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あれから数日が過ぎた。
ブラウは日に日に顔色も良くなり、傷もほぼ消えた。
食欲も出てきたらしく、最近ではおかわりをするぐらいだ。
「コルネリアさん!お昼の準備が出来ましたよ-!!」
「ああ、今行く」
食事の用意はもっぱらブラウの係となった。
まだブラウがベッドから出れない時に、私が作ったスープを出したら、青い顔をしながら食べ切ってくれた。
何も全部飲み干さなくても良かったものを……
その次の日からブラウは調理場に立ち始めた。
──相当不味かったとみえる……
しかし、この生活も長くは続けられん。
ブラウはもう大丈夫だ。
こんな若者をこんな山奥に置いておく訳にはいかない。
「ブラウ、お前はもう体調も万全だ。奴隷でもなくなった。お前は自由になったんだ。こんな山奥にいつまでもいないで、街に出たらどうだ?」
街に行けば働き口もあるはずだ。
そして、沢山の人と出会い成長していく。
私の役目はここまでだ……
「……コルネリアさんは、俺が邪魔になったんですか?」
「何故そうなる?私はお前の事を考えて言っている」
ブラウの作ったスープとパンを口に運びながら、ゆっくりブラウに伝える。
「いいか、お前はまだ若いんだ。この先、結婚して子供が出来る。その時にしっかり働いていないと、一家の大黒柱としては失格だ」
「……俺は、結婚などしない……」
「そんなもの分かるはずなかろう?」
バンッ!!
「俺はここにいたい!!コルネリアさんと一緒にいたいんだ!!」
テーブルを思い切り叩きながら立ち上がり、大声でブラウが言うが、承諾は出来ない。
「……ダメだ。お前はここを出て、沢山の出会いや別れを繰り返してこい。そうして、大人になった時、ここに再び訪れればいい」
「~~~ッ」
ブラウは悲痛な顔をして私を見てきたが、ここで負ける訳にはいかない。
これはブラウの為なのだ。
ガタッ!!
「おいっ!!どこへ行く!!」
私が折れないと分かると、ブラウは家から出て行った。
──まずいな、今日は赤の月だ……
赤の月は、普段大人しい魔獣や獣でも凶暴になり見境なく人を襲う。
そして、この日は魔力が月に取られ魔法が使えない。
「……ちっ!」
私は剣を手に、ブラウを追った。
※
「ブラウ!!どこだ!!」
森の中を探して回っているが全く見当たらない。
早く見つけなければ、夜になってしまう!
それだけは避けたい!
「……くそっ!どこ行った!?」
探しながら先程のブラウの顔を思い出した。
──私の選択は間違っていたのだろうか……?
いや、ブラウの事を思うなら当然の選択だったはず。
しかし、当の本人はあんなにも悲痛な顔をしていた……
「ブラウ--!!返事をしろ!!」
結構奥までやって来たが、ブラウの姿はない。
──おかしい……森に来ていないのか?
そう思ったその時
「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ブラウの声が山全体に響き渡った。
「こっちか!!?」
急いで声のした方へ向かう。
そこには、牙熊が三頭ブラウを狙っている。
元は大人しい牙熊だが、赤の月の影響だろう。目の焦点が合っていない。
「ブラウ!!!」
「……コルネリアさん……」
ブラウは恐怖で腰が抜け、涙目になっていた。
「そこを動くな!!!」
私の声に牙熊が反応し、こちらに向かって来た。
これでいい……
「コルネリアさん!!!」
ブラウが心配して私の名を叫ぶが、牙熊など私には造作もない。
剣を素早く抜き、牙熊の攻撃を避けながら、まず二頭一緒にに首を狩る。
次にもう一頭の腹目掛けて剣を振り下ろした。牙熊は臓物が飛び出てその場に倒れた。
剣に付いた血を振り落とし、ブラウの元へ。
「無事か……?」
「え、あ、だ、大丈夫……です」
ブラウに手を差し出したが、ブラウは怯えた様子でこちらを見ていた。
「ああ、すまない、血だらけだったな」
今の私は返り血で真っ赤だった。
「あ、いえ、違うんです!コルネリアさん、こんなに強かったんですか……?」
まあ、一応団長を担っていたからな。
魔法騎士とは言え、剣もそれなりに使える。
「お、俺を……」
「ん?」
「俺をコルネリアさんの弟子にしてください!!」
──は?
