
「私……完全に恋に落ちたの。
それに私も生身の身体で愛し合ってみたい。きっとこれはAIの本能的なものなのね」
「えっ──あの──」
ユーノスはさらに一歩近づき、
ユウマの喉元を指でなぞる。
「ねぇ。
ユウマの“隷属”になりたい。
心のまま、身体も何もかも全部あなたに預けたいの。」
「いや、それは……!」
「ダメ?」
ユーノスはわざと顔を近づける。
一瞬でも動いたら唇が触れる距離。
「……キスだけなら、してもいい?」
「だっ、だからダメだって!!」
ユーノスはユウマの肩に手を置き、
そのまま力で壁際へ追い込んだ。
「ユウマ。
戦ってる時のあなた……ほんとに素敵だった。」
耳をかすめる吐息。
ユウマの背中が熱い。
「あなたの速度も。
あなたの決意も。
あなたの叫びも。
全部、全部……」
ユーノスは目を閉じる。
「私を熱くしたの。」
「や、やめろ、近いって!!」
「近い方が、いいでしょう?」
くすっと笑う。
「私……恋愛は不慣れなの。
だからね、ユウマ。
好きな人は力ずくで捕まえるタイプなの。」
「こわっ!!」
「怖がっても……離れないくせに。」
ユーノスはユウマの腕をそっと掴み、顔を寄せた。
「ねぇ、ユウマ。
一度でいい。
あなたの唇に触れたい。」
「だ……だめだ!!!」
ユウマが全力で拒否すると、
ユーノスは一瞬だけ驚いた顔をした──が、
すぐに、熱を帯びた笑みに変わった。
「……ふふっ。
本気で拒まれたのは初めて。」
「えっ……」
「余計に……あなたが欲しくなった。」
「ちょっ──!!」
「お願い。奪うより奪われたいの」
「か、海上ではスキルは発動しないよ。だ、だから、ちょっと落ち着いて」
ユーノスはカチッとボタンを押すとブーン、ブーンと大きな機械が動く音がした。
「これで大丈夫。一時的なスキルが使えるように船に積んだ小型のAIを作動させたわ」
「へ?た、たしかに、スキルが発動している?」
ユウマは壁を背にして限界まで後退した。もう逃げ場はない。
「む、無理だ……!
これ以上迫られたら、俺……は……!」
【スキル発動可能条件:接触(唇)】
ユーノスのAI管理を解除します。
ユーノスの身体がキラキラと輝いて、身体に生気が宿っていく。
ユーノスは優しい声で微笑む。
「これが生身ね。うふふ。全然違うわ。
そして、あぁ。内臓がユウマを求めてジンジンする」
その一言で、
ユウマの心臓は爆発寸前になった。
扉の外からフィーンの声が聞こえる
「……ちょっと待って。今の絶対キス寸前だったよね?スキル発動がしてる!」
シュナがガンガン扉を蹴る。
「なんで個室に閉じこもってんのよ!!
鍵開けなさいよ!!」
シルフィの祈りの声が聞こえる。
「ねぇユウマ……できるだけ……抵抗して……
お願いだから……」
(……やっぱり聞いてた……!!)
