23 / 46
23
しおりを挟む
「やっぱり、あんただったか……」
「あら?お気付きでしたの?」
ソニアは後ろに男共を引き連れて、目の前までやって来た。
原作では、優しいく大人しい娘だったんだけどね。
どんな心境があったのか知らんが、随分恨まれてるらしいねぇ。
「私は、あんたに恨まれるような事はしてないはずだけどねぇ?」
「いいえ。あなたの存在自体が邪魔なんです」
「それは困ったねぇ。ちなみに、なんで私が邪魔なんだい?」
「いいでしょう。最期に教えて差し上げます。そもそも、あなたがロベルト様の妹なのがいけないのです」
ああ。それは、私のせいではないね。
神様レベルの問題だよ。
「ロベルト様は、いつもあなたのことばかり!婚約が決まったのは本当に夢のようだったわ。でも、セルヴィロ家にはあなたがいる!またいつか、あなたにロベルト様を取られてしまうかもと思うと、気が気ではないの!!私の安息の為、幸せになる為、あなたには消えてもらう必要があるのよ!」
なるほど、恋心を拗らせたか。参ったね。
ソニアが心配になるのも、良くわかる。
婚約を決めたのも、兄様の気まぐれかもしれないと思っているんだろう。
でも、すまないね。
私もここで死ぬ訳にはいかない。
「……私はあんたを義姉だと思っていたんだがね」
「それは光栄です。では、その義姉の為に死んでください!!」
ソニアが合図を出し、男共が襲いかかって来る。
それにしても、人数が多い。
一人では、ちと厄介だ。
「サラ!すまないが、半分頼めるかい!?」
「任せてください!」
サラはスカートを捲ると、太ももに括りつけたナイフを手にして、男たち目掛けて投げた。
狙いは的確!男達の額に一撃だ。
「やるね!私も負けてはいられない、よっ!」
パンッ!!
後ろから襲ってきた男を、振り向きざまに銃で撃ち抜いく。
すぐに次の男が襲ってくる。
片足を引っ掛け、転ばせ右手の剣でとどめを刺しながら、左手の銃で襲ってくる男達を撃ち抜いていく。
周りは既に血の海。返り血で服も真っ赤だ。
それでもまだまだ来る。
──キリがない!
「サラ!大丈夫かい!?」
「余裕ですよ!ミレーナ様こそ大丈夫ですか!?疲れが見えますけど」
「まだまだ行けるよ!」
いや、サラにはああ言ったが、正直足に来ている。
この身体で長期戦は初めてだからね。
しかも人数が多い。
──どこから湧いて来るんだか不思議なもんだよ、まったく。
銃も弾切れだ。
このままではまずいね。サラに迷惑かけちまう。
そんな事を思っていると、頭上から男が襲ってきた。
「ミレーナ様っ!!」
サラの悲鳴に近い声で、「はっ!」とするが身体が動かない。
──しまった!!
間に合わないと思い目を閉じたが、痛みがない。
恐る恐る目を開けてみると、目の前に大きな影。
「ミレーナ様、今がその時ですよね?」
よく見るとエリオだった。
助けてもらっといて悪いんだが、そのニヤついてる顔が、無性に腹立たしい。
しかし、助かった。
今回ばかりは、本気でダメだと思ったからね。
「ありがとう。助かったよ」
「サラがいたんで、自分が出ることもないと思ってたんですが、思ったより手こずってますね」
「ああ。思ったより人数が多くてね。しかも、いくらでも湧いて出てくる」
「もうすぐロベルト様と殿下も駆けつけます。それまで持ちこたえますよ!」
「当たり前!」
──さぁ、もうひと踏ん張り頑張るよ!
「あら?お気付きでしたの?」
ソニアは後ろに男共を引き連れて、目の前までやって来た。
原作では、優しいく大人しい娘だったんだけどね。
どんな心境があったのか知らんが、随分恨まれてるらしいねぇ。
「私は、あんたに恨まれるような事はしてないはずだけどねぇ?」
「いいえ。あなたの存在自体が邪魔なんです」
「それは困ったねぇ。ちなみに、なんで私が邪魔なんだい?」
「いいでしょう。最期に教えて差し上げます。そもそも、あなたがロベルト様の妹なのがいけないのです」
ああ。それは、私のせいではないね。
神様レベルの問題だよ。
「ロベルト様は、いつもあなたのことばかり!婚約が決まったのは本当に夢のようだったわ。でも、セルヴィロ家にはあなたがいる!またいつか、あなたにロベルト様を取られてしまうかもと思うと、気が気ではないの!!私の安息の為、幸せになる為、あなたには消えてもらう必要があるのよ!」
なるほど、恋心を拗らせたか。参ったね。
ソニアが心配になるのも、良くわかる。
婚約を決めたのも、兄様の気まぐれかもしれないと思っているんだろう。
でも、すまないね。
私もここで死ぬ訳にはいかない。
「……私はあんたを義姉だと思っていたんだがね」
「それは光栄です。では、その義姉の為に死んでください!!」
ソニアが合図を出し、男共が襲いかかって来る。
それにしても、人数が多い。
一人では、ちと厄介だ。
「サラ!すまないが、半分頼めるかい!?」
「任せてください!」
サラはスカートを捲ると、太ももに括りつけたナイフを手にして、男たち目掛けて投げた。
狙いは的確!男達の額に一撃だ。
「やるね!私も負けてはいられない、よっ!」
パンッ!!
