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異世界の冒険の旅立ち(ジェルゴ王国篇)
70話 ゲド奴隷商会へ静かに襲撃、滅殺
しおりを挟むインベントリの整理から思い出した、パーシリ男爵の書類を見たヒサは心に怒気を込めながら、問題の現場へと向って行く。
「理沙目的地まで案内頼む」
【了解致しました。マップ表示します。音声案内もしますね♪】
ヒサの役に立てて嬉しそうに理沙に案内され、向かう先は奴隷商人のケドラスのゲド奴隷商会だ。
──────────────
パーシリ男爵はゲド奴隷商店で奴隷を仕入れていた。表向きは正当な売買をしているが、裏では拉致したままの若い女や少女、そして少年がパーシリ男爵邸に運ばれていたみたいだ。
少年や青年はパーシリ男爵邸からナーヤツ伯爵の所に運ばれていたみたいだ。
ケドラスは悪徳商法や犯罪を犯しているのでもみ消して貰う為に、多分犯罪的な政治をしている、ナーヤツ伯爵のコネや後ろ盾が欲しくて、パーシリ男爵に紹介してもらったはいいが、パーシリ男爵の言いなりになってしまったんだろう。
パーシリ男爵はナーヤツ伯爵のいいなりだったが今はもういない。
ヒサが攫われたワカバとクーちゃん(クーちゃん)パーシリ男爵邸襲撃(誰も殺してないので救出)の後、クリス女騎士団に通報してパーシリ男爵は捕まった。
以前捕まえた盗賊がパーシリ男爵の悪事も話し、裏が取れて死刑だったらしい
。
因みにリューゲル守護騎士団長メータチヤ・ガリヤーロウは別の所で奴隷達を多く買うと言って安くして貰ったようだ。本当ならこの奴隷商人にギルドから依頼が来るはずなのだが、ケドラスが脅して代わったみたいだ。
どうやらヒサの顔を見てみたかったみたいだ。上手く行けば奴隷にして悪い事をしようとしたが、ヒサの屋敷から帰る時には、ケドラスの勘がヒサはヤバいと思ったみたいだが、既にケドラスは最終的に終わっていた。
──────────────
「糞だな。しかも、ケドラスの奴、俺やシルフィ、ウサミにワカバを奴隷にしようとしてやがったしな。」
ケドラスが昨日の奴隷契約の針に何か仕込んたのを、シルフィに針を渡されなくとも奴隷商人の顔を見て気付いていた。
ケドラスの変なスマイルが少し気持ち悪くなっていた。
どっちしろヒサに何かしようも、ヒサには薬物に毒や麻痺、精神魔法や催眠術が何も全く効かないのである。
ヒサの隠れた力のお陰なのだが、まだ完全に覚醒していなくヒサの知る由もない。
【ヒサ様そろそろ目的地周辺です。目視出来る位置にゲド奴隷商会はあると思います】
歩きながらマップを見ながら理沙の案内を聞き、何時もの焼き鳥屋で買った焼き鳥を食べながら歩き、色々と考えている間に理沙の案内終了を聞き、ゲド奴隷商会の近く迄来ていた。
歩きながら確認すると今日は休みなのかゲド奴隷商会は閉まっている。
近くまで歩き、そっと気配を消しゲド奴隷商会の裏手に入ると、隠密スキルを発動し素早く裏手から奴隷商店の敷地内の中に入ると武装した男(多分奴隷)が警備をしているが、全くヒサに気付かない。
鑑定すると悪質な奴隷だった、奴隷は交代の時間なのか台所の勝手口から建物の中に入って行った。
ヒサも人がいないのを、マップと気配察知で確認して勝手口から建物内に入る。
ここからはマップで確認しながら、ケドラスの会長室に向かう。
