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保険は計画的に
その後……
改めてジルと初めて話すことが出来た。
初めて言葉を交わすジルは陰から見てきた人物と同一なのか疑ってしまうほど静かで大人しい人物だった。
……ローベルトのいる所では。
「貴方、殿下が優しいからって調子に乗ってんじゃないわよ」
ローベルトの部屋を出たところでジルに呼び止められ、人気の付かない場所に連れ込まれた所でいちゃもんを付けられた。
リリーは怖がるどころかジルが通常運転で安堵し、そして歓喜した。
「ちょっと、貴方!!聞いてるの!?」
「聞いてます聞いてます!!むしろ、もっと罵ってください!!!」
「──は?」
食いつき気味に返事を返すと、眉間に皺を寄せ怪訝な表情を浮かべた。
リリーは形はどうあれ、こうしてジルと知り合いになれたことが心から嬉しかった。
これからは正々堂々と正面から眺める事が出来ると。
「あの、実は、私、ジル様に憧れていまして……いつも陰ながら見ておりました!!……それで、その、差し支えがないようでしたら、あの……お姉様と呼ばせてください!!!!」
「へ?ファン……?お姉様……?──はぁぁ!?」
リリーは一世一代の告白かのように、頭を下げながらジルの前に手を差し出した。
当然、ジルは困惑した。
まさか、恋敵だと思っていた者が実は自分に憧れを持っていたと言うではないか。
「やはり、こんな私は気持ち悪いでしょうか……?」
シュンと落ち込んだ表情でリリーが言うと、ジルの胸にキュンッとしたものが生まれた。
「──……ゴホンッ。えぇぇと……まあ、貴方がそこまで言うのなら別に構わなくってよ」
「本当ですか!?嬉しい!!!」
頬を染め照れるようにしながらもリリーの事を受け入れてくれた。
自慢じゃないがリリーには友達と呼べるものがいない。
だからこそ、悪役令嬢だからとかじゃなく単純にジル本人に受け入れられたと言う事が嬉しかった。
「まあ!!ルーファス様ってその様な方でしたの!?」
あの日からジルは何度かリリーを屋敷を呼んでくれている。
最初の内はお互い探り探りだったが、今では普通に会話ができる仲になり、遂に婚約破棄を目論んでることを話したのだ。
その理由の一つにリリーに対する態度と温度差の違いを訴え、ローベルトもリリーの協力者として話を聞いてくれていたと今までの経緯を全て話して聞かせた。
ジルは真摯に話を聞いてくれ、自分の事の様に憤ってくれていた。
「──そう言えば最近、ルーファス様は子爵令嬢と逢い引きしているという噂を耳にしましたわ」
「きっと私に愛想が尽きたのでしょう。ですが、婚約は親同士の決めた事ですので中々当事者だけで婚約を破棄するのは難しいのです……」
「まあ……!!」
目を潤ませそれとなく言うと、ジルは同情するかのように目を潤ませた。
なんか騙しているようで心が痛むが、これもルーファスと婚約を破棄する為。
「リリーさん!!わたくしも微力ながらお手伝い致しますわ!!」
ジルはリリーの手を力強く掴み、目を輝かせて宣言した。
リリーは心の中でほくそ笑んだ。
仮にリリーが悪役令嬢になりきれなくて、原作の強制力かなんかでジルが悪役令嬢になってもこれで大丈夫。
原作ではジルの周りの人間も同じように裁きを受けた。
ジルの傍にいれば芋ずる式にリリーも追放、平民落ちになれる。いわばもしもの時の保険。
(この勝負勝った……!!)
