子供が巣立って寂しいおっさん、喉の調子の悪さに首をひねっていたら首にガンが見つかりまして、どうしゅよう・・・。

６ 第５回入院（薬物療法６コース目）

妻がしてくれた塩味障害対応

　この機会に３回目以降の退院後及び６回目の退院後での自宅療養における味覚障害で気をつけたもの、気を使ってもらったことを書き出してみた。

　私の抗がん剤治療で生じた副作用のうち、味覚障害については塩味が感じない（薄くしか感じない）というのが３回目の入院あたりから６回目の退院後に至るまでずっと続いていた。味覚障害は抗がん剤治療の副作用の中でもよくあることの一つではあるものの、いざ、自分の身に降りかかると意外に厄介なもので、例えば、醤油ラーメンや塩ラーメンが湯に麺を入れただけという、同時に生じる副作用の食欲不振や吐き気がつきまとうなかで、味を感じない食事は吐き気に直結する問題を抱えていた。余談だが、健康時の感覚で言えば、風邪で寝込んだ後の体調で水に浸した紙を口に入れるような感覚であった。

　さらに、つわりの症状（私は男なので想像だが）のように、突然理由はわからないけど強烈に苦手になった白いご飯や白身魚も見るだけで胸がムカムカする食材となった。そんな天を仰ぐようなどうしようもない状態でやってくる毎日３回の食事タイム・・・。私がいくらかでも食べれるように、退院後の食事について妻は色々気を使ってくれた。
　まずは、毎度行う抗がん剤投与から数日の朝食では混ぜおにぎりにしてくれた。白いごはんが食えない状況でも味が濃いので口当たりもいいし、少しづつ食べれるのですごくありがたかった。あとは雑炊もよく作ってくれた。これも薄味だが溶き卵やほうれん草を加えたり調味料を加えてくれてたりと塩味以外の味もあり食べやすかった。

　抗がん剤投与後、４～５日を過ぎ、胸のムカムカや味覚障害も若干引いた頃からは、焼きそばや肉丼など、味が濃くて甘み等塩味以外の味が決め手になるものを出してくれた。当然、病院の薬による吐き気止め等の効果があるものの、妻のこういった食事の工夫のお陰で、在宅中に体重が落ちることなく過ごせたことは独身ではできないありがたいことと感じた次第である。