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これまでのことが吹っ飛んでしまうくらい、驚いた。
もう遅いものだとばかり思っていたから。
「どこ……?」
「あっち。見てすぐ分かったんだ」
サイトスはがらくたの山の向こうを指した。
自分のことのようにいても立ってもいられなくて、立ち上がってそれを目で探す。
彼の兄はデータだとハンフレイは言っていた。だから私は何かしらの記憶装置の形を思い描いていた。でも、どこにもない。
当の本人は悠長にもそれぞれの上着をお互いに着せて、それからようやく、狭い道を先導した。
その先にあったのは、冷蔵庫くらい大きなコンピュータだ。
「これ……が」
それは部屋の隅に黒い影のように佇んでおり、埃まみれの外カバーには擦ってできたような細かな傷が無数にあった。
サイトスはそこらの山からキーボードと旧型モニターを引っ張り出すと、それらを彼の兄と繋ぐ。起動させるつもりらしい、けど。
「この部屋に電源はなかったはず」
配管は全てこの空間を避けていた。天井の明かりは埋め込みなのだろう。
すると、サイトスはコードをジャケットから取り出し、その一方を後頭部に、もう一方をコンピュータに差し込んだ。途端に電気回路上の全てが起動して、唸り声を上げ始める。
慌ててそれを抜こうと手を伸ばす。けれど、あっけなく手首を掴まれた。
「何を消費してるの?!」
「心配ないって。ここまできて無謀なことはしないよ。だから、ほら」
腰を引き寄せられた勢いで、サイトスの膝に座らされる。丁度モニターの真正面だ。
後ろから伸びてきた手がキーをいくつか押し込んだ。モニターは暗転を繰り返し、やがて暗い緑色の背景を映し始める。
「ありがとうな、アイビー。俺をここまで導いてくれて」
画面上に誰かの全身の俯瞰したモデルが現れた。
「ケイロンだ。冥府に流れる苦悩の川……アケローンから取ったって、親父たちは言ってた」
彼はサイトスに似ていた。頭の形なんかは特に。ただ違うのは、サイトスのような人工皮膚の体じゃなくて、サイボーグのような鋼鉄の見た目をしているところだ。
画面の中で、ケイロンは何をするでもなく、ただ足を揃え、両腕を体側から離した奇妙な格好のまま立っていた。
「そもそも俺たちを設計したのは基盤意識だったんだ。十数年前まで、基盤意識はドームを管理する一方で、ドームの外に適応できる生物に求められる能力と、それを持った人間について考えていた」
基盤意識はサイボーグ技術を認可する一方、クローニングや遺伝子操作には、以前から断固として反対している。
「もちろん新規の生命を創ることを基盤意識が求めたことは一度もない。けど、基盤意識の管理者の数人はコンピュータの考案に実際的な価値を見出してしまった。それで、彼らは基盤意識から設計図を盗んで地下へ逃げたんだ」
盗んだ、というワードに、さっきのサイトスのうわ言を思い出す。
「エンフィレウム、っていうのは?」
「基盤意識とその管理者たちのことだ。管理者は、ドームの外で書かれた本で『崩壊』を予言した聖典ってのを守ってる連中だ」
モニター上のケイロンは、時間が進んでいるのを疑うくらい微動だにしない。
「俺の親父たちもその一員だったんだ。神の炎を盗んだ人間ってやつだ。そしてその炎から神の眷属の最初の一人が生まれた」
サイトスは落ちつかなげに私を抱きしめた。
「親父たちは俺たちに、ドームの外に行って欲しがってた。地上に再び文明を築くのが人間の目標だ、っていつも言ってたよ。けどドームがドームである限りそれは絶対に叶わない。ここを出る方法はないからさ。それに……」
ケイロンの全身に陽炎が立ち上っている、と思ったのも束の間、首元から赤い光が現れる。
「あ……」
映像が倍速再生されていると知ったのは変化が始まってからだった。
