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予定よりも滞在が長引いたが、本日帰路に着く。
途中ダンテ達の屋敷にも寄らなければならないからな。
滞在中はカルロが毎日やって来ては、他愛のない話をして帰って行き、また次の日やって来るの繰り返しだった。
しかし、それが何故か楽しく心地よかった。
ジルベルトとは、旅先でも剣の稽古だった。
ジルベルトらしくて思わず笑えたな。
アレンは……あまり来なかったな。
「ミレーナ、私は先に行く。ゆっくり戻ってくるといい」
「ああ、気おつけて」
「……お前も」
アレンが先に帰路へ旅立った。
さて、私らも準備出来次第行くとするかね。
「ダンテ、マウロ!準備出来たかい?」
「お嬢!すみません!ダンテの奴がもうちょっと!」
「おう!終わったぜ!」
出てきたのは物凄い量を詰め込んだであろうリュックに、両手には食べ物の袋が目一杯。
子供たちのお土産なんだろう。
「よし!行くか!いざ、帰還!」
「「お---!!」」
※
「で、ミレーナ様は誰と結婚するんです?」
ブーーーー!!!
馬車の中で優雅に紅茶を飲んでたら、馬に乗ったマウロが聞いてきたもんだから、紅茶が吹き出た。
「ミレーナ様!!何してるんですか!?」
サラ、すまん。だが悪いのはマウロだ。
「そりゃ、アレッシオ王子だろ?住んでる国の王子から求婚なんて、そこら辺の令嬢は飛び上がって喜ぶぜ!?」
「ダンテ、それは普・通・の・令嬢の場合。ミレーナ様は普通じゃない」
「エリオ!?なに急に出てきて失礼なこと言ってんだい!?」
「俺を置いていって何言ってるんですか!?起きたら居ないからビックリしましたよ!」
しまった。忘れてた……。
「エリオは置いてきても、ちゃんと着いてくるんで気にしなくてもいいですよ」
サラが援護してくれた。
確かに隣国ぐらいの距離なら気にすることもないな。
「さて、そろそろダンテらの屋敷だ」
「ああ、みんな変わりなければいいんだが」
近く付くにつれて、ダンテとマウロがソワソワし始めた。
屋敷が見え、外で数人の子供が遊んでるのが見える。
「あっ!ダンテとマウロだ!!」
「本当だ!!」
子供たちが気付き、こちらへ走って来た。
「こら!走るな!危ないだろ!」
「ただいま。ちゃんとお利口にしてましたか?」
ダンテとマウロは馬を降りて、子供たちを出迎えた。
子供らはそんな二人に抱きついた。
いい光景だ。
「お姉ちゃん!!」
リリが私に駆け寄り、飛びついてきた。
「おっと!リリただいま。急に飛びつくのは危ないぞ」
リリの頭を撫でながら、軽く注意しとく。
良かった。皆変わり無さそうだ。
「レーナ!!」
嫌な声が聞こたな……。
声のする方を見ると、屋敷の前で兄様が仁王立ちしている。
やっぱり。
「兄様、なぜこんな所にいるんですか?」
「そんな事はどうでもいい!その腕はどうした!?」
ヤバい。まだ傷がしっかり塞がってないから包帯をしているんだった。
「いや、これはちょっと……色々ありまして?」
「はあ、詳しいことはうちに戻ってから聞こう」
とりあえず、今すぐのお説教は回避出来たようだ。
そして、アジトである屋敷の中に入ると驚いた。
初めて見た時とは比べ物にならないくらい片付いて、清潔さが保たれている。
「うちの者が頑張ってくれたよ。相変わらず、レーナはお人好しなんだから」
これは、凄いねぇ。
立派な屋敷になったじゃないか。
「兄様、頑張ってくれた者に褒美をお願いしますね」
「仕方ないね」
これなら安心して、うちに戻れるね。
あとは、こいつらだけでやって行けるだろう。
「ダンテにマウロ……この先何があろうと、あんたらは私の部下だ。何かあったら私を頼りな」
「ああ、お嬢に出会えて良かったよ」
「エリオはたまに寄越すよ。稽古を付けなきゃいけないからね」
多少腕は上がったが、まだまだ弱い。
何かあった時、全員を護れるぐらい強くならきゃいけないからね。
ま、エリオはブツブツ文句言ってたがね。
「私もたまには顔を出すようにするから、達者でやりな!」
「おう!ありがとよ!」
そう言って、ダンテらと別れた。
──さて、いざ我が家へ!