❊❊❊❊
「ルーファスいるかい?」
「……ここを訪れる者はノックをするという礼儀を知らないんですかね?」
ノックもせず、ズカズカと我が物顔で入ってきたのは王太子殿下であるローベルト。
その顔は何やら企んでいるように、不敵に笑っていた。
「ああ、話が済んだらすぐ出て行くからお構いなく」
一応王太子と言う身分なので無下にも出来ず、侍女にお茶の用意を頼んだが長居はする気がないらしい。
「──で?なんの御用ですか?」
「君……婚約者であるリリー嬢を蔑ろにして、他の女性に現を抜かしているって本当かい?」
「は?」
「いや~君に限ってないとは思っているんだけど、一応確認の為にさ」
そう言いわれたルーファスには一つ思い当たる節があった。
最近ある令嬢にやたら付きまとわれている。
それも必ず人目のある場所で、笑顔で嬉しそうに駆け寄ってくる。
普通の男ならば喜ぶべき所なんだろうが、ルーファスは違う。
人目があるという事はある程度噂が立つと憶測していたが、まさかローベルトの耳にまで届いているとは思ってもみなかった。
「何を仰るかと思えば、馬鹿馬鹿しい……私がリリー以外の女性を本気で相手にすると?」
「へぇ……?」
冷静に否定するが、ローベルトにはルーファスが焦っているのが分かった。
「僕の婚約者のジルと最近は仲良くしてくれてるみたいで僕的にも助かってるよ。ほら、ジルって結構難しい性格しているだろ?」
ローベルトはジルの話をしだすと長い。
ルーファスは書類に目を通しながら話半分で聞いていた。
「──って事で、に森の魔術師まで仲間にして何やら企んでるみたいだよ?最近はジルまで森に入り浸りだからね。そろそろお仕置が必要かなって考えているんだけどね」
そう言いながらローベルトは楽しそうに微笑んだ。
ルーファスは溜息を吐きながらかけていた眼鏡を置くとローベルトに向き合った。
「殿下、私が何も知らないと?」
「と、言うと?」
「リリーに近づく男はすべて把握済みです。当然森の魔術師の件も……」
「へぇ~、その執着は見事だね」
先日の好きな人発言でリリーの身辺を再度調査した。
その結果引き合ったのが森の魔術師のアバンと呼ばれる男。
しかし、その男はただの相談役の様な存在でお互いに恋愛感情は感じられなかった。
ルーファスは安心しつつもアバンは使えると判断していた。
「まあ、君の事だから色々と耳に入っているんだろうとは思ってたけどさ。なんせ僕が見込んだ宰相殿だからね」
「殿下、そのような事を言う為だけでしたらいい加減帰ってください」
ローベルトは「やれやれ……」と呆れながら腰を上げると扉へ向かって行った。
「君達はもう少しお互いを知った方がいいと僕は思うよ?まあ、余計なお世話かもしれないけどね」
手をヒラヒラさせて部屋を出て行った。
ゆっくり閉まる扉を目にし、ルーファスは机の上にある書類に再び目を通し始めた。
改めてジルと初めて話すことが出来た。
初めて言葉を交わすジルは陰から見てきた人物と同一なのか疑ってしまうほど静かで大人しい人物だった。
……ローベルトのいる所では。
「貴方、殿下が優しいからって調子に乗ってんじゃないわよ」
ローベルトの部屋を出たところでジルに呼び止められ、人気の付かない場所に連れ込まれた所でいちゃもんを付けられた。
リリーは怖がるどころかジルが通常運転で安堵し、そして歓喜した。
「ちょっと、貴方!!聞いてるの!?」
「聞いてます聞いてます!!むしろ、もっと罵ってください!!!」
「──は?」
食いつき気味に返事を返すと、眉間に皺を寄せ怪訝な表情を浮かべた。
リリーは形はどうあれ、こうしてジルと知り合いになれたことが心から嬉しかった。
これからは正々堂々と正面から眺める事が出来ると。
「あの、実は、私、ジル様に憧れていまして……いつも陰ながら見ておりました!!……それで、その、差し支えがないようでしたら、あの……お姉様と呼ばせてください!!!!」
「へ?ファン……?お姉様……?──はぁぁ!?」
リリーは一世一代の告白かのように、頭を下げながらジルの前に手を差し出した。
当然、ジルは困惑した。
まさか、恋敵だと思っていた者が実は自分に憧れを持っていたと言うではないか。
「やはり、こんな私は気持ち悪いでしょうか……?」
シュンと落ち込んだ表情でリリーが言うと、ジルの胸にキュンッとしたものが生まれた。
「──……ゴホンッ。えぇぇと……まあ、貴方がそこまで言うのなら別に構わなくってよ」
「本当ですか!?嬉しい!!!」
頬を染め照れるようにしながらもリリーの事を受け入れてくれた。
