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「俺、感動しました!!俺もコルネリアさんみたいに剣術が上手くなりたい!!」

まさかこんな事になるとは……

「お前は、剣術より……」

「コルネリアさん!!」

私の言葉を遮り、ブラウが叫びに近い言葉で私に伝えてきた。

「俺は街に行くよりも、誰かと出会うよりも、コルネリアさんと一緒にいたいんです!!そして、コルネリアさんより強くなって、コルネリアを守るのが俺の夢なんです!!」

私より強くとは、大きく出たな……

「お願いです!俺に剣を教えてください!!そして、コルネリアさんと一緒に居させてください!!」

ブラウは深々私に頭を下げ、懇願した。

……ここまで言われたら、流石の私でもダメとは言えない。

「はあ~。仕方ない……分かった。私の負けだ」

「それじゃあ!?」

「ああ、ここに居てもいい。剣術も教えてやる」

「~~~~っやったぁぁぁ!!!!」

こんなに喜ぶとは、まだまだ子供だ。
まあ、いずれ出て行きたくなるだろう。その時まで、面倒見てやるか……


こうして、ブラウとの二人の生活が始まった。
まあ、今までと何ら変わりはないが……

「ほら!いつまで座ってんだ!?」

「ちょ、待って……」

一つだけ、剣術の稽古が加わった。
当然真剣じゃなく、木剣だ。
言っちゃなんだが、私は鬼教官で有名だったんだ。
子供だからって、甘っちょろい稽古はしない。

「そんなんじゃ、百年経っても私は越せないよ!!」

「……くそっ!」

カンッ!カンッ!

「そんな手当たり次第に打っても当たらないよ!!相手をよく見て、狙いを定めろ!!」

「んな事言ったて」

「泣き言言う暇があったら打ち込んでこい!!」

ブラウは剣の筋は悪くない。
だが、まだ鈍い。これじゃ牙熊にも勝てない。

カンッ!!!!

私の木剣がブラウの木剣を叩き落とした。

「……ここまでだ」

「くそっ!また負けた!!」

ブラウが悔しそうに地面を殴る。
こんな素人に負けていたら、団長は務まらない。
この悔しさがあるからこそ、強くなれる。

「さあ、顔を洗ってきな」

「……コルネリアさんって何者なんですか?」

ああ、ブラウには話してもいいだろうか?

──いや、まだ早いか……

「……時期が来たら教えてやる。それまで、精々励め」

ブラウの頭を撫でながら、答えた。

「もお、コルネリアさんはすぐ俺を子供扱いする!!俺、もう18なんだけど!?」

「は?」

驚いた。てっきり14、5だと思いこんでいた。
18はもう成人と言える歳だ。

「あ~!!その反応は子供だと思ってたんでしょ!?」

「いや、すまん。なんせ拾って来たばかりの頃はガリガリで背も私と差程変わらんかったからな」

今思えば、成長期の頃に栄養が足りてなったんだろう。

「俺が気にしてる事を!!」

ブラウが崩れ落ちた。

「あははははは!!すまんすまん。身長など気にする事はない。男は中身を磨け」

「中身?」

「ああ、そうだ。いい男ってのは見た目じゃない、中身だ」

どんなに顔が良くても、中身がクズではいい男とは言えない。

「ブラウには、まだ分からんかもな」

「また、子供扱いして!!」

「あははははは!!」

一頻り笑い、私は先に家へと戻った。

まさか今回も剣を握ることになるとはな……
しかし、やるからには立派な剣士に育て上げてみせる。
5年もすればブラウも巣立つだろう。それからのんびり過ごす事にしよう。

──拾った私の責任でもあるからな。

たった5年。そう、考えていた……

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