申し訳ないけど、悪役令嬢から足を洗らわせてもらうよ!

甘寧

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「いや~。なんだかんだで、やっぱ自宅が一番だね!」

長い旅行が終わり、ようやく自分のベッドに着いた。
早速、ベッドにダイブ!

「ミレーナ様!!先にお風呂へ行ってください!!」

サラは帰ってきても、通常運転だ。
サラはこうでなくてはな。

「今日ぐらいは多めに見ておくれよ。如何せん疲れた」

コンコン

「レーナ、着替えがすんだら私の所へ来なさい」

ああ、お説教かね。
しょうがない。もう覚悟していたことだ。
もうひと仕事頑張ってくるかね。



「レーナ、僕が言いたいこと分かってるよね?」

着替えを済ませ、兄様の執務室へとやって来た。
ソファに座り、目の前には兄様。
分かっておりますとも、説教を聞きに来たんだからね。

「はい……。今回の件、兄様及び屋敷の者達にまで迷惑をかけてしまって、大変申し訳ありませんでした。叱られる覚悟は出来ております」

「それはもういいよ」

他かい!?これだと思ったんだけどねぇ……。

「あっ、もしかして傷の事ですか?」

あと思い浮かぶのはこれしかないんだけど。

「それは勿論だけど、それじゃない」

「すみません、思い当たらいのですが……」

ダンテらの事でもない、傷の事でもない、後何かしたか?

「……三人から求婚されたらしいじゃないか」

それか!!せっかく忘れてたのに、思い出せやがって。
でも、それ説教事案か?

「まったくレーナは僕のものなんだから、軽々求婚なんかされたらダメだよ?」

いや、それは無理じゃないか?
こっちも不可抗力だ。

「いいかい、レーナは結婚なんかせずこの屋敷に僕と居ればいい。僕もこの間の件で結婚はしないと決めたからね」

この間の件……。ソニアか。
ま、婚約者があんな事件を起こせばトラウマにもなるだろう。
しかし結婚はしないにしても、私はここを出る予定だからね。
今回の旅で色んな人間が見れた。
私はこの世界の色んな場所を見てみたい。
そして、私が役に立てることを探すんだ。
これはいくら兄様でも譲れない。

「いえ、兄様。私には夢が出来ました。今すぐとは言いませんが、ここを出て世界を見て回りたいのです。これは兄様だろうと覆せません」

……シーーーン……

この沈黙が怖い……。

「はあ、レーナは一度決めると曲げないからね。分かったよ。でも、結婚は別だ」

またそこ引っ張り出すのかい!?

「……しばらく婚約も結婚もするつもりはありません。だから安心してください」

「そうかい?なら、まあ良いとしよう」

──いい加減、妹離れしておくれ!

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