キスで隷属化するFPSの異世界転生化〜生身がほしいAI美女からモテまくる!?〜

山本いちじく

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修羅場の会議

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 船室のすみ。
 硬い軍用ライトの白光の下──
四人の女がユウマを中心に椅子に座り、完全に円陣を組んでいた。

 修羅場の雰囲気だ。しかし、良くも悪くもスキルが発動し、忠誠の効力が働いている。

 隷属進化の忠誠は正常に発動している、はずだ。

 しかし、ユウマは上半身裸。なぜか脱がされ、正座させられている。
 これは新しい主従の形なのだろうか。どちらが主人なのかわからない。まるでユウマこそ、隷属させられているかのようだった。

 フィーンは腕を組み、鬼神のような目をしている。

 シュナは涙目で鼻をすすっている。
 シルフィは静かだが、眉がピクピクしている。

 そして、ユーノス──
堂々と椅子に足を組み、涼しい顔で座っていた。

「……さて、戦略会議を始めましょうか」
ユーノスが言った。

「まず、ユーノス。
 あんた……ユウマにキスを迫ったわね?」

「ええ。ユウマが好きなの。
 すでに、ユウマは私に生身をくれたわ。
 あとはキスするだけよ」

 あっさりと認める。

「即答すんじゃないわよ!!」

 フィーンの怒鳴り声で、天井のボルトが震えた。

「ユウマはね。
 あんたの甘い言葉に流されるほど安くないの!
 もっと誠意を見せなさい!」

 ユーノスは微笑む。

「もちろん。
 私はユウマに隷属進化で忠誠を誓いたいと思っているわ。」

「……は?」
 フィーンが固まる。

「や……やだぁぁ……」
 シュナは涙ぽろぽろ。

「やっとユウマとと仲良くなれて……
 毎朝朝ごはんも作ってたのに……
 私の立場どこいっちゃうのぉぉ……」

 フィーンが慌てて背中をさする。

「泣かないのシュナ!
 自信を持ちなさい。
 あなたのご飯も美味しいわよ」

「本当……?」
「ほんと、ほんと!」

ユーノスは淡々と言う。

「私はユウマの戦闘力向上のために必要な人材。
 あなたも“朝食担当”で役に立っていると思うわ。」

「役職つけないで!!」

シルフィは両手を組み、深呼吸していた。

「……ユーノス。
 あなたが敵でないのは理解した。
 実力があるのも認める。
 隷属進化で仲間が増えるのは賛成」

ユーノスが満足げに頷く。

「けれど、
 “キス権”は簡単に渡さない。」

 そんな権利あったっけ。そして、それには許可がいるの??

「……え?」

「ユウマはね。
 ずっとそばにいて、支え合って、
 人生をともに歩いてきたの。
 あなたみたいに一晩で惚れた人と同列にされたくない。」

 ユーノスは目を細める。

「いいわ。
 条件を提示して。」

「“ユウマを本当に守る”という覚悟。
 それを見せたら……キスは認める。」

(ユウマ)
(なんで俺のキス権の議論が人生の裁判みたいになってるんだ……)

⸻議論は果てしなく続いた。

・フィーン「仲間が増えるのは正義」
・シュナ「わたしの心がもたない!」
・シルフィ「ユウマの尊厳を守りたい」
・ユーノス「全部まとめて面倒見るわ」

 結論は──

「ユーノスを隷属進化させる」

「忠誠を誓わせる」

「キスは“儀式として”認める」

 フィーンは腕を組み、うなずいた。

「……仲間が増えたほうが心強い。
 戦力としては合格よ。」

 シュナは涙目で言う。

「ユーノスがユウマを裏切らないなら……いい……よ……」

 シルフィは深くため息をつきながら言った。

「……キスは……
 仕方ない……」

「シルフィお前……!そんな……!!」

「だって……仕方ないじゃない……
 ユウマの力を最大限にするためだもの……
 私……頑張って我慢する……」

 ものすごい健気な声。

 ユウマは胸が痛い。
(そして死ぬほど恥ずかしい)

 ユーノスは堂々と立ち上がり、宣言した。

「では──
 ユウマ。
 儀式として、キスをさせてもらうわ。」

 ユーノスはゆっくりユウマの前に立つ。

 背筋がまっすぐ。
 瞳はまるで鋼鉄のように揺るがない。

「私はあなたに忠誠を誓う。
 心も、命も、すべてあなたのもの。」

「分かったよ」

 そして──

 ユウマはユーノス頬に手を添え、やわらかく、しかし熱を込めて唇を重ねた。

 しかし、なかなか唇を離さない。

 その瞬間。

「ぎゃあああああああ!!!」(シュナ)
「ちょっとおおおおお!!!キスが長すぎるわよ!」(フィーン)
「……っ……!!その嘘、本当?」(シルフィ)

 悲鳴と、祝福(?)と、嫉妬と、涙が
すべて混ざった混沌のBGMが流れた。

 【隷属進化:契約成立】
 ユーノス・グラチカ ランク:SS

 ユーノスは微笑む。

「これで私はあなたのものね、ユウマ。」

 ユウマは崩れ落ちた。魂を吸われたように。

 そして、フィーンが上着を脱ぎながらニヤリと笑う。

「では、また夜伽の順番を決めなくてはな。エロスを仕掛けて先にユウマに声を出させた方が勝ちだ」

 シュナが上半身肌になって、胸を見せる。

「リベンジよ」

 シルフィもあっさりと下着になっている。

「わ、私だって!」

 すでに無毛の全裸になっているユーノスは妙に飲み込みが早い。

「ほう。ユウマを喜ばせればいいんだな」

 ひー!
 それで脱がされていたのか!?
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