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異世界の冒険の旅立ち(ジェルゴ王国篇)
67話 奴隷契約と鑑定不良
しおりを挟む伯爵との謁見で最初少し面倒くさいと思っていた事が、闖入者によってより大変面倒な事になって、そして何処かの誰かのせいで疲れを感じる結末で終えた謁見になってしまった。
ギルマスを降ろしてから漸く馬車がヒサの屋敷に着き、御者に礼を言いヒサはやっと屋敷に帰宅が出来た。
「ふぅ~。」
溜息をつきながら屋敷門を開け、庭を見た途端に見えた光景に、あぁ、奴隷の事を忘れてたなっと思いつつ屋敷の敷地に入ると、何故か庭にガーデンテーブルセットが用意されていて、お茶をしている変なスマイルな奴隷商人がいた。そして奴隷商人の対面に座っているシルフィにウサミにワカバは何か変な空気の雰囲気を醸し出していた。
ヒサに気付いたメイド隊がヒサに早々と挨拶をしてきた。
「お帰りなさいませ。旦那様!」
「あぁ。ただいま」
メイド隊全員の息のあった挨拶をした途端、ダッシュでヒサにウサミとワカバがお帰りの挨拶?ヒサに向かってウサミが一番で右の胸辺りに抱き付き、次にワカバが余っていた左胸辺りに抱き付いてからお帰りの言葉を言った。
抱き着きからの挨拶がウサミとワカバの挨拶だ。
「お帰りなさいぴょん」
「お帰りなさいにゃん」
「ウサミ、ワカバ、ただいま」
ウサミとワカバは元気なさげに挨拶して、ヒサがいなかったのが寂しかったのか、ウサミとワカバにギューッと抱き締められた。
そして遅れてシルフィが近付き、ソッとヒサの唇にキスをしてほほを赤らめながらお帰りの言葉を言った。
「ヒサ様お帰りなさいですわ」
シルフィのキスに吃驚するヒサだが、シルフィは少し様子がおかしいので勢いでキスしてしてしまったのだろう。
やはり少し不安げな顔でヒサを見つめた。
シルフィもヒサの事が心配だったようだ。
「シルフィ、ただいま。大丈夫だよ」
っとヒサは言ってからウサミとワカバに抱き締められたまま、不安がっているシルフィをウサミとワカバと一緒に安心させるように抱き締めた。
奴隷が目に入った時、奴隷達は皆土下座をしていた。
ヒサ達四人が抱き合っていると、変なスマイル(多分営業スマイル。そして少し気持ち悪いスマイル)奴隷商人がガーデンテーブルセットの椅子から立ち上がり変に丁寧に恐る恐る話しかけて来た。
「あのぉ。すいません。奴隷商人のケドラスと言います。宜しくお願いします。早速ですが、この奴隷達の契約したいのですが……宜しいでしょうか?」
ヒサはウサミにワカバそしてシルフィを抱き締めながら、そういえば部外者が一人いる事を思い出し、シルフィを離し、ケドラスに返事を返してからウサミとワカバにヒサから離れるように言った。
「ああ、俺はヒサだ。悪い。早速だが奴隷契約よろしく頼む。ウサミ、ワカバ離れてくれないか?」
少しイヤイヤと首を振ったが、ヒサがウサミとワカバの頭を撫でると返事をして離れた。
「はいぴょん。「はいにゃん」」
ウサミとワカバが離れてからヒサはガーデンテーブルセットに向かい、ケドラスに[鑑定]をしたら上手く鑑定が出来なかった。可笑しいと思いながらもヒサは立ったままケドラスとテーブルと挟み、ケドラスは用意してあった羊皮紙をヒサに差し出した。
「ヒサ様、もう準備は整っております。既にこの羊皮紙の魔法陣に奴隷達の血が登録されており、シルフィ様に確認は取ってあります。最後にヒサ様の血を登録すれば契約完了です」
ヒサはシルフィを見るとシルフィは頷き、少しニヤけたスマイルのケドラスが血を羊皮紙に垂らす為に針を渡そうとしていたが、シルフィがヒサに立ち寄り針を手渡してきた。
一瞬ケドラスは顔を顰めたが、直ぐに営業スマイルに戻った。
しかしヒサは見逃さなかった。
「ああ、分かった。」
そして羊皮紙に血を垂らした途端。羊皮紙の魔法陣が光りその後、奴隷達の首輪も光った。
「契約完了です。羊皮紙はヒサ様が管理して無くさないようにしてください。契約料金は既に冒険者ギルドから頂いております。奴隷の所用の際は我が奴隷商会のゲド奴隷商会にいらして下さい」
「ああ。分かった。今回は助かった」
「ではまたの機会に。お茶ご馳走様でした。それではお邪魔しました」
ケドラスは話が終えるとお辞儀して帰って行った。メイド長のメルネが代表してケドラスを見送りに行ったが、外にいたのでヒサ達もケドラスを見送ると言うより、見ていた。
そしてケドラスは門を出る前にヒサにお辞儀をして去っていった。その後何か気配を感じたヒサはマップを見た。どうもケドラスの護衛らしいが、どうも敵対意識がある様なマップ表示された。
(理沙。そういえばさっきケドラスを鑑定したら何故か上手く鑑定出来なかったぞ?)