火花が腕から、胸からはじけ飛ぶ。炎は全身に転移して、僅かな隙間からちろちろと舌を出す。
それも瞬く間のこと。酸素を食い潰した炎は、次なる糧を求めて体の外へ噴出した。
「俺たちには問題がありすぎて、とてもじゃないが現実的じゃなかった」
装甲が一つ一つ剥がれ落ちて虚空に消えていく。やがて胴体の中身が露出して、黒い煙と水蒸気が上がり、いつしか骨組みだけが残って、それすら炎は嘗め尽くす。
どれほどの時間だったのか。
『シミュレーション終了』
その冷淡な文字が表示されても、目にはまだ鮮烈な火の色が焼きついていた。
「……ケイロンは生まれなかったの?」
「そう、だな。ケイロンは人格を創り出すに至らなかったんだ。そういう意味なら、生まれなかった。でも体は現実に作られて、俺が使ってる。そう思ってるよ」
「そっか……」
画面が暗転し、作業ログが高速で流れ始める。
「これはコピーして、本体は空にする。元々そのつもりで探してたんだ」
これからは一緒なんだ。
たとえ壊れ続ける姿だとしても、彼にとっては家族だから。
「その、お父さんたちはどうなったの?」
「ある日捕まった。まあ終身刑だろうな」
背後で肩をすくめる気配がした。
最後のプロセスが終了する。
「帰ろう、アイビー」
「……うん」
両手が私の太腿をぽんと叩いて、二人で一緒に立ち上がった。
扉の外は細い廊下で、リフト側の逆から、あの熱い風が吹いてきていた。あとは上がるだけとはいえ、気が滅入る。
「街に戻ったら、アイビーの世話しないとな」
「ペットみたいに言って……」
「いーや、患者だよ。熱中症気味だ。塩分摂らせないと」
サイトスは不自然に口をつぐんだ。
仰ぎ見ると、背後を見つめて固まっている。
「……?」
振り向いたその時、ライトが点灯し、暴力的な光量を浴びせられた。
厳ついシルエットが佇んでいる。
巡回ロボだ。
「IDはお持ちですか。ここは夜間閉鎖区域に指定されています」
電子音声が朗々と響く。
サイトスは私を背後に押しやった。
「先に行け」
ヒューマノイドが両腕を肩の高さに構えた。ヘッドライトの逆光の中で見えないけれど、あれは。
「いいから」
「わ、かった」
竦みそうな足を地面から剥がすように動かし、走った。
「逃げないでください。IDを把握します」
無機質な声が追いかけてきて、その残響が消え入らないうちに、耳を劈くような破裂音がした。
悲鳴が出そうになるのをこらえて、ただ走って、ようやくリフトに辿り着く。
迷わず上昇のボタンを押し込む。上がるスピードを考えたら、彼を待ってはいられない。
「……サイトスッ!」
再びの銃声と、それに紛れる二人分の足音。
どうにかしないと。
考える。冷や汗が滲む。決心する。
リフトを降りて、廊下に飛び込んだ。
彼はすぐそこまで近づいている。
「早く!」
一つだけ確信している。
ロボットは人間を傷つけられない。
駆け込んできたサイトスを後ろに追いやって、両腕を広げて立ち塞がった。
「……ッ」
ロボットはぴたりと動きを止めた。
赤いモノアイと射線が痛いほど私を狙っている。銃口の奥が覗けそうだ。
「あ、アイビー」
サイトスを踵で蹴って急かした。リフトは動き続けているのだから。
躓きそうになりながら、私たちはじりじりと後退してゆく。それを追ってロボットは前進する。
ようやくリフトに辿り着き、先に上ったサイトスに体を持ち上げられる間、銃口は隙を窺ってミリ単位で角度を変えていた。
天井が迫る。
最下階が狭まっていく。
銃口が閉じてゆく。
「……ああッ! ったく!」
タックル並みの強烈な抱擁を受けて、全身が一気にくたくたになった。
心臓はまだバクバクしている。胸から飛び出してしまいそう。
「死ぬかと思った!」
でも、なぜだか笑いが零れた。
もう遅いものだとばかり思っていたから。
「どこ……?」