ブラウは日に日に顔色も良くなり、傷もほぼ消えた。
食欲も出てきたらしく、最近ではおかわりをするぐらいだ。
「コルネリアさん!お昼の準備が出来ましたよ-!!」
「ああ、今行く」
食事の用意はもっぱらブラウの係となった。
まだブラウがベッドから出れない時に、私が作ったスープを出したら、青い顔をしながら食べ切ってくれた。
何も全部飲み干さなくても良かったものを……
その次の日からブラウは調理場に立ち始めた。
──相当不味かったとみえる……
しかし、この生活も長くは続けられん。
ブラウはもう大丈夫だ。
こんな若者をこんな山奥に置いておく訳にはいかない。
「ブラウ、お前はもう体調も万全だ。奴隷でもなくなった。お前は自由になったんだ。こんな山奥にいつまでもいないで、街に出たらどうだ?」
街に行けば働き口もあるはずだ。
そして、沢山の人と出会い成長していく。
私の役目はここまでだ……
「……コルネリアさんは、俺が邪魔になったんですか?」
「何故そうなる?私はお前の事を考えて言っている」
ブラウの作ったスープとパンを口に運びながら、ゆっくりブラウに伝える。
「いいか、お前はまだ若いんだ。この先、結婚して子供が出来る。その時にしっかり働いていないと、一家の大黒柱としては失格だ」
「……俺は、結婚などしない……」
「そんなもの分かるはずなかろう?」
バンッ!!
「俺はここにいたい!!コルネリアさんと一緒にいたいんだ!!」
テーブルを思い切り叩きながら立ち上がり、大声でブラウが言うが、承諾は出来ない。
「……ダメだ。お前はここを出て、沢山の出会いや別れを繰り返してこい。そうして、大人になった時、ここに再び訪れればいい」
「~~~ッ」
ブラウは悲痛な顔をして私を見てきたが、ここで負ける訳にはいかない。
これはブラウの為なのだ。
ガタッ!!
「おいっ!!どこへ行く!!」
私が折れないと分かると、ブラウは家から出て行った。
──まずいな、今日は赤の月だ……
赤の月は、普段大人しい魔獣や獣でも凶暴になり見境なく人を襲う。
そして、この日は魔力が月に取られ魔法が使えない。
「……ちっ!」
私は剣を手に、ブラウを追った。
※
「ブラウ!!どこだ!!」
森の中を探して回っているが全く見当たらない。
早く見つけなければ、夜になってしまう!
それだけは避けたい!
「……くそっ!どこ行った!?」
探しながら先程のブラウの顔を思い出した。
──私の選択は間違っていたのだろうか……?
いや、ブラウの事を思うなら当然の選択だったはず。
しかし、当の本人はあんなにも悲痛な顔をしていた……
「ブラウ--!!返事をしろ!!」
結構奥までやって来たが、ブラウの姿はない。
──おかしい……森に来ていないのか?
そう思ったその時
「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ブラウの声が山全体に響き渡った。
「こっちか!!?」
急いで声のした方へ向かう。
そこには、牙熊が三頭ブラウを狙っている。
元は大人しい牙熊だが、赤の月の影響だろう。目の焦点が合っていない。
「ブラウ!!!」
「……コルネリアさん……」
ブラウは恐怖で腰が抜け、涙目になっていた。
「そこを動くな!!!」
私の声に牙熊が反応し、こちらに向かって来た。
これでいい……
「コルネリアさん!!!」
ブラウが心配して私の名を叫ぶが、牙熊など私には造作もない。
剣を素早く抜き、牙熊の攻撃を避けながら、まず二頭一緒にに首を狩る。
次にもう一頭の腹目掛けて剣を振り下ろした。牙熊は臓物が飛び出てその場に倒れた。
剣に付いた血を振り落とし、ブラウの元へ。
「無事か……?」
「え、あ、だ、大丈夫……です」
ブラウに手を差し出したが、ブラウは怯えた様子でこちらを見ていた。
「ああ、すまない、血だらけだったな」
今の私は返り血で真っ赤だった。
「あ、いえ、違うんです!コルネリアさん、こんなに強かったんですか……?」
まあ、一応団長を担っていたからな。
魔法騎士とは言え、剣もそれなりに使える。
「お、俺を……」
「ん?」
「俺をコルネリアさんの弟子にしてください!!」
──は?
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