自慢じゃないがリリーには友達と呼べるものがいない。
だからこそ、悪役令嬢だからとかじゃなく単純にジル本人に受け入れられたと言う事が嬉しかった。
「まあ!!ルーファス様ってその様な方でしたの!?」
あの日からジルは何度かリリーを屋敷を呼んでくれている。
最初の内はお互い探り探りだったが、今では普通に会話ができる仲になり、遂に婚約破棄を目論んでることを話したのだ。
その理由の一つにリリーに対する態度と温度差の違いを訴え、ローベルトもリリーの協力者として話を聞いてくれていたと今までの経緯を全て話して聞かせた。
ジルは真摯に話を聞いてくれ、自分の事の様に憤ってくれていた。
「──そう言えば最近、ルーファス様は子爵令嬢と逢い引きしているという噂を耳にしましたわ」
「きっと私に愛想が尽きたのでしょう。ですが、婚約は親同士の決めた事ですので中々当事者だけで婚約を破棄するのは難しいのです……」
「まあ……!!」
目を潤ませそれとなく言うと、ジルは同情するかのように目を潤ませた。
なんか騙しているようで心が痛むが、これもルーファスと婚約を破棄する為。
「リリーさん!!わたくしも微力ながらお手伝い致しますわ!!」
ジルはリリーの手を力強く掴み、目を輝かせて宣言した。
リリーは心の中でほくそ笑んだ。
仮にリリーが悪役令嬢になりきれなくて、原作の強制力かなんかでジルが悪役令嬢になってもこれで大丈夫。
原作ではジルの周りの人間も同じように裁きを受けた。
ジルの傍にいれば芋ずる式にリリーも追放、平民落ちになれる。いわばもしもの時の保険。
(この勝負勝った……!!)
❊❊❊❊
「ルーファスいるかい?」
「……ここを訪れる者はノックをするという礼儀を知らないんですかね?」
ノックもせず、ズカズカと我が物顔で入ってきたのは王太子殿下であるローベルト。
その顔は何やら企んでいるように、不敵に笑っていた。
「ああ、話が済んだらすぐ出て行くからお構いなく」
一応王太子と言う身分なので無下にも出来ず、侍女にお茶の用意を頼んだが長居はする気がないらしい。
「──で?なんの御用ですか?」
「君……婚約者であるリリー嬢を蔑ろにして、他の女性に現を抜かしているって本当かい?」
「は?」
「いや~君に限ってないとは思っているんだけど、一応確認の為にさ」
そう言いわれたルーファスには一つ思い当たる節があった。
最近ある令嬢にやたら付きまとわれている。
それも必ず人目のある場所で、笑顔で嬉しそうに駆け寄ってくる。
普通の男ならば喜ぶべき所なんだろうが、ルーファスは違う。
人目があるという事はある程度噂が立つと憶測していたが、まさかローベルトの耳にまで届いているとは思ってもみなかった。
「何を仰るかと思えば、馬鹿馬鹿しい……私がリリー以外の女性を本気で相手にすると?」
「へぇ……?」
冷静に否定するが、ローベルトにはルーファスが焦っているのが分かった。
「僕の婚約者のジルと最近は仲良くしてくれてるみたいで僕的にも助かってるよ。ほら、ジルって結構難しい性格しているだろ?」
ローベルトはジルの話をしだすと長い。
ルーファスは書類に目を通しながら話半分で聞いていた。
「──って事で、に森の魔術師まで仲間にして何やら企んでるみたいだよ?最近はジルまで森に入り浸りだからね。そろそろお仕置が必要かなって考えているんだけどね」
そう言いながらローベルトは楽しそうに微笑んだ。
ルーファスは溜息を吐きながらかけていた眼鏡を置くとローベルトに向き合った。
「殿下、私が何も知らないと?」
「と、言うと?」
「リリーに近づく男はすべて把握済みです。当然森の魔術師の件も……」
「へぇ~、その執着は見事だね」
先日の好きな人発言でリリーの身辺を再度調査した。
その結果引き合ったのが森の魔術師のアバンと呼ばれる男。
しかし、その男はただの相談役の様な存在でお互いに恋愛感情は感じられなかった。
ルーファスは安心しつつもアバンは使えると判断していた。
「まあ、君の事だから色々と耳に入っているんだろうとは思ってたけどさ。なんせ僕が見込んだ宰相殿だからね」
「殿下、そのような事を言う為だけでしたらいい加減帰ってください」
ローベルトは「やれやれ……」と呆れながら腰を上げると扉へ向かって行った。
「君達はもう少しお互いを知った方がいいと僕は思うよ?まあ、余計なお世話かもしれないけどね」
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