「あっち。見てすぐ分かったんだ」
サイトスはがらくたの山の向こうを指した。
自分のことのようにいても立ってもいられなくて、立ち上がってそれを目で探す。
彼の兄はデータだとハンフレイは言っていた。だから私は何かしらの記憶装置の形を思い描いていた。でも、どこにもない。
当の本人は悠長にもそれぞれの上着をお互いに着せて、それからようやく、狭い道を先導した。
その先にあったのは、冷蔵庫くらい大きなコンピュータだ。
「これ……が」
それは部屋の隅に黒い影のように佇んでおり、埃まみれの外カバーには擦ってできたような細かな傷が無数にあった。
サイトスはそこらの山からキーボードと旧型モニターを引っ張り出すと、それらを彼の兄と繋ぐ。起動させるつもりらしい、けど。
「この部屋に電源はなかったはず」
配管は全てこの空間を避けていた。天井の明かりは埋め込みなのだろう。
すると、サイトスはコードをジャケットから取り出し、その一方を後頭部に、もう一方をコンピュータに差し込んだ。途端に電気回路上の全てが起動して、唸り声を上げ始める。
慌ててそれを抜こうと手を伸ばす。けれど、あっけなく手首を掴まれた。
「何を消費してるの?!」
「心配ないって。ここまできて無謀なことはしないよ。だから、ほら」
腰を引き寄せられた勢いで、サイトスの膝に座らされる。丁度モニターの真正面だ。
後ろから伸びてきた手がキーをいくつか押し込んだ。モニターは暗転を繰り返し、やがて暗い緑色の背景を映し始める。
「ありがとうな、アイビー。俺をここまで導いてくれて」
画面上に誰かの全身の俯瞰したモデルが現れた。
「ケイロンだ。冥府に流れる苦悩の川……アケローンから取ったって、親父たちは言ってた」
彼はサイトスに似ていた。頭の形なんかは特に。ただ違うのは、サイトスのような人工皮膚の体じゃなくて、サイボーグのような鋼鉄の見た目をしているところだ。
画面の中で、ケイロンは何をするでもなく、ただ足を揃え、両腕を体側から離した奇妙な格好のまま立っていた。
「そもそも俺たちを設計したのは基盤意識だったんだ。十数年前まで、基盤意識はドームを管理する一方で、ドームの外に適応できる生物に求められる能力と、それを持った人間について考えていた」
基盤意識はサイボーグ技術を認可する一方、クローニングや遺伝子操作には、以前から断固として反対している。
「もちろん新規の生命を創ることを基盤意識が求めたことは一度もない。けど、基盤意識の管理者の数人はコンピュータの考案に実際的な価値を見出してしまった。それで、彼らは基盤意識から設計図を盗んで地下へ逃げたんだ」
盗んだ、というワードに、さっきのサイトスのうわ言を思い出す。
「エンフィレウム、っていうのは?」
「基盤意識とその管理者たちのことだ。管理者は、ドームの外で書かれた本で『崩壊』を予言した聖典ってのを守ってる連中だ」
モニター上のケイロンは、時間が進んでいるのを疑うくらい微動だにしない。
「俺の親父たちもその一員だったんだ。神の炎を盗んだ人間ってやつだ。そしてその炎から神の眷属の最初の一人が生まれた」
サイトスは落ちつかなげに私を抱きしめた。
「親父たちは俺たちに、ドームの外に行って欲しがってた。地上に再び文明を築くのが人間の目標だ、っていつも言ってたよ。けどドームがドームである限りそれは絶対に叶わない。ここを出る方法はないからさ。それに……」
ケイロンの全身に陽炎が立ち上っている、と思ったのも束の間、首元から赤い光が現れる。
「あ……」
映像が倍速再生されていると知ったのは変化が始まってからだった。
火花が腕から、胸からはじけ飛ぶ。炎は全身に転移して、僅かな隙間からちろちろと舌を出す。
それも瞬く間のこと。酸素を食い潰した炎は、次なる糧を求めて体の外へ噴出した。
「俺たちには問題がありすぎて、とてもじゃないが現実的じゃなかった」