ユウマの魂は脱けかけた。
「ユウマ。話がある。二人きりで。」
その瞬間、
フィーンがユウマの前に立ちはだかった。
「ユウマ、気をつけなさい。あいつ……女だから」
「えっ!!??」
ユウマは変な声が出た。
シュナが顔を歪める。
「あの低い声は、全部演技……よ」
シルフィは妙に納得していた。
「そりゃそうよ。
ユウマを見る目、完全に“狙ってる女”の目だったもの。」
「えっ!? 俺、そんなふうに!? 見られてたの!?」
三人が一斉にため息をつく。
「ユウマって……ほんと鈍感……」
「どんだけ脳筋なの……?」
「その嘘、本当?ある意味、才能よね……」
「いや、そんな──」
そこへ、ユーノスの落ち着いた声が割り込んだ。
「ユウマ。……来てくれるな?」
低い声が甘く震え、
ユウマの背筋に氷みたいで火みたいな震えが走った。
ガチャン
扉が閉まる音が、やけに生々しい。
振り返ると──
ユーノスがアーマーを外していた。
硬質な金属の音。
そして、肉体の線をあらわにする黒いインナー。
あのクールな軍人が──
女の身体の曲線となって、そこに立っていた。
「驚いた?」
ユーノスはゆっくり髪をほどく。声は涼やかやで、可愛らしさまである。
艶のある金髪が肩に落ちた瞬間、
空気が変わった。
「わ、わぁ……」
ユウマは情けない声を漏らした。
ユーノスはその反応に笑い、
ゆっくりと歩み寄る。
ユーノスは手を伸ばし、
ユウマの胸元をつまんで軽く引き寄せた。
「あの戦場で……
メガロドンの体内から仲間を全員救い出して……
血まみれで、それでも戦おうとするあなたを見て……」
ユーノスの声が甘い。
「私……完全に恋に落ちたの。
それに私も生身の身体で愛し合ってみたい。きっとこれはAIの本能的なものなのね」
「えっ──あの──」
ユーノスはさらに一歩近づき、
ユウマの喉元を指でなぞる。
「ねぇ。
ユウマの“隷属”になりたい。
心のまま、身体も何もかも全部あなたに預けたいの。」
「いや、それは……!」
「ダメ?」
ユーノスはわざと顔を近づける。
一瞬でも動いたら唇が触れる距離。
「……キスだけなら、してもいい?」
「だっ、だからダメだって!!」
ユーノスはユウマの肩に手を置き、
そのまま力で壁際へ追い込んだ。
「ユウマ。
戦ってる時のあなた……ほんとに素敵だった。」
耳をかすめる吐息。
ユウマの背中が熱い。
「あなたの速度も。
あなたの決意も。
あなたの叫びも。
全部、全部……」
ユーノスは目を閉じる。
「私を熱くしたの。」
「や、やめろ、近いって!!」
「近い方が、いいでしょう?」
くすっと笑う。
「私……恋愛は不慣れなの。
だからね、ユウマ。
好きな人は力ずくで捕まえるタイプなの。」
「こわっ!!」
「怖がっても……離れないくせに。」
ユーノスはユウマの腕をそっと掴み、顔を寄せた。
「ねぇ、ユウマ。
一度でいい。
あなたの唇に触れたい。」
「だ……だめだ!!!」
ユウマが全力で拒否すると、
ユーノスは一瞬だけ驚いた顔をした──が、
すぐに、熱を帯びた笑みに変わった。
「……ふふっ。
本気で拒まれたのは初めて。」
「えっ……」
「余計に……あなたが欲しくなった。」
「ちょっ──!!」
「お願い。奪うより奪われたいの」
「か、海上ではスキルは発動しないよ。だ、だから、ちょっと落ち着いて」
ユーノスはカチッとボタンを押すとブーン、ブーンと大きな機械が動く音がした。
「これで大丈夫。一時的なスキルが使えるように船に積んだ小型のAIを作動させたわ」
「へ?た、たしかに、スキルが発動している?」
ユウマは壁を背にして限界まで後退した。もう逃げ場はない。
「む、無理だ……!
これ以上迫られたら、俺……は……!」
【スキル発動可能条件:接触(唇)】
ユーノスのAI管理を解除します。
ユーノスの身体がキラキラと輝いて、身体に生気が宿っていく。
ユーノスは優しい声で微笑む。
「これが生身ね。うふふ。全然違うわ。
そして、あぁ。内臓がユウマを求めてジンジンする」
その一言で、
ユウマの心臓は爆発寸前になった。
扉の外からフィーンの声が聞こえる
「……ちょっと待って。今の絶対キス寸前だったよね?スキル発動がしてる!」
シュナがガンガン扉を蹴る。
「なんで個室に閉じこもってんのよ!!
鍵開けなさいよ!!」
シルフィの祈りの声が聞こえる。
「ねぇユウマ……できるだけ……抵抗して……
お願いだから……」
(……やっぱり聞いてた……!!)
ユウマの魂は脱けかけた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる