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アウリスが挨拶に回り始めると、約四十組の参加者は自然と二種類に分かれた。伯爵に興味を持っている者と、伯爵を避ける者だ。
前者の扱いは予想以上に簡単だった。彼らの話は大抵、優雅なパーティと趣ある古城への評価に始まる。暗に資金源を尋ねているのだ。
アウリスは常に事前に決めておいたとおり、レーヌ社の話をした。反応は様々で、金儲けのにおいを嗅ぎつけて顔色を変える者もいれば、口当たりの良い態度で伯爵を称賛する者もいた。
彼らが腹の中で何を考えているかは重要ではない。今はただ噂の種を仕込むだけだ。
一方、後者とは名乗り合うことしかできなかった。彼らは努めて口数少なく過ごし、会場を睥睨するために来たようだ。目的はこのパーティを貶めることだろう。
ベルタはアウリスと行動する最中、彼らの視線をよく感じた。ロシュメール伯爵と伯爵夫人の疵を探し回る嫌味な視線だ。
「そのうち飽きるだろう」
アウリスに耳打ちされ、ベルタは不安を抱えながら見て見ぬふりをした。
今は何もできないが、彼らが誰なのかは挨拶できた者と招待客リストを後で照らし合わせれば分かることだ。今後は付き合わなければいい。
一通りのことを終え、アウリスの許しを得たベルタはようやく友人二人と合流した。
真っ先に尋ねられたのはアウリスのことだった。クレアはすっかり美麗な伯爵に夢中になってしまったようだ。
ベルタは結婚について所々を濁しつつも真実に沿ったことを大まかに説明した。さすがに出会いや事情については言えなかったが、探るような二人ではない。
「再会と新たな人生に、ね」
果実酒のグラスを掲げ、クレアがヒューゴと目配せをし合う。それでようやく気づいた。
「指輪、おそろいね」
二人は途端に照れくさそうにする。
「私たち婚約したの」
「まぁ……!」
ベルタは目を輝かせた。
いつも元気なクレアとおっとりしたヒューゴはお似合いだと、よく皆で話したものだ。そのとおりにくっついてくれて何だか嬉しい。
「本当におめでとう。ああ、どんな成り行きなのか見ていたかったわ」
「もう。ベルタったら」
「だって自分のことのように嬉しいのよ。他の皆がいたら聞いてみたんだけどなぁ」
「忙しいのよ。ベルタが急に結婚するから焦っちゃってるの」
「あら、わたしのせいみたいに」
ヒューゴが苦笑してたしなめる。
「皆も来れなくて残念がっていたよ。落ち着いたら王都へおいでよ、今度は僕らがもてなすから」
「ええ、絶対行くわ」
そこへ、会場を突っ切って二組の男女がやって来た。
どちらも派手な女性と見目の整った男性という組み合わせだ。三人を囲むように立ちはだかると、女性の一人がベルタへ蔑みの目を向けた。
「あなたのことを知ってるわよ、ベルタ・ティトルーズさん」
ベルタは目をまたたいた。
以前の家名は招待状には書いていない。それにその女性に見覚えもなかった。
「どなたでしょうか」
「そんなことを気にしてる場合じゃないわよ。あそこにいる綺麗な夫に本当のことを知られたくはないでしょう?」
「……本当のこと?」
「ベルタ」
袖をつままれ振り返ると、クレアが笑顔を浮かべている。
「私ちょっと飲みすぎちゃったみたい。外へいかない?」
「え、大丈夫……」
顔をそらした直後、もう一方の腕に長い爪が刺さった。驚いて見ると、もうひとりの女性が意地悪く口元を歪めている。
「お友達はもうご存知みたいね。あなたが何をしたかってこと」
「わたしが?」
「やだわ、白々しい」
女性たちはくすくすと笑った。二人の男性たちも追従して厳しい目を向けてくる。付き添ってはいるが、パートナーではないのだろう。
「持参金よ!」
突然、二人は声を合わせた。
周囲の視線が集う中、二人が笑う。ベルタはまだ分からない。
「持参金なんてありません」
「嘘ね。みぃんな知ってるのよ? あなた、婚約者がいたそうじゃない。ザカリー・デュラフォワとかいうお金持ちの息子。彼を誑かして手に入れた大金をそのまま伯爵への持参金にしたんでしょう?」
「え……?」
思わずきょとんとしたベルタに構わず、二人は扇の影で嘲笑した。
「お金で自分を売ったのね。いやらしい。あの美貌に狂わされちゃった?」
「知らなかったでしょうけど、ザカリーは破産したわよ。しかも会社を潰したせいで男爵から勘当されちゃった」
今度はさすがに驚いた。
彼女たちの話はザカリーが魔法に大金を払ったせいで破産した、という真実が歪んだものなのだろう。
根も葉もない噂、とはいかないのかもしれない。ベルタが友人にも口を閉ざしている以上、もっともらしく聞こえてもおかしくない。
四人の後ろで他の参加者たちがこちらを伺っている。その中に見慣れた銀髪を見つけてしまい、慌てて視線をそらす。
(今は心配をかけちゃ駄目……)
ベルタはドレスの裾を小さく握った。
「その話は……」
「嘘つきはそっちでしょ!」
怒声はクレアのものだった。
「何が狙いなのか知らないけど、あなたの話は不愉快だわ!」
ヒューゴもクレアの肩を押さえながら一歩前へ出る。
「ベルタはそんなことしませんよ。誰に聞いた話であれ、間違いでしょう」
女性たちと友人たちが睨み合う。どう収集をつけるべきかと戸惑っていると、女性たちの背後にアウリスが立った。
「どうされましたか?」
白皙の美貌が優しげに微笑む。よそ行きの顔だ。
女性たちも何かを感じたのだろう、紅を引いた唇を上げるだけだった。
「料理が磯臭いのよ。もう耐えられないわ」
「ご容赦ください、海辺ですから。何か他のものをお作りしましょうか?」
「結構。これでお暇するから」
「それは残念です。宿はもうお決まりですか?」
女性たちはアメジストの美しい瞳に射抜かれ一瞬怯えた。
ひどく冷たい――『魔術卿』の目だ。
「余計なお世話よ」
付き添う男性二人まで顔色が悪い。四人は逃げるように会場を出ていった。
「皆様も、もし料理がお口に合わない場合はご遠慮なくおっしゃってください」
騒ぎが収束し談笑の声が戻った。
ほっとしたのも束の間、アウリスがこちらを振り返る。
アウリスは話し相手を待たせているはずだ。邪魔になってしまったのではないかと、ベルタは不安になった。
「平気か?」
「ええ、……あの」
続きを言おうとしたがアウリスに肩を抱かれ、言葉が引っ込んだ。
「二人ともありがとう。勇敢な友達がいてよかった」
「いいえ、そんなことないですよ」
クレアとヒューゴは顔を見合わせて笑顔になる。
その二人の門前でアウリスが顔を寄せてくる。ベルタは思わず身構えた。
「向こうの話がまとまったら合流する。後でな」
「……あ、分かったわ」
頷くと、ぽん、と頭を撫でられた。
「お二人とも、一旦失礼します」
アウリスが去るのを三人で見送る。
ただの連絡だ。そうと分かり少し顔が熱い。
(……重症だわ)
だが無理やり友人たちへ向き直ると、二人の方が赤くなっているので驚いた。
「破廉恥ね」
「えっ、ど、どこが?」
「あの人、いつもあんな感じなの? やだぁ……」
もじもじするクレアにヒューゴはため息をつく。
「クレアには見てほしくなかったな……あんなお手本」
「いやよ、見るわよ。見ない方が失礼なくらい素敵だったもの」
「僕はあんなふうにはできないよ」
雲行きが怪しい。ベルタは強引に話を戻した。
「と、とにかく……クレア、ヒューゴ。助けてくれてありがとう」
二人は再び顔を見合わせて微笑んだ。
「正直に言うと、噂通りじゃなくてよかったって思ってるわ」
「そんなにさっきの話は広まってるのね」
「噂の本人、ザカリーだったかな。その人が自ら吹聴してるみたいなんだ」
「……そう」
男爵家から勘当された割には元気そうだ。
ザカリーを止めたいとは思わなかった。所詮は噂だ。いつかは飽きられて忘れ去られる運命にある。
とはいえ、二人に対しては心苦しかった。
「本当のこと、教えられなくてごめんね」
「いいのよ。『魔術卿』と結婚するくらいの何かがあったんでしょう? 今はそれだけ分かればいいわ」
その言葉に息が詰まる。
今は――確かに、話せない。ベルタの事情にはアウリスの秘密が関係しているから。
「いつか……話せるといいわ」
それがいつになるのかは分からないけれど。
前者の扱いは予想以上に簡単だった。彼らの話は大抵、優雅なパーティと趣ある古城への評価に始まる。暗に資金源を尋ねているのだ。
アウリスは常に事前に決めておいたとおり、レーヌ社の話をした。反応は様々で、金儲けのにおいを嗅ぎつけて顔色を変える者もいれば、口当たりの良い態度で伯爵を称賛する者もいた。
彼らが腹の中で何を考えているかは重要ではない。今はただ噂の種を仕込むだけだ。
一方、後者とは名乗り合うことしかできなかった。彼らは努めて口数少なく過ごし、会場を睥睨するために来たようだ。目的はこのパーティを貶めることだろう。
ベルタはアウリスと行動する最中、彼らの視線をよく感じた。ロシュメール伯爵と伯爵夫人の疵を探し回る嫌味な視線だ。
「そのうち飽きるだろう」
アウリスに耳打ちされ、ベルタは不安を抱えながら見て見ぬふりをした。
今は何もできないが、彼らが誰なのかは挨拶できた者と招待客リストを後で照らし合わせれば分かることだ。今後は付き合わなければいい。
一通りのことを終え、アウリスの許しを得たベルタはようやく友人二人と合流した。
真っ先に尋ねられたのはアウリスのことだった。クレアはすっかり美麗な伯爵に夢中になってしまったようだ。
ベルタは結婚について所々を濁しつつも真実に沿ったことを大まかに説明した。さすがに出会いや事情については言えなかったが、探るような二人ではない。
「再会と新たな人生に、ね」
果実酒のグラスを掲げ、クレアがヒューゴと目配せをし合う。それでようやく気づいた。
「指輪、おそろいね」
二人は途端に照れくさそうにする。
「私たち婚約したの」
「まぁ……!」
ベルタは目を輝かせた。
いつも元気なクレアとおっとりしたヒューゴはお似合いだと、よく皆で話したものだ。そのとおりにくっついてくれて何だか嬉しい。
「本当におめでとう。ああ、どんな成り行きなのか見ていたかったわ」
「もう。ベルタったら」
「だって自分のことのように嬉しいのよ。他の皆がいたら聞いてみたんだけどなぁ」
「忙しいのよ。ベルタが急に結婚するから焦っちゃってるの」
「あら、わたしのせいみたいに」
ヒューゴが苦笑してたしなめる。
「皆も来れなくて残念がっていたよ。落ち着いたら王都へおいでよ、今度は僕らがもてなすから」
「ええ、絶対行くわ」
そこへ、会場を突っ切って二組の男女がやって来た。
どちらも派手な女性と見目の整った男性という組み合わせだ。三人を囲むように立ちはだかると、女性の一人がベルタへ蔑みの目を向けた。
「あなたのことを知ってるわよ、ベルタ・ティトルーズさん」
ベルタは目をまたたいた。
以前の家名は招待状には書いていない。それにその女性に見覚えもなかった。
「どなたでしょうか」
「そんなことを気にしてる場合じゃないわよ。あそこにいる綺麗な夫に本当のことを知られたくはないでしょう?」
「……本当のこと?」
「ベルタ」
袖をつままれ振り返ると、クレアが笑顔を浮かべている。
「私ちょっと飲みすぎちゃったみたい。外へいかない?」
「え、大丈夫……」
顔をそらした直後、もう一方の腕に長い爪が刺さった。驚いて見ると、もうひとりの女性が意地悪く口元を歪めている。
「お友達はもうご存知みたいね。あなたが何をしたかってこと」
「わたしが?」
「やだわ、白々しい」
女性たちはくすくすと笑った。二人の男性たちも追従して厳しい目を向けてくる。付き添ってはいるが、パートナーではないのだろう。
「持参金よ!」
突然、二人は声を合わせた。
周囲の視線が集う中、二人が笑う。ベルタはまだ分からない。
「持参金なんてありません」
「嘘ね。みぃんな知ってるのよ? あなた、婚約者がいたそうじゃない。ザカリー・デュラフォワとかいうお金持ちの息子。彼を誑かして手に入れた大金をそのまま伯爵への持参金にしたんでしょう?」
「え……?」
思わずきょとんとしたベルタに構わず、二人は扇の影で嘲笑した。
「お金で自分を売ったのね。いやらしい。あの美貌に狂わされちゃった?」