ケドラスは昨日鑑定でマップに登録済みで、今は奴隷商会にはいないようだ。
建物内にいる犯罪者奴隷の男達は(鑑定した結果、犯罪歴多数者、狂悪犯罪者、罪を償っていない、償うとしたら確実に死刑)を奴隷として隠して飼っており、外出の自由は無いが建物内では不自由なく生活できるようだ。
そんな奴は見つけた瞬間、魔力を込めた刀(緋里)を抜いた瞬間逆袈裟で斬る。
斬られた先から緋く燃え上がると、血も身体も一瞬で燃えて、恐怖の顔のまま声も無く塵と化した。
その後風の魔法[ウイークウインド]で風吹けばそこには何も失くなっていた。
「血も涙も無いお前達は人間ではない。犯した罪を知りながら悠々自適に生きていた事を声も出来なく無く訳も分からなく恐怖して死ね」
そんな犯罪者奴隷を音もなく“滅殺”しながら商会を回り犯罪者奴隷達は全て殺し、会長室へ向かう。
会長室は鍵が掛かっていたが、扉の隙間から会長室のなかを覗き会長室の部屋の中に転移した。
会長室は執務室兼私室の様な部屋で豪華な執務机に豪華なソファがあった。
会長室にはもう一部屋有り、鍵は無く開けて見ると豪華なベットがあり、卑猥な物や性器具や拷問器具があった。
(変なスマイルケドラスはやはりろくでもない奴だな)
そんな事より執務机や隠し金庫から重要書類や高価なアイテム金目の物を全てインベントリに収納する。
(理沙、インベントリの整理頼むな。重要書類は理沙も読んどいてくれ。常識的な金を分けといてくれ)
【はい。了解致しました。うふふ♪】
金は罪の無い奴隷達に贈る金でもある。それを均等に理沙に仕分けて貰うヒサだった。
そして理沙はヒサの役に立ててとても嬉しそうだった。
「奴隷達どうするかな。理沙、奴隷解放の魔法分かるか?」
【ええと、はい。今インベントリに収納した中に、魔法書が有りました。読んで頂ければ修得出来ます。恐らくはケドラスは近いうちに使用しようとしていたのでしょう】
「おお、魔法書があるなんて幸運だな。インベントリ一覧っと、魔法書あったな。なになに──」
──この魔法書は消滅型です。使用後は白紙になりますのでメモに使って下さい。しかし必ず奴隷魔法が必ず使えるようになります。
と書いてあり簡単には、簡易、隷属、魔縛隷属の奴隷魔法が有り、そしてそれぞれの、簡易、隷属、魔縛隷属の奴隷解放の魔法が記されていた。
(何だと?魔縛隷属だと?此れで死ぬより苦渋な恐怖が出来たじゃないか。残念だ。もう殺してしまったじゃないか。あぁ。ケドラスがいたな。)
そんな怖い事を考えながらも一度読むとペラペラと魔法書のページを捲り、頭にどんどん入ってきた。
そして読み終わると。
【ピコーン♪最古の奴隷魔法を得ました】
(ピコーンかぁ。久しぶりに理沙の機械的な声聞いたな。)
【これは宇宙神の設定でこうなっちゃいます////】
理沙は凄く恥ずかしそうに話している
(取り敢えず、奴隷商会はの用事は終わりで、今度はケドラスの家か。理沙案内頼む。別に機械的な声で案内しても良いぞ(笑))
【むぅ~。ロボットみたいな事は痛しません。可愛く、美しくない事は致しません!だって理沙は先生みたいな女ですから~。痛い女になりませんです。ふふっ】
(寒い。凍りそう。理沙、面白くない。)
【申し訳ありません。お詫びにロボットダンス踊ります】
(だ~か~ら~、訳わからんし寒いし、面白くない。もう終わり!)
【えぇ~。面白いと思いましたのに…。ケドラス邸に案内致します】
(やはり残念理沙さんだな。理沙頼むな)
【分かりました。が、残念理沙さんはやめて下さいませ!ヒサ様!】
『うふふっ♪意味不明な事を言う理沙さんにはお似合いですよ。残念理沙さん♪』
ずっとだんまりだった緋里はタイミング良く理沙をからかい始めた。
【緋里さんだまらっしゃい!貴女に言われる筋合いはないです!】
『えぇ~?残念な話ししか出来ないし、面白くないし残念理沙さんじゃないですかぁ。うふふっ』
【むぅ~!緋里さん!私ぃもぉ激おこプンころをしますよぉ!】
『また変な事言い出して~。残念理沙さん、殺れるものならやってみてくださいな。笑笑』
【ムッカーっ!ムッカムッカァーっ!】
『なになに?ムッカさんを呼んでいるのかしら?うふふふふっ♪笑笑♪私わたくしのが面白くないですかぁ~?』
【面白くないわぁーっ!寒っいわぁーっ】
『えぇ~?残念理沙さん熱くなってるじゃないですか~?』
【くぁぁぁぁぁーっ!】
『鳥さんの真似ですかぁ?何の鳥の真似ですかぁ?面白いですよ♪残念理沙さん?』
【ムッキーっ!】
『今度はお猿さんですかぁ?似てますね!残念理沙猿さんとお呼びしましょうか?』
「二人ともそろそろやめないか!緋里、あんまり理沙をからかうな。理沙、ムキになるな。大人の女なんだろ?はい。二人ともおしまいだ。理沙ケドラス邸案内頼むぞ。」
『すいません。久二郎様』
【すいません。ヒサ様。案内致します。商会出たら案内を開始致します。】
理沙と緋里の喧嘩と言う漫才なのか?そして仲が悪いのか良いのか分からないなぁっと思いながら、取り敢えずケドラス邸行く前に売られている奴隷達の様子を見る事にした。
ヒサは隠密スキルの気配遮断で売り奴隷のいる場所に歩いた。
向かう途中、一人犯罪歴もなく女奴隷が掃除をしていたがやはり元気と覇気が無く、人形が生きているようだった。ただそのお陰でここにいる男達の慰み者にされないのは良かったかも知れない。
殺したなんちゃって奴隷の犯罪者がいなくなっても騒がないなら大丈夫そうだなっと思いながら売られている奴隷の所に向かった。
ヒサは奴隷達がいる所を守護する犯罪者奴隷は殺しているので、直ぐに奴隷のいる所に着いたのだが、奴隷達を見ると死んだような顔してをしていた。
多分今日は奴隷商会が営業しておらず、多分今が安らぐ時間のはずだが、売れれても、売られなくとも地獄に感じているのだろう。
(なぁ、理沙、緋里、この人達助けた方が良いよなぁ?しかしなぁ、この人たちの精神状態で解放しても、危ないよな。)
【そうですね。やはり一時的に保護しなければならないですねぇ】
『理沙さんに同意しますね。このまま解放してお金を渡してもフラフラとして変な男達に強姦されたりと最悪が待っているかもしれません』
(だよなぁ。リューゲル伯爵頑張れるかなぁ。無理かなぁ。元盗賊団アジトか俺の屋敷か。う~ン)
【ヒサ様の屋敷の方がよろしいのですが・・・あのアジトだと恐怖に陥ったりとか、奴隷の皆さん体調悪そうなのでやはり屋敷がよろしいかもてず】
『そうですね。もし伯爵に任して騎士団の取り調べを受けたとしても、この奴隷の中にはしっかりとした人もいるようですけど……かなり奴隷の人達は精神的にも体力的にも疲弊しているようだし、取り調べは大変だと思います』
(やはりケドラスを先にどうにかするか。よし。[転移])
ヒサは最初に隠れたゲド奴隷商会の裏手に転移して屋敷の外に出た。
ヒサは奴隷達の状況に悪さに悩み、先の計画ではケドラスや犯罪者奴隷を殺して、証拠書類をこっそり伯爵の所に持って行って伯爵任せようとしたが、辞める事にした。
奴隷達の保護はヒサのやる事では無いが金は貰っている(盗んでいる)ヒサの足が付くような証拠は無いし、うちにはメイドが大勢いるし、なんとかなるだろうと思い奴隷達の保護をする事にした。
「そして今日がお前の最後だぞ。ケドラス」
【ヒサ様ケドラス邸、マップ表示致しました。音声案内もしますね】
理沙の案内を聞きながら隠密スキルを発動し、気配を殺してヒサは足早とケドラス邸に向かった。
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