申し訳ないけど、悪役令嬢から足を洗らわせてもらうよ!

甘寧

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気持ちに気づいて、いざ伝えようとすると、中々前に踏み出せない……。
まさか自分にこんな臆病な所があるなんて、今の今まで気づかなかったよ。
そんなこんなで、気持ちを伝えられず三日も経ってしまった。

──いい加減言わないとね……。

ズルズルしているのは相手にも良くない。
そんな事を考えながら学園の廊下を歩いている。

「おや?ミレーナじゃないですか」

ふいに声をかけられて振り向くと、そこにはカルロが立っていた。

「あっ………」

「どうしたんです?」

私の想い人。


それは……


カルロ

原作から好きだったが、現実でもやはり惹かれてしまったらしい。
原作と現実とは、やはり違いはあった。
原作では、その頭の良さと親友の為にカナリヤとアレンの仲を取り持った、親友思いのいい男。
しかし、現実のカルロはどこか腹黒さが滲み出てて、何を考えているか分からない男。
しかし、そこがいいのかもしれない。
元々周りがそう奴ばっかだったから、逆に落ち着くのかもねぇ。

カルロの事は隣国に滞在中、良く話をするようになってから気になりだした。
決定打はカルロの結婚話。
これは流石に驚いた。
今更私が気持ちを伝えても遅いかもしれない。
しかし、伝えないよりは全然いい。
伝えるだけ伝えて、それが砕けるようならそれまで。
潔く独り身を貫こう。

──よし!

「……ちょっと付き合ってくれるかい?」

「ミレーナからの誘いなんて珍しいですね」

カルロを連れて、いつもの中庭へ。
心臓がバクバクうるさい。

──もうちょっと静かに出来ないのかね!?

「それで、何の用でしょう?」

「……えっと……」

あ゛~!!言え!!自分!!

「……そうだ、私の結婚相手ですが海を越えたブラン国の第二王女に決まりました」

「えっ?」

カルロの言葉で頭が真っ白になった。
決まった?私がグズグズしてるから?
気づいた時には涙が頬を伝っていた。

「………ヤだ」

「はい?」

「嫌だって言ってんだよ!!カルロは私が好きだったんじゃないのかい!?好きじゃない奴の所に行って幸せなのかい!?男なら自分の気持ち貫きなよ!!根性見せろ!」

これは、告白とは言えない……。
逆ギレだ。

「なぜ、そんな事言うんです?」

「~~~っっ!!……き、だから……」

「え?」

「好きだからって言ってんだろ!!」

自分で言うのもなんだが、色気もへったくりもない告白だ。

「……まったく、ようやく言ってくれましたね」

今だに止まることのできないでいる涙を指で拭いながら、カルロが答えた。

「へ?」

「すみません。カマをかけてみました。最初から私に結婚相手などいませんよ」

「はぁぁぁ!?」

……やられた。
全てはカルロの手の内だったか……。

「まあ、確率的には五分かな?と思ってたんですが、上手くハマってくれて良かったですよ」

「私にとっては、一生に一度の告白だったんだが?」

「それは光栄ですね。これから先、私だけという事でしょう?」

本当にこの男は……。
こんな奴だから、私には丁度いいんだけど。

「さて、ミレーナ。結婚式はいつにします?」

フワッと身体が持ち上がり、カルロに抱き抱えられた。

「うわっ!!結婚式!?まだ、早い!!それよりも下ろせ!!」

「私の可愛い妻を堪能しているんですよ。我慢してください」

──ああ、敵わない。

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