オークキングを[鑑定]して以来鑑定していなかったヒサは、先程ケドラスを鑑定した時、今までのステータスが表示されなかった。
鑑定結果は
名前 ケドラス
名称
職業 奴隷商人
性別 男
年齢 35歳
レベル ※エラー
種族 人間
能力値 ※エラー
スキル ※エラー
備考 ※エラー
鑑定SSよりヒサ様へ
原因不明のステータス異常が発生しています。ですが、この鑑定SSの意地でこの者を鑑定した結果、この者は違法奴隷商売をしており、誘拐、拉致監禁、強姦、強盗等を盗賊への示唆をしている犯罪歴を持っていました。
ヒサが鑑定結果を思い出していると理沙が何か思い当たる事があるように話し掛けてきた。
【ヒサ様。このステータスの加護はフロン神様が与えております。フロン神様に何か有ったのかも知れません。】
(は?フロン神様ってこのフロン星の管理神だろ?神様に何か起こる様な事があるかなぁ)
【分かりません。ただ何か有ったからとしかステータス異常は起こりえませんとしか、判りかねます】
(そっか。何だかこれから面倒な事が起こりそうな。予感~はぁ~)
【ヒサ様なら大丈夫です!私わたくしがサポート致します!】
理沙が張り切って言葉に宣言すると、緋里が話に割り込んできた。
『聞捨てならないわね!理沙さん?!ふふふ。久二郎様の側には私もいるのですよ』
【緋里さん、私わたくしはヒサ様サポートのスキルですから、緋里さん大丈夫ですよ】
二人の言い争いをソッとほっとき、屋敷の中に入る事にしたヒサは、シルフィ、ウサミ、ワカバとメイド隊達に告げる。
「シルフィ、ウサミ、ワカバ屋敷の中に入り夕飯にしよう。メルネ、夕飯を頼む。それとメイド隊全員に頼むが今日契約した奴隷達の管理、仕事を頼む」
「分かりました!」
メルネが代表として返事をしたあと、メイド達に仕事を割り振り始めた。
「シルフィ、ウサミ、ワカバ取り敢えずリビングに行って少し寛ごう。何だか疲れた。」
「はいぴょん♪「はいにゃん♪「はいですわ」」」
ヒサが歩き出すとウサミが右手、ワカバが左手を繋ぎ、シルフィがソッとヒサの後から付いて行き、ヒサは三人を連れて家に向かった。
ヒサはこれからの事を考え面倒な事になりそうだなぁと思い、今だに理沙と緋里は言い争いをして呆れ、のんびりと旅が出来ますようにと心の中で祈るが、いつも覗き見ている、何処かの誰かは沈黙し、フロン星の主たるフロン神はヒサの言葉が聞く事すら全く出来無い状態だった。
(今日はゆっくり休んで、明日もゆっくり休んで、から考えよっと。)
リスカに夕飯のお誘いを断った今日これからの冒険者活動の事を無視して、もうのんびりまったりとしたいと思った、ヒサの今の思いだった。
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