「知らなかったでしょうけど、ザカリーは破産したわよ。しかも会社を潰したせいで男爵から勘当されちゃった」
今度はさすがに驚いた。
彼女たちの話はザカリーが魔法に大金を払ったせいで破産した、という真実が歪んだものなのだろう。
根も葉もない噂、とはいかないのかもしれない。ベルタが友人にも口を閉ざしている以上、もっともらしく聞こえてもおかしくない。
四人の後ろで他の参加者たちがこちらを伺っている。その中に見慣れた銀髪を見つけてしまい、慌てて視線をそらす。
(今は心配をかけちゃ駄目……)
ベルタはドレスの裾を小さく握った。
「その話は……」
「嘘つきはそっちでしょ!」
怒声はクレアのものだった。
「何が狙いなのか知らないけど、あなたの話は不愉快だわ!」
ヒューゴもクレアの肩を押さえながら一歩前へ出る。
「ベルタはそんなことしませんよ。誰に聞いた話であれ、間違いでしょう」
女性たちと友人たちが睨み合う。どう収集をつけるべきかと戸惑っていると、女性たちの背後にアウリスが立った。
「どうされましたか?」
白皙の美貌が優しげに微笑む。よそ行きの顔だ。
女性たちも何かを感じたのだろう、紅を引いた唇を上げるだけだった。
「料理が磯臭いのよ。もう耐えられないわ」
「ご容赦ください、海辺ですから。何か他のものをお作りしましょうか?」
「結構。これでお暇するから」
「それは残念です。宿はもうお決まりですか?」
女性たちはアメジストの美しい瞳に射抜かれ一瞬怯えた。
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「余計なお世話よ」
付き添う男性二人まで顔色が悪い。四人は逃げるように会場を出ていった。
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騒ぎが収束し談笑の声が戻った。
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アウリスは話し相手を待たせているはずだ。邪魔になってしまったのではないかと、ベルタは不安になった。
「平気か?」
「ええ、……あの」
続きを言おうとしたがアウリスに肩を抱かれ、言葉が引っ込んだ。
「二人ともありがとう。勇敢な友達がいてよかった」
「いいえ、そんなことないですよ」
クレアとヒューゴは顔を見合わせて笑顔になる。
その二人の門前でアウリスが顔を寄せてくる。ベルタは思わず身構えた。
「向こうの話がまとまったら合流する。後でな」
「……あ、分かったわ」
頷くと、ぽん、と頭を撫でられた。
「お二人とも、一旦失礼します」
アウリスが去るのを三人で見送る。
ただの連絡だ。そうと分かり少し顔が熱い。
(……重症だわ)
だが無理やり友人たちへ向き直ると、二人の方が赤くなっているので驚いた。
「破廉恥ね」
「えっ、ど、どこが?」
「あの人、いつもあんな感じなの? やだぁ……」
もじもじするクレアにヒューゴはため息をつく。
「クレアには見てほしくなかったな……あんなお手本」
「いやよ、見るわよ。見ない方が失礼なくらい素敵だったもの」
「僕はあんなふうにはできないよ」
雲行きが怪しい。ベルタは強引に話を戻した。
「と、とにかく……クレア、ヒューゴ。助けてくれてありがとう」
二人は再び顔を見合わせて微笑んだ。
「正直に言うと、噂通りじゃなくてよかったって思ってるわ」
「そんなにさっきの話は広まってるのね」
「噂の本人、ザカリーだったかな。その人が自ら吹聴してるみたいなんだ」
「……そう」
男爵家から勘当された割には元気そうだ。
ザカリーを止めたいとは思わなかった。所詮は噂だ。いつかは飽きられて忘れ去られる運命にある。
とはいえ、二人に対しては心苦しかった。
「本当のこと、教えられなくてごめんね」
「いいのよ。『魔術卿』と結婚するくらいの何かがあったんでしょう? 今はそれだけ分かればいいわ」
その言葉に息が詰まる。
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