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2 初回入院(薬物療法1~2コース目)

初回・第2回投薬

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 入院して数日で早速投薬が始まった。そう、ガザイバ(初日)とベンダムスチン(2,3日目)である。
 今まで指したことのある点滴というものは、動けなくなった時や疲れた時の回復のためであり、点滴すれば元気になるというイメージではあったが、抗がん剤治療においては、ある意味、体に毒を注入するようなものである。
 まあ、言い方に語弊があるのは否めないが、ガン=体の細胞であり、ガンを殺すということは、少なからず健康な細胞にもダメージを与えているわけで、これがガンを殺す効果と同時に副作用として体にダメージを与えることにつながる。よく、「抗がん剤に負ける」という言葉を使う場合があるけれど、順次我が身をもって体験することになっていきます。

 まずは投薬後の当日夕方。強烈な吐き気と39℃の発熱でいきなりフラフラになり、先生が飛んでくるというハプニングが発生しました。さっそく先生に看てもらい、間を置かず看護師さんが飲み薬と解熱剤を用意してくれて体の落ち着きを取り戻し病状は安定しました。引き続き2日目、3日目の投薬も適時対処していいただき無事投薬を行うことができました。

 投薬後は熱や吐き気が出たものの、うまく薬で制御でき、投薬も順調に進めることができました。投薬1回目(1週目のガザイバ→ベンダムスチン×2),2回目(翌週の同セット投薬)と順調に進み、一息ついたところで、なんとなくですが首周りの腫瘍が小さくなったのかどうかはわかりませんが、言葉を長時間話すことができるようになるという効果を実感できました。入院3週間目くらいでの出来事であり、治療を受けた本人が一番驚く効果(というか体調の変化)を知ることができて大変驚いたのを記憶しています。
 副作用の抑え込みといい、喉の違和感が減って呼吸がずいぶんと楽になったことといい、「効果は抜群だ!」というセリフが口から出そうになるくらい嬉しかったです。今にして思えば治療の入り口で小躍りしていただけって見方もあるんですが、夜中に首を閉められるような息苦しさで目が冷めていたことから開放されたのは本当に嬉しかったです。「抗がん剤すげえ!」ってなもんで、先生にも話ししてしまいました。まあ、先生は治療が長期間に及ぶことをわかっていたから、「良かったね」くらいの返事だったんですけど。

 そんなこんなで日本全国記録的な暑さで、故郷の米の生育が大きなダメージを受けていることも知らず、クーラーの聞いた病室で8月下旬から9月初旬を過ごしていったのでした。
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