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1 謎の症状&困惑編

広域病院検査&診断

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 自宅に帰って一呼吸・・・。
 妻に脳ドックでの事情を説明。複雑な顔で驚かれながらも、これから病気の原因を究明するため地元の広域病院に行くことを伝える。掠れた声で「心配する必要は無い」と伝えるものの、悪い方向への急展開になかなか夜も寝付けないまま紹介状で指定の検診日になるまでもんもんとした日々を過ごす。このころになると、あまりにも喉が狭くなり食事を飲み込む際にも苦労しだした時期である。妻の「食べれる?」という質問に「うまいよ」と笑顔で答えたものの、体(喉)と気持ちのダブルパンチで、文字通り食事も喉に通らないのが本音ではあった。うまく気持ちを隠せた自信がないなあ。
 そんなこんなで数日が過ぎ、いよいよ脳ドックの紹介状を持って県都にある大学病院に向かう日を迎えた。
 まずは喉がおかしいということで耳鼻咽頭科へ向かう。お約束の血液検査を経て、先生は喉を触るなり「カメラで見ましょう」との診断。正直、数十年前胃カメラで酷い目にあったことがあり、まな板の鯉とはいえ戦々恐々としながら身構えた。ところが、医学の進歩というのは素晴らしく、まずはカメラのケーブル自体がすごい細くなっていた。さらに鼻からカメラを入れるとのことで気持ち悪さもほぼ無く、鼻もスプレー麻酔であまり痛くなく吐き気も無い状態でカメラを挿入してもらうことができた。しかも、リアルタイムで喉の画面を自分も見ることができ、現代医学の進歩と科学の勝利を体感することが出来た。(まあ、何度もやりたくないのは事実ではあるが。)
 そんな感じで画面を見ていると、先生が病状を説明してくれた。まず、喉が通常の半分程度まで狭くなっていること、結果として声帯部分が狭くなって歪んでいること、首周りのリンパ節の腫れが超音波の結果と触診でもわかるくらい大きいことが説明され、詳細な検査をしないと病気は特定できないが、甲状腺がんの疑いが高いと指摘された・・・。そう、ここに来てついに病名に「ガン」が出てきたのである!
 流石に、ショックがデカくて先生が何を喋ってくれたのかはよく覚えてないが、私の父親が50代で胃がんになって無くなっていることから「遺伝・・・なんだろうか。生活習慣全く違ったのに。」と明るいはずの診察室が蛍光灯着け忘れたかのように暗く感じたのは記憶に残っている。
 ただ、それでも先生から、ガンの発生源や病巣の広がり具合などを検査するには県都の大学病院にある放射線を使う特殊なCT検査を行うしかないとのことで、すぐにPET-CT検査(放射線薬剤を体に注入してCT検査する)の紹介状を作ってもらえることになった。
 結果、次の検査は県都の大学病院で7月下旬(3週間後)とのことになった。ガンの疑いの診断を受けてから更に3週間・・・。ガンはほぼ確定で何ガンかさらなる診断が必要との診察を受け、目に映る景色がスローモーションのようになった。(あの歌ですよ。「出会いはスローモーション」的な。)
 何も喉を通らない中で検査まで日常を過ごす絶望感がとにかく半端なかった。意外だったのが、仕事中は気持ちが切り替わり気分転換的になったことでした。むしろゆっくり休みはずの休日で家で過ごす時間の気の落ちようはこんなにもどうしようも無い気持ちなのかと自分の心に驚く日々でした。
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