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侍女兼便利屋
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再び町を散策するレナーさん。
あちらこちらの店へ入り、あれはなんだ?これはなんだ?と言葉を覚えたばかりの子供の様に訊ねて来ました。
──正直、少々疲れました。
しかも行く先々で女性に声をかけられては、律儀に返事を返すので1ヶ所の滞在時間が長いのです。
6ヶ所目でいい加減、待ってられないので隣の店でお茶を頂いておりましたら、置いてかれたと勘違いしたレナーさんが飛び込んできました。
「マリー!!なんで僕を置いてくんだよ!?」
「……人聞きが悪いですね。置いていってませんよ?レナーさんは女性の方とお話があるようなので、私はこうしてお茶を頂きながら待っておりましたが?」
ズズッとお茶を啜りながら、レナーさんに説明しましたが、ムスッとしたままこちらを睨んでます。
「……僕にも頂戴」
喉が乾いたようで、レナーさんは私の飲みかけのお茶に手を伸ばしてきましたが、これはダメです。
王子に飲みかけのお茶を渡すのは、流石の私でも気が引けます。
「待ってください。今追加注文します」
「いいよこれで」
すぐに店員を呼ぼうとしましたが、レナーさんが素早く私のコップを手に取り一気に飲み干してしまいました。
……飲んでしまったものは仕方ありませんが、これ苦くありまでしたか?
私は湯に茶葉をしばらく付けて苦味を出したものが好きなのです。
一度ルイスさんが私の物だと知らずに口にして、盛大に吐き出した事例があります。
レナーさんを見るとやはり顔が真っ青になっておりますが、流石は王族の方です。
一度口にしたものは吐き出さないのですね。
頑張って堪えております。
──さて、飲みきれますか?
「~~~っ何これ!?毒!?」
おお!!飲み切りましたね!!
「失礼ですね。これはマリースペシャルです。ここのマスターに特別に作ってもらっております。──因みに私以外に飲みきった方はレナーさんが初です。素晴らしい!!」
パチパチと手を叩いて讃えてあげると、レナーさんは柄にもなく照れております。
さて、お茶も飲まれてしまいましたし、お小遣いも残り300ピール。
これでは、大した事出来そうにありませんね。
そろそろ日も暮れてきたことですし、町散策も終わりにしましょうか?
と思っていたのですが──
「……ねぇ、あとお金どのぐらい残ってる?」
「あと、300ピールですね」
「それ、僕が使っちゃってもいい?」
それは構いませんよ。元はゴリさんからの頂いた物ですし。1000ピールでも割りとお腹一杯になりました。
まあ、半分以上はレナーさんが貢いで頂いた物ですけど。
私は残りの300ピールをレナーさんに渡すと、「ここで待ってて」っと私に伝えるや否や外へと駆け出して行きました。
全財産持っていかれたのでお茶も飲めず、ただただ待ちぼうけです。
暫くすると、レナーさんは手に小さな包みを持って戻って参りました。
「……これ、やる……」
渡された包みを開けると、綺麗な蝶のモチーフの髪飾りでした。
「……今日一日、僕に付き合ってくれたから、お礼!!」
レナーさんは照れ隠しでしょうか。私と目を合わせないように横を向いていますが、耳が真っ赤ですよ?
それに、そんなぶっきらぼうに言われても困ります。……まあ、気持ちは有難く頂きます。
私はその髪飾りを早速付けて、レナーさんに見せました。
「どうですか?」
「……まあ、まあ、いいんじゃない?」
だから顔が真っ赤ですよ。
──これ、ゴリさんからのお小遣いなので、実際はゴリさんからの贈り物じゃ……?
まあ、細かい事を言うのは野暮ですね。
本日のお給金……蝶の髪飾り(レナーさんからの贈り物)
借金返済まで残り5億8千88万2100ピール
あちらこちらの店へ入り、あれはなんだ?これはなんだ?と言葉を覚えたばかりの子供の様に訊ねて来ました。
──正直、少々疲れました。
しかも行く先々で女性に声をかけられては、律儀に返事を返すので1ヶ所の滞在時間が長いのです。
6ヶ所目でいい加減、待ってられないので隣の店でお茶を頂いておりましたら、置いてかれたと勘違いしたレナーさんが飛び込んできました。
「マリー!!なんで僕を置いてくんだよ!?」
「……人聞きが悪いですね。置いていってませんよ?レナーさんは女性の方とお話があるようなので、私はこうしてお茶を頂きながら待っておりましたが?」
ズズッとお茶を啜りながら、レナーさんに説明しましたが、ムスッとしたままこちらを睨んでます。
「……僕にも頂戴」
喉が乾いたようで、レナーさんは私の飲みかけのお茶に手を伸ばしてきましたが、これはダメです。
王子に飲みかけのお茶を渡すのは、流石の私でも気が引けます。
「待ってください。今追加注文します」
「いいよこれで」
すぐに店員を呼ぼうとしましたが、レナーさんが素早く私のコップを手に取り一気に飲み干してしまいました。
……飲んでしまったものは仕方ありませんが、これ苦くありまでしたか?
私は湯に茶葉をしばらく付けて苦味を出したものが好きなのです。
一度ルイスさんが私の物だと知らずに口にして、盛大に吐き出した事例があります。
レナーさんを見るとやはり顔が真っ青になっておりますが、流石は王族の方です。
一度口にしたものは吐き出さないのですね。
頑張って堪えております。
──さて、飲みきれますか?
「~~~っ何これ!?毒!?」
おお!!飲み切りましたね!!
「失礼ですね。これはマリースペシャルです。ここのマスターに特別に作ってもらっております。──因みに私以外に飲みきった方はレナーさんが初です。素晴らしい!!」
パチパチと手を叩いて讃えてあげると、レナーさんは柄にもなく照れております。
さて、お茶も飲まれてしまいましたし、お小遣いも残り300ピール。
これでは、大した事出来そうにありませんね。
そろそろ日も暮れてきたことですし、町散策も終わりにしましょうか?
と思っていたのですが──
「……ねぇ、あとお金どのぐらい残ってる?」
「あと、300ピールですね」
「それ、僕が使っちゃってもいい?」
それは構いませんよ。元はゴリさんからの頂いた物ですし。1000ピールでも割りとお腹一杯になりました。
まあ、半分以上はレナーさんが貢いで頂いた物ですけど。
私は残りの300ピールをレナーさんに渡すと、「ここで待ってて」っと私に伝えるや否や外へと駆け出して行きました。
全財産持っていかれたのでお茶も飲めず、ただただ待ちぼうけです。
暫くすると、レナーさんは手に小さな包みを持って戻って参りました。
「……これ、やる……」
渡された包みを開けると、綺麗な蝶のモチーフの髪飾りでした。
「……今日一日、僕に付き合ってくれたから、お礼!!」
レナーさんは照れ隠しでしょうか。私と目を合わせないように横を向いていますが、耳が真っ赤ですよ?
それに、そんなぶっきらぼうに言われても困ります。……まあ、気持ちは有難く頂きます。
私はその髪飾りを早速付けて、レナーさんに見せました。
「どうですか?」
「……まあ、まあ、いいんじゃない?」
だから顔が真っ赤ですよ。
──これ、ゴリさんからのお小遣いなので、実際はゴリさんからの贈り物じゃ……?
まあ、細かい事を言うのは野暮ですね。
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