装甲が一つ一つ剥がれ落ちて虚空に消えていく。やがて胴体の中身が露出して、黒い煙と水蒸気が上がり、いつしか骨組みだけが残って、それすら炎は嘗め尽くす。
どれほどの時間だったのか。
『シミュレーション終了』
その冷淡な文字が表示されても、目にはまだ鮮烈な火の色が焼きついていた。
「……ケイロンは生まれなかったの?」
「そう、だな。ケイロンは人格を創り出すに至らなかったんだ。そういう意味なら、生まれなかった。でも体は現実に作られて、俺が使ってる。そう思ってるよ」
「そっか……」
画面が暗転し、作業ログが高速で流れ始める。
「これはコピーして、本体は空にする。元々そのつもりで探してたんだ」
これからは一緒なんだ。
たとえ壊れ続ける姿だとしても、彼にとっては家族だから。
「その、お父さんたちはどうなったの?」
「ある日捕まった。まあ終身刑だろうな」
背後で肩をすくめる気配がした。
最後のプロセスが終了する。
「帰ろう、アイビー」
「……うん」
両手が私の太腿をぽんと叩いて、二人で一緒に立ち上がった。
扉の外は細い廊下で、リフト側の逆から、あの熱い風が吹いてきていた。あとは上がるだけとはいえ、気が滅入る。
「街に戻ったら、アイビーの世話しないとな」
「ペットみたいに言って……」
「いーや、患者だよ。熱中症気味だ。塩分摂らせないと」
サイトスは不自然に口をつぐんだ。
仰ぎ見ると、背後を見つめて固まっている。
「……?」
振り向いたその時、ライトが点灯し、暴力的な光量を浴びせられた。
厳ついシルエットが佇んでいる。
巡回ロボだ。
「IDはお持ちですか。ここは夜間閉鎖区域に指定されています」
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サイトスは私を背後に押しやった。
「先に行け」
ヒューマノイドが両腕を肩の高さに構えた。ヘッドライトの逆光の中で見えないけれど、あれは。
「いいから」
「わ、かった」
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無機質な声が追いかけてきて、その残響が消え入らないうちに、耳を劈くような破裂音がした。
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迷わず上昇のボタンを押し込む。上がるスピードを考えたら、彼を待ってはいられない。
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どうにかしないと。
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リフトを降りて、廊下に飛び込んだ。
彼はすぐそこまで近づいている。
「早く!」
一つだけ確信している。
ロボットは人間を傷つけられない。
駆け込んできたサイトスを後ろに追いやって、両腕を広げて立ち塞がった。
「……ッ」
ロボットはぴたりと動きを止めた。
赤いモノアイと射線が痛いほど私を狙っている。銃口の奥が覗けそうだ。
「あ、アイビー」
サイトスを踵で蹴って急かした。リフトは動き続けているのだから。
躓きそうになりながら、私たちはじりじりと後退してゆく。それを追ってロボットは前進する。
ようやくリフトに辿り着き、先に上ったサイトスに体を持ち上げられる間、銃口は隙を窺ってミリ単位で角度を変えていた。
天井が迫る。
最下階が狭まっていく。
銃口が閉じてゆく。
「……ああッ! ったく!」
タックル並みの強烈な抱擁を受けて、全身が一気にくたくたになった。
心臓はまだバクバクしている。胸から飛び出してしまいそう。
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