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「コルネリア--!!!」
「うおっ!!」
パウルとの感動の再会が済んだバジャーが、私の胸へ飛び込んできた。
「怖い思いをさせた。すまなかったな」
「いいだす!!きっと助けに来てくれるって分かってただすから!!」
そう言いながら、私の胸に頭を擦り付けているバジャーを撫でてやった。
……しかし、如何せん擦り付け過ぎだろ?
「……いつまでコルネリアの胸に挟まれているつもりなんです?」
案の定、ラルスに頭を掴まれ私の胸から離れて行った。
いや、ちょっとバジャー鼻血出てないか?
「いだだだだ!!動物虐待だす!!」
「獣ならコルネリアの胸に挟まれても良いと思っているんですか?神が許しても私が許しませんよ?」
「す、すまんかっただす……調子に乗りました…だす……」
鼻血を出しながら反省するアナグマとは……
「ラルス、そろそろ離してやれ」
「しかし……」
「ラルス」
「……分かりました。でも、次はないですよ?」
ラルスがバジャーを睨みつけると、バジャーは首が取れそうなほど縦に振った。
「……あの、今回はありがとうございました」
パウルが私の元へやって来て、深々頭を下げて礼を言うが、元はと言えば私がやらかしたこと。礼を言われる筋合いはない。
「パウル。礼など不要だ。今回の件は私が謝らねばならん事だ。すまなかった」
私はパウルに向かって頭を下げた。
「い、いえ!とんでもないです!!……それで、僕が魔石の製作者だって事は……」
「ああ、多分今頃、神殿にでも聞きに行ってるんじゃないか?──だが、あの父親がお前の事言うと思うか?」
まず、口に出すことはないな。
「で、でも、もしバレたら……」
バレて連れてかれるのを心配しているのだろう。
映像を記憶出来る魔石なんて、上の連中からしたら喉から手が出る程欲しいだろうからな。
「大丈夫だ。その時は私がお前を守ってやる」
「……コルネリアさん……!!」
パウルが目を輝かせて私を見つめてくる。
神官長とも約束している事だし、師匠として弟子を守る義務がある。
「じゃあ、僕はそろそろ失礼いたします」
「ああ、気をつけて帰りな」
私の言葉を聞いて安心したのか、バジャーを連れて洞窟に帰って行った。
「……ラルス。私がグスタフと殺り合っていた時、何か感じたか?」
ようやく落ち着き、ラルスにあの時の話をする。
突如聞こえたあの声が気になり、ラルスが何か感じなかった確かめたかったのだ。
「何かとは?」
「……いや、感じなかったならそれでいい」
ラルスは何も感じなかったらしい。
私の勘違いか?いや、そんなはずはない。ハッキリ聞こえたんだ。
しかもあの声、何処かで聞いた事ある。懐かしい声だった。
「そんな事より……コルネリア。今この部屋には私達二人だけなんですよ?」
「それがどうした?」
ブラウと爺さんは、ラルスの屋敷へ荷物を運び入れに行った。ミハイルも同様にラルスの屋敷へ。
ルー親子はリラと一緒に夕食作りに行った。
今この部屋には、ラルスと私の二人だけ。
「……貴方は何年経っても鈍感ですね。まあ、そんな所も愛しいんですが……」
ギシッとベッドに腰掛け、色気を放ちながら私の頬に触れる。
普通の女なら、ラルスの色気に当てられたら卒倒ものだが、相手は私だ。こいつの色仕掛けなど通用しない。
「……お前も何年経っても変わらんな」
「当然。私はコルネリアの為に生きているんですから」
徐々に距離が狭まり、ラルスの顔が近づいてきた。
──黙っていれば、いい男なんだがな。
ドカーン!!
「何だ!?」
もう少しで唇が触れそうになった時、窓を破壊し何者かが部屋に侵入してきた。
「うおっ!!」
パウルとの感動の再会が済んだバジャーが、私の胸へ飛び込んできた。
「怖い思いをさせた。すまなかったな」
「いいだす!!きっと助けに来てくれるって分かってただすから!!」
そう言いながら、私の胸に頭を擦り付けているバジャーを撫でてやった。
……しかし、如何せん擦り付け過ぎだろ?
「……いつまでコルネリアの胸に挟まれているつもりなんです?」
案の定、ラルスに頭を掴まれ私の胸から離れて行った。
いや、ちょっとバジャー鼻血出てないか?
「いだだだだ!!動物虐待だす!!」
「獣ならコルネリアの胸に挟まれても良いと思っているんですか?神が許しても私が許しませんよ?」
「す、すまんかっただす……調子に乗りました…だす……」
鼻血を出しながら反省するアナグマとは……
「ラルス、そろそろ離してやれ」
「しかし……」
「ラルス」
「……分かりました。でも、次はないですよ?」
ラルスがバジャーを睨みつけると、バジャーは首が取れそうなほど縦に振った。
「……あの、今回はありがとうございました」
パウルが私の元へやって来て、深々頭を下げて礼を言うが、元はと言えば私がやらかしたこと。礼を言われる筋合いはない。
「パウル。礼など不要だ。今回の件は私が謝らねばならん事だ。すまなかった」
私はパウルに向かって頭を下げた。
「い、いえ!とんでもないです!!……それで、僕が魔石の製作者だって事は……」
「ああ、多分今頃、神殿にでも聞きに行ってるんじゃないか?──だが、あの父親がお前の事言うと思うか?」
まず、口に出すことはないな。
「で、でも、もしバレたら……」
バレて連れてかれるのを心配しているのだろう。
映像を記憶出来る魔石なんて、上の連中からしたら喉から手が出る程欲しいだろうからな。
「大丈夫だ。その時は私がお前を守ってやる」
「……コルネリアさん……!!」
パウルが目を輝かせて私を見つめてくる。
神官長とも約束している事だし、師匠として弟子を守る義務がある。
「じゃあ、僕はそろそろ失礼いたします」
「ああ、気をつけて帰りな」
私の言葉を聞いて安心したのか、バジャーを連れて洞窟に帰って行った。
「……ラルス。私がグスタフと殺り合っていた時、何か感じたか?」
ようやく落ち着き、ラルスにあの時の話をする。
突如聞こえたあの声が気になり、ラルスが何か感じなかった確かめたかったのだ。
「何かとは?」
「……いや、感じなかったならそれでいい」
ラルスは何も感じなかったらしい。
私の勘違いか?いや、そんなはずはない。ハッキリ聞こえたんだ。
しかもあの声、何処かで聞いた事ある。懐かしい声だった。
「そんな事より……コルネリア。今この部屋には私達二人だけなんですよ?」
「それがどうした?」
ブラウと爺さんは、ラルスの屋敷へ荷物を運び入れに行った。ミハイルも同様にラルスの屋敷へ。
ルー親子はリラと一緒に夕食作りに行った。
今この部屋には、ラルスと私の二人だけ。
「……貴方は何年経っても鈍感ですね。まあ、そんな所も愛しいんですが……」
ギシッとベッドに腰掛け、色気を放ちながら私の頬に触れる。
普通の女なら、ラルスの色気に当てられたら卒倒ものだが、相手は私だ。こいつの色仕掛けなど通用しない。
「……お前も何年経っても変わらんな」
「当然。私はコルネリアの為に生きているんですから」
徐々に距離が狭まり、ラルスの顔が近づいてきた。
──黙っていれば、いい男なんだがな。
ドカーン!!
「何だ!?」
もう少しで唇が触れそうになった時、窓を破壊し何者かが部屋に侵入してきた。
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