後ろから襲ってきた男を、振り向きざまに銃で撃ち抜いく。
すぐに次の男が襲ってくる。
片足を引っ掛け、転ばせ右手の剣でとどめを刺しながら、左手の銃で襲ってくる男達を撃ち抜いていく。
周りは既に血の海。返り血で服も真っ赤だ。
それでもまだまだ来る。
──キリがない!
「サラ!大丈夫かい!?」
「余裕ですよ!ミレーナ様こそ大丈夫ですか!?疲れが見えますけど」
「まだまだ行けるよ!」
いや、サラにはああ言ったが、正直足に来ている。
この身体で長期戦は初めてだからね。
しかも人数が多い。
──どこから湧いて来るんだか不思議なもんだよ、まったく。
銃も弾切れだ。
このままではまずいね。サラに迷惑かけちまう。
そんな事を思っていると、頭上から男が襲ってきた。
「ミレーナ様っ!!」
サラの悲鳴に近い声で、「はっ!」とするが身体が動かない。
──しまった!!
間に合わないと思い目を閉じたが、痛みがない。
恐る恐る目を開けてみると、目の前に大きな影。
「ミレーナ様、今がその時ですよね?」
よく見るとエリオだった。
助けてもらっといて悪いんだが、そのニヤついてる顔が、無性に腹立たしい。
しかし、助かった。
今回ばかりは、本気でダメだと思ったからね。
「ありがとう。助かったよ」
「サラがいたんで、自分が出ることもないと思ってたんですが、思ったより手こずってますね」
「ああ。思ったより人数が多くてね。しかも、いくらでも湧いて出てくる」
「もうすぐロベルト様と殿下も駆けつけます。それまで持ちこたえますよ!」
「当たり前!」
──さぁ、もうひと踏ん張り頑張るよ!
45
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢だけど、男主人公の様子がおかしい
真咲
恋愛
主人公ライナスを学生時代にいびる悪役令嬢、フェリシアに転生した。
原作通り、ライナスに嫌味を言っていたはずだけど。
「俺、貴族らしくなるから。お前が認めるくらい、立派な貴族になる。そして、勿論、この学園を卒業して実力のある騎士にもなる」
「だから、俺を見ていてほしい。……今は、それで十分だから」
こんなシーン、原作にあったっけ?
私は上手く、悪役令嬢をやれてるわよね?
小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました〜モブのはずが第一王子に一途に愛されています〜
みかん桜
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。
ここは、乙女ゲームが舞台の小説の世界だった。
悪役令嬢が主役で、破滅を回避して幸せを掴む——そんな物語。
私はその主人公の姉。しかもゲームの妹が、悪役令嬢になった原因の1つが姉である私だったはず。
とはいえ私はただのモブ。
この世界のルールから逸脱せず、無難に生きていこうと決意したのに……なぜか第一王子に執着されている。
……そういえば、元々『姉の婚約者を奪った』って設定だったような……?
※2025年5月に副題を追加しました。
お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
あーもんど
恋愛
ある日、悪役令嬢に憑依してしまった主人公。
困惑するものの、わりとすんなり状況を受け入れ、『必ず幸せになる!』と決意。
さあ、第二の人生の幕開けよ!────と意気込むものの、人生そう上手くいかず……
────えっ?悪役令嬢って、家族と不仲だったの?
────ヒロインに『悪役になりきれ』って言われたけど、どうすれば……?
などと悩みながらも、真っ向から人と向き合い、自分なりの道を模索していく。
そんな主人公に惹かれたのか、皆だんだん優しくなっていき……?
ついには、主人公を溺愛するように!
────これは孤独だった悪役令嬢が家族に、攻略対象者に、ヒロインに愛されまくるお語。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる