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グロッサ国
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「いい加減にしろ!!!」
いつもは穏やかなレナード様の怒鳴り声が響き渡ります。
その声に、揉み合っていたゴリさんもヤンさんも互いの服を掴みながらも動きは止まりました。
「何故、仲間内で揉めることがあるんだ!?仲間を助けたいと思うのは普通のことだろ!?それを断るのは仲間の裏切り行為だ!!」
──ほお、言う時は言うんですね。
ゴリさんはレナード様の言葉を聞いて、掴んでいたヤンさんの服を離しました。
「……そんな事は分かっている。だが、俺達兄弟の問題に命を掛けてもらいたくない」
「それ、違うね。ゴリさんの為に命を掛けてるんじゃないよ。僕ら自身の為に命張ってんの」
ティムさんが、ゴリさんの言葉を訂正する為、口を開きました。
「確かにこの国に来る時、ゴリさんだけでは行かせられないとは言ったけど、誰もゴリさんの為に命を掛けるなんて言ってないと思うけど?」
ティムさんがド正論をゴリさんにぶつけました。
ティムさんの言葉に続いてシモーネさん達も「自分の命は自分の為に使わなきゃねぇ」「ゴリさんに命掛けてたら、命いくらあっても足りないよ」と口々に仰っております。
「──正直、ゴリさんのご兄弟の問題はどうでもいいです。私はリチャードさんとゲルダさんの仇を取るために動きます」
更に私がトドメとばかりに、ゴリさんに伝えました。
そう。ご兄弟の問題はご兄弟間で解決してください。
私は何の罪もないゲルダさんと、レニさんを残して逝ったリチャードさんの無念を晴らします。残されたレニさんの為にも……
「へぇ~、マリーが報酬を強請らず自ら動くなんて珍しいね」
ティムさんがニヤニヤしながら、私を見ています。
「……今回は、乗りかかった船です。無給でやりますよ……」
「へぇ~」と、ティムさんが更に何か言いたそうにしておりましたが、それ以上は何も聞いてきませんでした。
そして、私達の会話を黙っていたゴリさんも結論が出たようです。
「……お前達の気持ちはよく分かった……真面目に考えてた俺が馬鹿だった……そうだよな、お前らはそう言う奴らだよ」
ゴリさんは自分の為に私達が命を掛けてくれていると思っていた様で、その当てが外れて少々落ち込んでおります。
「──当主様も、すまなかったな。あんたも辛い立場なのに」
「いえ、分かり合ってくれればいいんです。私こそ、貴方がたの事をよく知らずに偉そうなことを言いました。申し訳ありません」
ゴリさんとレナード様は互いに謝罪し合い、何とか落ち着きました。
「──……ゴホンッ。改めて、話を続けよう」
ソファーに座り直したゴリさんが、再び話を始めました。
「今回の件は、この国の国王達も承知している。そこで、数人の騎士も貸してくれると言っている」
「騎士なんて必要なくない?邪魔なだけだし」
「──って言うか、ゴリさんいつの間に国王と貸し借り出来る仲になってんの!?」
淡々と話すゴリさんに、ティムさんとルイスさんが問いかけました。
確かに、こんな平民で他国のどこの馬骨か分からない者が国のトップと簡単に謁見出来るとは思いません。
「ここの国王は、ちょっとした知り合いだ」
いや、そんな久々に会う友みたいないい方やめて貰えますか?
国王と知り合って、ゴリさんどれだけ顔が広いんですか……
私含め、他の方々も驚きすぎて言葉が出ないじゃないですか。
「いや、驚いた……まさかの国王と知り合いの方とは……」
レナード様もご存知無かったようですね。
まあ、わざわざ言うことでもありませんしね。
もうここまで来たら何を言われても驚きませんよ。
「さあ、前起きはここまでだ。今後の話を進めよう」
いつもは穏やかなレナード様の怒鳴り声が響き渡ります。
その声に、揉み合っていたゴリさんもヤンさんも互いの服を掴みながらも動きは止まりました。
「何故、仲間内で揉めることがあるんだ!?仲間を助けたいと思うのは普通のことだろ!?それを断るのは仲間の裏切り行為だ!!」
──ほお、言う時は言うんですね。
ゴリさんはレナード様の言葉を聞いて、掴んでいたヤンさんの服を離しました。
「……そんな事は分かっている。だが、俺達兄弟の問題に命を掛けてもらいたくない」
「それ、違うね。ゴリさんの為に命を掛けてるんじゃないよ。僕ら自身の為に命張ってんの」
ティムさんが、ゴリさんの言葉を訂正する為、口を開きました。
「確かにこの国に来る時、ゴリさんだけでは行かせられないとは言ったけど、誰もゴリさんの為に命を掛けるなんて言ってないと思うけど?」
ティムさんがド正論をゴリさんにぶつけました。
ティムさんの言葉に続いてシモーネさん達も「自分の命は自分の為に使わなきゃねぇ」「ゴリさんに命掛けてたら、命いくらあっても足りないよ」と口々に仰っております。
「──正直、ゴリさんのご兄弟の問題はどうでもいいです。私はリチャードさんとゲルダさんの仇を取るために動きます」
更に私がトドメとばかりに、ゴリさんに伝えました。
そう。ご兄弟の問題はご兄弟間で解決してください。
私は何の罪もないゲルダさんと、レニさんを残して逝ったリチャードさんの無念を晴らします。残されたレニさんの為にも……
「へぇ~、マリーが報酬を強請らず自ら動くなんて珍しいね」
ティムさんがニヤニヤしながら、私を見ています。
「……今回は、乗りかかった船です。無給でやりますよ……」
「へぇ~」と、ティムさんが更に何か言いたそうにしておりましたが、それ以上は何も聞いてきませんでした。
そして、私達の会話を黙っていたゴリさんも結論が出たようです。
「……お前達の気持ちはよく分かった……真面目に考えてた俺が馬鹿だった……そうだよな、お前らはそう言う奴らだよ」
ゴリさんは自分の為に私達が命を掛けてくれていると思っていた様で、その当てが外れて少々落ち込んでおります。
「──当主様も、すまなかったな。あんたも辛い立場なのに」
「いえ、分かり合ってくれればいいんです。私こそ、貴方がたの事をよく知らずに偉そうなことを言いました。申し訳ありません」
ゴリさんとレナード様は互いに謝罪し合い、何とか落ち着きました。
「──……ゴホンッ。改めて、話を続けよう」
ソファーに座り直したゴリさんが、再び話を始めました。
「今回の件は、この国の国王達も承知している。そこで、数人の騎士も貸してくれると言っている」
「騎士なんて必要なくない?邪魔なだけだし」
「──って言うか、ゴリさんいつの間に国王と貸し借り出来る仲になってんの!?」
淡々と話すゴリさんに、ティムさんとルイスさんが問いかけました。
確かに、こんな平民で他国のどこの馬骨か分からない者が国のトップと簡単に謁見出来るとは思いません。
「ここの国王は、ちょっとした知り合いだ」
いや、そんな久々に会う友みたいないい方やめて貰えますか?
国王と知り合って、ゴリさんどれだけ顔が広いんですか……
私含め、他の方々も驚きすぎて言葉が出ないじゃないですか。
「いや、驚いた……まさかの国王と知り合いの方とは……」
レナード様もご存知無かったようですね。
まあ、わざわざ言うことでもありませんしね。
もうここまで来たら何を言われても驚きませんよ。
「さあ、前起きはここまでだ。今後の話を進めよう」
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