ソナタを奏でるには、

アキノナツ

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後.3】ソナタを奏でるには、極めて慎重にするようです。(※)

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ふんわりしてます。兜ぉ~(てへ


ーーーーーー



篭ってから、随分になるが、大丈夫だろうか。

以前、脱水症状のようになって、出てきた事があって驚いた事があった。
あの時は、休みだったから介抱出来たが、居なかったらどうなってたのだろう。

本人は「良くある事だから大丈夫」って笑ってたけど。

ボックスの小窓を除いて、ゾッとした。

弓持った手がだらりと垂れてる。チェロはしっかり掴んでるが。

コンコンと窓を叩く。

以前開けようとして鍵が掛かっていた。今回も無理か? かけるのは習慣なのか?
ーーーー反応がない。困った。

良く見ると、コレって鍵じゃなくて、開け方があるのか? 気づかなかった。

四苦八苦しながら開けて入った。

「大丈夫か?!」

肩に手かける。
仰向いて目を閉じてる。
寝落ち?

目が開いた。
首がカックンと直って、こちらを見遣る……。

焦点が合ってない?

「マスター?」
吐息のように艶立った声音。
「どうした?」
声をかけてみる。
「何かぁ用ぉ~?」
なんだか、ふにゃふにゃしてる?

一度、ここから出すか。

弓を離して貰おうと手を取ろうとすると、ビックン!と大きく手が跳ねた。
ッ!」
ん?
「一度出ようか」
目線合わせて呼びかける。

ぽやんとして、ふぅと熱っぽい吐息を漏らしてる。

あれ? コレってなんか……艶っぽいな。違うって。なんだかこういうのは…。

あれだ…。酔っ払いを相手してるみたいだな。

「こっち、おいで…」
手を差し出す。

うっそりと笑って目を細めて、右手を伸ばしかけて、手に持った弓に気づいたようだ。

頬が少し赤い。
立ち上がる。足取りがふわふわしてる。

チェロを手にボックスから出てきた。

……見守るしかないか。

ケースに恭しくチェロが収まった。
カチャッと留め金が掛かる音。

フワッと振り返った。

可愛いな……。

右手が上がって俺に差し出される。
手の甲は上。
俺は掬うように、手を握った。

シャル ウィ ダンスぅ?

スッと胸に寄り添ってきた。
艶っぽい顔だな。

「どうしたんだい?」
「んー?」
聞こえてないのかな?

唇を指で摩って刺激すると、うっそり微笑んで、ぺろっと舐めた。

酔ってる。うん、コレは酔ってる。
何に酔ったんだ。アルコール飲んでる様子はなかった。
チェロ弾いてただけ…だった。よく分からん。

取り敢えず、今は楽しそうだ。
付き合ってやるか。

「どうしようかなぁ……」
どうしたものかと、思案してると、首に腕が絡んできて、唇が重なった。
キスがしたいのか?
ーーーいいよ。俺も好きだから。

クチュ、クチュ、チュッ、チュッ…

唇を離して、様子を伺う。

濡れた唇を舐めて、目を細めて微笑んでる。

楽しそうに酔っている。
瞳の中の俺を見てると、自然と身体が揺れてきた。
彼の腰を抱き寄せ、身体密着させる。
彼は頬を擦り寄せ、うふふと笑って、俺に合わせて、ゆらゆらり……。

音楽がかかってる訳でもないのに、頭の中にゆったりした何かが流れてた。
その流れに揺蕩って、彼と漂っていた。

昔付き合ってた女に教わったチークをここで踊る事になるとは思わなかった。

静かにメロディーが流れてる。

彼だ。
ハミングで何か歌ってる。
指が僅かに動いてる。

ふふふ…
チェロを弾いてるのか。

コレは俺でも知ってるリズムだ。
ワルツかなんかだな。

では、俺はキミを奏でよう……。

「ベッドいく?」
ふわっと見てくるとコテンと小首傾げる。
あー、違う感じだな。
でも、身体は擦り付けてくるから、触って欲しいんだね?

ーーーー分かった。付き合いましょう。
キミの思いのままに。

服の上からゆっくりスリスリと撫で回し、昂めていく。
熱い吐息を吐いて、完全に凭れかかってきた。ステップを踏んでるが、既にその場で揺れてるだけになりつつあった。
拒否しないから合ってるらしい。正解を探り、探り……。

服の裾から脇腹を撫で上げ、背中を軽く揉みながら、肩甲骨をなぞる。

唇を重ねてきた。

吐息ごと飲み込み、舌を滑り込ませる。身体と同じようにゆっくりと彼の舌を撫でて、絡めた。

背を下へ撫でいき、スエットの中へ。尻を揉み互いの腰を擦り付けて、尻の感触を楽しんでた。

口の中に緩く響く振動に、俺も気を良くして、舌を絡めて、もっと啼かせたくなっていた。

ーーー我慢出来ねぇな。

ソファに誘導する。

スエットを下着ごと脱がせて、脚を開かせ、尻を抱き上げて抱っこする。
彼はグッと腕も脚も絡めて抱きついて離れない。まだ酔ってる。熱い吐息が漏れてる。

ソファに腰掛けると、俺も下をずらして、勃ち上がった逸物を出した。

二人の陰茎を合わせて握ると、擦り上げた。
先走りが溢れてきてる。
二人分の溢れた液体を掬って、そのぬめりを使って更に扱いた。

おぉぉ! クルな、コレ!

チラッと彼を伺うと、半開きの唇から微かに喘ぎを漏らしながら、扱かれる2本の雄を見つめてる。

目が合った。
うっそり笑ってる。
お気に召したらしい。

彼の手が俺の肩からスッと離れて、俺の手に重なる。
おっと、危ない。
彼の背を支える。

片手を背に片手を陰茎に、その手の上に彼の両手が覆い上下に揺すり出した。

彼に任せるか?ーーー離させてくれないな。ま、いいか。

俺は扱く動きを続行。
彼はそれに合わせて、時折り、亀頭を撫でたり、鈴口を刺激してくる。

喘ぎながら、楽しそうに触ってる。
俺は、彼の様子を伺いながら、緩いながらも最後が見えてきていた。

もう、イきたいんだが……。

彼も吐息が熱く、腰が揺れてる。

クッと背を寄せると、目元を赤くした顔で微笑み、唇を重ねてきてくれた。

一緒がいいのかな?

クッと強めに扱く。

口の中で高く啼いた。

重ねられた手が震え、背に力が入る。
イくか?
イこうか。

抱き寄せ、大きく扱き、舌を吸い上げる。

口内に響く振動に脳まで痺れさせ、弾けた。

余韻の中、舌をゆるゆると絡め、唾液を交換してた。

チュパッ…

唇を離す。銀の糸が唇を繋いで伸びる。
彼の微笑みと共に切れた。

「マスター、好き」
「俺もキミが好き」

チュッと唇を合わせて、リップ音を響かせる。

「マスターは、どうしたの?」
酔いが醒めてきたのかな?
「キミがふわふわしてた」
考えている感じで、小首を傾げてた。

「……音が溢れてた」
うっとりと呟く。
「そうなんだ」

「…気持ちいいんだよ」
ちょっと辿々しい喋り。
「気持ち良さそうだったね」

じっと見つめてきた。
「オレ、変?」
悲しそうだ。
「何故? 楽しそうに酔ってたよ?」
スリっと胸に頬を寄せる。
ーーー泣きそうなだな。
感情が処理できない分が涙や音で出てくるのかもな。

「あんな風に酔った時は、また踊るか?」
「ん?」
小首を傾げて、涙目の彼が居た。
おや? 覚えてないのか。ーーーコレって、今まで、まずいのに巻き込まれてなかったか?
……彼が壊れてなくて良かった。

「マスター、好き」
なんだろう……、とても幼く感じる。
「俺も好き」
見遣ると寝てた。

安心し切った幼子のような表情。
この状態とはアンバランス過ぎますが。

さて、起こさないように、サッパリさせてやりますか。



ーーーーーーー

また、書くかなぁ、どうしようかなぁ……。

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みんなの感想(1件)

セザンヌ108
2023.09.07 セザンヌ108

非常に好きです。
マスターめっちゃ男前さん!
ぜひ甘やかして甘やかして、そんで甘やかすお話を読みたいです!

アキノナツ
2023.09.08 アキノナツ

感想ありがとうございます。

好きと言って頂けて嬉しい限りです(๑˃̵ᴗ˂̵)

『甘やかして』の連呼ありがとうございます! めっちゃ嬉しい♪
甘いでしょ?
甘いんですよ、この男( ̄∀ ̄)b
『男前さん』とは! マスターに伝えときます。書き手も大好きなキャラなんでまた甘いのが書きたくなったら、書きますね(๑╹ω╹๑ )v

ありがとうございました。

解除
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