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5.ヒマなんだよね…。 微※
しおりを挟む1週間は経っただろうか。
ベッドでゴロゴロしてる。ご飯は美味しい。眠いからゴロゴロしてるのもあるけど、お外に出れないんだよね~。定期的にお医者さんがやって来る。
オレの身体って珍しいんだろうね。目つきも手つきもちょっと嫌です。
時間は経ったのに…。
ゴロゴロとしてたからか、身体のあちこちに感覚が…。特に、アソコにまだ陛下の極太凶器がハマってる感じで…。広がってた感覚が残ってる…。
物理的になくなって、ちょっと寂しいとも思ってて…。うひゃ、恥ずかしいッ。それに、破廉恥な考えが浮かんでたりして、悶えるぅぅうう。アレをずっとここに嵌めておきたくもあって…。実際そんな事はできないのに。
少しずつ薄れていく感覚…。
股も広がってた感じも治ってきてる。漸く違和感なく動けるようになった。
乗馬とかは、帰ったら出来そうだ。愛馬が恋しい。婚活はやめて領地に引っ込む事になりそうだ。
思い切って隣国に行ってみようかな…。
陛下のお手つきだとは外には漏れないだろうけど、なんだか他の人とあんな事をするのが想像出来ない。
白い結婚でもいいけど…。そんな条件の相手を探すのも…なんだかなぁ。おじいちゃんの後妻だったら、あり得るか…?
そもそも婚活は上手く行ってなかったんだし、やめよう。それがいい。実地で家業の役に立とう。
……ああ、陛下に会いたい。
ベッドの上でゴロゴロ…。ため息。
陛下の温もりが忘れられない。
声も素敵だった。目尻のシワがキュートだった。
思い返しては、想いが募る…。
ここには陛下の匂いがない。
アソコに指を入れたりしてみた。胸も乳首も揉んだり捏ねたり摘んでもみた。陛下がやってくれたように触ってるのに…。クリちんぽも触ってみたけど、全然違う。快感も薄い…。陛下の手が恋しい…。
襲われたって事になってるけど、オレ、本当に嫌じゃなかったんだ…。
好きだと思う。うん、好き…。
オレ、お妃さまにはなれないよ。そんな事は解ってる。そんな勉強してこなかったもの。そんな資格はないのだよ。
成績は上位の方で卒業させて貰ったけど、座学は専ら経営関連の分野を取ってたし。歴史とかは適当だったしなぁ。基本は押さえてるけど。
他国との関係性とかを率先して自ら調べて学んだ。図書館は充実してた。外国語もマスターした。諸外国の書物も豊富だった。
留学生を見つけたら、試させてもらったし、色々教えてもらった。なので、語学は上流階級の上品な物というよりは、荒っぽい感じのに仕上がってる。公的な話し方の基本はしっかり学んだけど、オレの話し方は、懐に入りやすいようだ。
ファイルのご令嬢の経歴のあれこれを思い出していた。
無理だ…。土台無理ってもんだ。張り合おうと考える事自体、恐れ多いってもんだよ。
ここは潔く身を引くのが一番良い。良いのは分かるんだけど…。分かるんだけど…。
『結婚しよう』
不意に陛下の声が甦る。
キュッと胸が苦しくなった。
窓の外に視線を向けた。青い空が見える。
部屋の中の温度は適温だから、こんなペラペラの格好でも寒くないけど、そろそろちゃんとした服が着たい。診察のは便利だろうけどさ…。
茶器のセットがあったなぁ…。
シルクだけどペラペラで、中が心許ない状態だけど、誰が見てる訳でもないから、どうでもいいやと、ベッドを降りた。
今までこの格好で何かをしようと思った事もなかった。やっと気持ちが上向いたのだろうか。
ペラペラのコレ、同じ感じの着替えが用意されてるからいつも清潔なんだよ。それだけが救いかな。
ガラス扉のついた背の低い棚。作業台が付いていて、小さな耐熱タイルがモザイクに配置されていて、見てるだけで気分が晴れてくる。
ポットは保温機能がついてる物だった。
扉を開けて、気分に合ったカップとソーサーのセットを出す。茶葉の入れ物が幾つか並んでる。中を確認しながら、香りを吟味。
コレにしよう…。
今、刺繍と同様にお茶を淹れる練習中だ。
茶葉がいいのもあるんだろう…。軽やかな香りに癒される。
蓋のついた深皿陶器があるのに気づいた。…なんだろう…。
クッキーが数枚。お腹が鳴った。
チョコチップの入ったクッキー。オレが好きなのだ。兄上の差し入れだろうか…。
トレイにそれらを乗せて、窓辺のテーブルセットに並べる。テラスに出たいところではあるが、格好もあるから、ここでいい。
ぼんやり遠くを見ながら、お茶とクッキーでひとりティータイムを過ごしていた。
空の色が変わっていく…。もう夕方だったんだ。夕食の時間になるなぁ…。
手元のクッキーに視線を落として、なんとも落ち着かなくなった。
お菓子食べちゃった…。
親に叱られるあの気分がムズムズを湧いて来る。
食べかけの欠片をポイっと口に放り込む。
モグモグ…ごっくん。
結論ッ!
別腹である。ムズムズはパッパと追いやった。カップの残りを流し込んで、ひとりお茶会終了。
ワゴンに洗い物を載せて隅に寄せる。
ベッドに戻って、ゴロゴロ再び…。
眠っていた。
目を覚ますと、テーブルに食事がセットされていた。カバーがかかってるけど、冷えてる気がする。物音でも起きなかったか。起こされなかったみたいだ。起こすのが不憫に思われたのだろうか。
冷えても美味しそうだからいいか。
家での賑やかな食卓を思い出していた。美味しい料理もひとりでは、ちょっと味気ない…。
お茶セットの消えたワゴンに食器を乗せる。
お風呂も済ませて、ベッドでぼんやりです。
ここは誰かが見てるんですかね。
お風呂に入ってる間に寝具が整えられてる。食器も消えてるし…。
はぁ…。お医者さまの話だと1カ月ぐらいだったかな…。暇だけど、横になれば眠ってしまってる。眠いのは確かなんだけど…。明日から、身体を動かそうかな…。
ベッドの上でストレッチを始めた。ギシギシと大きな音がしてたようで、侍従がこっそり覗きに来た。目が合ったので、ニッコリ。
徐々に、床で腕立て伏せやスクワットをして身体を動かした。素振りや走り込みは出来なかったが、汗をかけば、モヤモヤも無くなるような気がした。
そんな事をしてたからか、ソファなどでの居眠りは深く、外で騒がしい音がしても起きる事はなかった。
「話はついた」
空っぽだったクローゼットに服が掛かった。
兄上が鼻息も荒く入って来ての第一声だった。
あれ以来の兄上。顔色は良くないけど、機嫌は良さそうだ。
オレ、この1か月余りお医者さまか、侍従、侍女の方々にしか会ってないです。
本当に陛下は来られる事はなかった。
不思議だったのは、王弟殿下もなのだ…。忙しい方だろうから仕方がない。でも、接触して来ると思ったんだけど…。
あっ、めっちゃ忙しいね。
陛下の婚約も決まっただろうからやる事がいっぱいなのだろう。
オレの件は瑣末な事だ。面倒な事でしかない。お仕事増やしちゃった。めっちゃ怒ってそう。兄上が怒れてるのだろうか。ごめんね。
「二日後には帰るから」
オレはお茶の最中。クッキーの差し入れのお礼をしないと。ごっくんして、心を込めてお礼。
「分かった。それから、兄上、コレ、ありがとうね~」
言葉が上手く出てこない。人間喋ってないと退化するらしい。
「ん? 知らんが。お茶菓子も用意してくれてたなら、一応、衣食住…色々言いたいところはあるが…面倒はみてくれてたか」
兄上がオレの頭をぐりぐり撫でてくれる。なんかブツブツ言ってるが、こういう時の兄上には何を言ってもダメなので、黙って撫でられてる。髪がぐちゃぐちゃだよ。
ん~、チョコチップは、苦味が強いだけで普通なんだけど、ハーブ入りのは、ちょっと苦手だったから、文句を言ってやろうと思ってたけど、関係ないなら、やめた。少量のクッキーだし、ちょっとつまむ感じにはいい感じの量と味だった。
「ココを出たら、そのまま領地へ向かう。出立は朝早いからな」
「分かった~」
先日採血された。結果が出たんだろう。待遇も変化が出た事は黙っていようっと。ここを出る事が決まったんなら尚の事だ。
そっか~。お腹の中に来てくれなかったんだぁ…。オレとしては、居てくれたら方が嬉しかったんだけど。周りは大変になりそうだね。…彼女にも悪い…ね。
お手つきは、ココに留まらされるかと思ったけど、その辺の話をつけて来たんだろう。
このままだったら、オレに楽しい未来はないと思ってやってくれた事だ。
多分、楽しい事は無くなるだろうね…。邪魔な存在にはなりたくない。オレがしたい事は色々あるんだ。
うん、これでいいんだ…。
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