後悔 「あるゲイの回想」短編集

ryuuza

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第4話 「高校時代のクラスメイト」

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高校時代、あまり親しくしていた訳でもないクラスメイトと偶然池袋で会った。
向こうから声をかけてきた。

「○○君だろ?東京にきていたんだな」
※これから先の2人の会話は本当は田舎の方言です

「ああ、A君だよね?A君も東京だったんだ」

高校時代、A君とは殆どプライベートな話をしたことはなかった。

一応、お互いの電話番号を教え合い、その場は分かれた。

数日後、A君から電話があり、僕の部屋に遊びに行っていいかと聞かれた。
断る理由もないので、日を決めて会うことにした。

決めた日にA君は時間通りに僕の部屋を訪ねてきた。
2人で少し酒を飲みながら(まだ18歳だったけど)、話をした。
何を話したかは随分前のことなので、よく覚えていない。

ただ、途中で酒に酔った訳でもないのに、A君が、ちょっと気分が悪いと言い出した。
額に手を当てると熱っぽかった。
検温してみたら38度を超えていた。

「病院に行く?」と聞くと

「今日はもう遅いから」と言うので

結局、僕の部屋に寝かせて、僕が看病することになった。
薬局に行って薬を買ってきて飲ませたり、食事もおかゆを作って食べさせたりした。
夜中に汗をかいたので、僕の下着を貸してあげて着替えてもらったりした。
一晩中看病してた訳じゃないけど、できることはした。

次の日、熱を測ってみると36度台まで下がっていた。

「A君、熱が下がって良かったね」

「ごめん、世話になったね。迷惑かけてごめん」

A君には、そんなに深い付き合いがあった訳でもないので、嫌な印象や思い出はなかった。
ちょっと可愛いかなと思ったことがあるくらいだった。

熱も下がり、A君も起き上がって、また少し話をした。
その中で、今でもはっきり覚えているA君の言葉がある。

いつの間にか彼女はいるの?というような話になっていた。

僕が「いないよ」と言うと、A君も

「僕もいない」と答えた。

その後のA君の言葉を鮮明に覚えている。

「女の子とそう言う関係になったら、SEXする時に子供が出来ないように配慮しなきゃいけないよね。
でも男同士だったら、その心配はないよね」

突然だったので、僕は、は?と思ってしまった。
何と答えていいか困ってしまって、なんと答えたかは覚えていないけど、とにかく何か言ってはぐらかしたのは覚えている。

今思い出してみると、あれは僕を誘っていたんじゃないだろうかとも思う。
A君は性格が僕と似ていて、内向的な性格だった。
あれ、ひょっとしたら勇気を出して言ってみた言葉だったんじゃないだろうかと。

もし僕が気を利かせて

「じゃあA君、僕とやってみる?」

と誘ったらどうなっていただろうか?

彼は「いや、冗談だよ。そんな意味じゃないよ」

と行っただろうか?それともお互い童貞同士でお互い男も初めてで、手探りで経験していただろうか?
初体験の相手と言うのは特別なものだ。
もしそれがA君だったら、僕はA君に夢中になっていたかもしれない。
だって18歳の頃って、まだ自分の求めるタイプとかも、よく分からない、決まっていない時期だから。

現実は、僕がはぐらかしたこともあって、そのままA君は去っていった。

その後、A君に会うことはなかった。

あの時、不器用な僕ではなくて、気を利かせて彼を誘うことができるような性格だったら、もしかしたら初体験になっていたかもと、ちょっと後悔してる。

いつもだけど、本当に僕は内気で不器用だ。これが本当の僕の後悔かもしれない。
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