途中ダンテ達の屋敷にも寄らなければならないからな。
滞在中はカルロが毎日やって来ては、他愛のない話をして帰って行き、また次の日やって来るの繰り返しだった。
しかし、それが何故か楽しく心地よかった。
ジルベルトとは、旅先でも剣の稽古だった。
ジルベルトらしくて思わず笑えたな。
アレンは……あまり来なかったな。
「ミレーナ、私は先に行く。ゆっくり戻ってくるといい」
「ああ、気おつけて」
「……お前も」
アレンが先に帰路へ旅立った。
さて、私らも準備出来次第行くとするかね。
「ダンテ、マウロ!準備出来たかい?」
「お嬢!すみません!ダンテの奴がもうちょっと!」
「おう!終わったぜ!」
出てきたのは物凄い量を詰め込んだであろうリュックに、両手には食べ物の袋が目一杯。
子供たちのお土産なんだろう。
「よし!行くか!いざ、帰還!」
「「お---!!」」
※
「で、ミレーナ様は誰と結婚するんです?」
ブーーーー!!!
馬車の中で優雅に紅茶を飲んでたら、馬に乗ったマウロが聞いてきたもんだから、紅茶が吹き出た。
「ミレーナ様!!何してるんですか!?」
サラ、すまん。だが悪いのはマウロだ。
「そりゃ、アレッシオ王子だろ?住んでる国の王子から求婚なんて、そこら辺の令嬢は飛び上がって喜ぶぜ!?」
「ダンテ、それは普・通・の・令嬢の場合。ミレーナ様は普通じゃない」
「エリオ!?なに急に出てきて失礼なこと言ってんだい!?」
「俺を置いていって何言ってるんですか!?起きたら居ないからビックリしましたよ!」
しまった。忘れてた……。
「エリオは置いてきても、ちゃんと着いてくるんで気にしなくてもいいですよ」
サラが援護してくれた。
確かに隣国ぐらいの距離なら気にすることもないな。
「さて、そろそろダンテらの屋敷だ」
「ああ、みんな変わりなければいいんだが」
近く付くにつれて、ダンテとマウロがソワソワし始めた。
屋敷が見え、外で数人の子供が遊んでるのが見える。
「あっ!ダンテとマウロだ!!」
「本当だ!!」
子供たちが気付き、こちらへ走って来た。
「こら!走るな!危ないだろ!」
「ただいま。ちゃんとお利口にしてましたか?」
ダンテとマウロは馬を降りて、子供たちを出迎えた。
子供らはそんな二人に抱きついた。
いい光景だ。
「お姉ちゃん!!」
リリが私に駆け寄り、飛びついてきた。
「おっと!リリただいま。急に飛びつくのは危ないぞ」
リリの頭を撫でながら、軽く注意しとく。
良かった。皆変わり無さそうだ。
「レーナ!!」
嫌な声が聞こたな……。
声のする方を見ると、屋敷の前で兄様が仁王立ちしている。
やっぱり。
「兄様、なぜこんな所にいるんですか?」
「そんな事はどうでもいい!その腕はどうした!?」
ヤバい。まだ傷がしっかり塞がってないから包帯をしているんだった。
「いや、これはちょっと……色々ありまして?」
「はあ、詳しいことはうちに戻ってから聞こう」
とりあえず、今すぐのお説教は回避出来たようだ。
そして、アジトである屋敷の中に入ると驚いた。
初めて見た時とは比べ物にならないくらい片付いて、清潔さが保たれている。
「うちの者が頑張ってくれたよ。相変わらず、レーナはお人好しなんだから」
これは、凄いねぇ。
立派な屋敷になったじゃないか。
「兄様、頑張ってくれた者に褒美をお願いしますね」
「仕方ないね」
これなら安心して、うちに戻れるね。
あとは、こいつらだけでやって行けるだろう。
「ダンテにマウロ……この先何があろうと、あんたらは私の部下だ。何かあったら私を頼りな」
「ああ、お嬢に出会えて良かったよ」
「エリオはたまに寄越すよ。稽古を付けなきゃいけないからね」
多少腕は上がったが、まだまだ弱い。
何かあった時、全員を護れるぐらい強くならきゃいけないからね。
ま、エリオはブツブツ文句言ってたがね。
「私もたまには顔を出すようにするから、達者でやりな!」
「おう!ありがとよ!」
そう言って、ダンテらと別れた。
──さて、いざ我が家へ!
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