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パラパラと破壊された窓の破片が落ちていく中、現れたのは銀髪の見目麗しい男。
「誰だ!!」
「誰だとは、ご挨拶だな」
微笑みながら、窓を破壊したのを詫びることなくズカズカと部屋の中へ入って来た。
「貴様は誰だ!!折角のチャンスをぶち壊してくれた責任は取ってくれるんでしょうね!?」
「……邪魔だ」
ラルスが制止しようと男の前に出たが、男はラルス向けて手をかざすと、一瞬でラルスは壁に叩きつけられた。
「ラルス!!!!」
ラルスの元に駆け寄ろうとするが、思うように体が動かない。
──くそっ!!こんな時に!!
そうこうしているうちに、男は私の目の前までやって来た。
「さあ、約束通り迎えに来たぞ」
「は?」
何を言っている?
私はこの男と会ったことも、そんな約束したことも無い。
……行くとは、何処に?
「──コル、ネリアから、離れ、なさい……」
壁に叩きつけられたラルスが、フラフラしながら立ち上がり、剣を構える。
「邪魔だと言っている。──ああ、そうか、殺して欲しいのか」
そう言うと男は、ポゥと手を光らせた。
「待て!!ラルスも待て!!」
慌てて二人を止める。
ラルスも気付いていると思うが、こいつの魔力は人並み外れている。
このまま殺り合えば、確実にラルスは命を落とす。
「何故止める?」
「そいつは、私の部下だ。手を出すな」
男を睨みつけ、ラルスを庇う。
睨みながら男の顔をよく見るが、やはり見覚えがない。
前世でも、今世でもこんな奴知らん。
──だが、この声……
「仕方ない。お前の頼みだ、聞いてやろう」
男が手を下ろすのを確認し、ホッとした所で本題へ移る。
「……お前は誰だ?何故、私を知っている?」
「お前は、私の事をよく知っているはずだが?」
「は?」
こいつ、会話にならん。
他の奴と間違えてるんじゃないのか?
「『ここで諦めるとは、お前らしくない』──この言葉に覚えは?」
イライラしている私に、ヒントとばかりに男がニヤニヤしながら言う。
「あの声!!お前か!!?」
「ああ、私だ。ちなみにグスタフを殺ったのも私だ」
何だと!?
「グスタフは、私の力を奪ったつもりでいたらしいが、貸してやってただけだ。それもこれもお前に会う為、お前に会えればグスタフは用済みだからな、力を返して貰った」
ちょっと待て、情報が追いつかない。
グスタフに力を貸していた?グスタフはドラゴンの魔力を手に入れたと言っていたぞ?
「長年私の力と大量の血を使い若返っていたが、私の力が無くなった事で、自分の力だけでは肉体を保てなくなったんだろう」
なるほど、それで急に体が老いたのか……
だが、こいつの話が本当ならば、こいつは──
「……ドラゴン……」
「ご名答」
ニコッと妖艶な笑みを見せた。
その瞬間、ゾワッと鳥肌が立つ。
それもそのはず、今私の目の前には私を殺したドラゴンがいるんだ。
──どうりで人並み外れた魔力を纏っているはずだ。
攻撃しようかと考えるが、今の私では到底勝てない。
──いや、怪我を負ってなくても勝てない。
そもそも、何故ドラゴンが人に姿を変えてまで私の元にやって来たんだ?
私を探していると言ったな。
謝罪でもしてくれるのか?
「私が何故来たのか。と言う顔をしているな」
「……そう見えるか?」
平常心を装っているが、内心バクバクだ。
こんな事、初めてかもしれない。
「約束したではないか。番として、迎えに行くと」
「は?」
「誰だ!!」
「誰だとは、ご挨拶だな」
微笑みながら、窓を破壊したのを詫びることなくズカズカと部屋の中へ入って来た。
「貴様は誰だ!!折角のチャンスをぶち壊してくれた責任は取ってくれるんでしょうね!?」
「……邪魔だ」
ラルスが制止しようと男の前に出たが、男はラルス向けて手をかざすと、一瞬でラルスは壁に叩きつけられた。
「ラルス!!!!」
ラルスの元に駆け寄ろうとするが、思うように体が動かない。
──くそっ!!こんな時に!!
そうこうしているうちに、男は私の目の前までやって来た。
「さあ、約束通り迎えに来たぞ」
「は?」
何を言っている?
私はこの男と会ったことも、そんな約束したことも無い。
……行くとは、何処に?
「──コル、ネリアから、離れ、なさい……」
壁に叩きつけられたラルスが、フラフラしながら立ち上がり、剣を構える。
「邪魔だと言っている。──ああ、そうか、殺して欲しいのか」
そう言うと男は、ポゥと手を光らせた。
「待て!!ラルスも待て!!」
慌てて二人を止める。
ラルスも気付いていると思うが、こいつの魔力は人並み外れている。
このまま殺り合えば、確実にラルスは命を落とす。
「何故止める?」
「そいつは、私の部下だ。手を出すな」
男を睨みつけ、ラルスを庇う。
睨みながら男の顔をよく見るが、やはり見覚えがない。
前世でも、今世でもこんな奴知らん。
──だが、この声……
「仕方ない。お前の頼みだ、聞いてやろう」
男が手を下ろすのを確認し、ホッとした所で本題へ移る。
「……お前は誰だ?何故、私を知っている?」
「お前は、私の事をよく知っているはずだが?」
「は?」
こいつ、会話にならん。
他の奴と間違えてるんじゃないのか?
「『ここで諦めるとは、お前らしくない』──この言葉に覚えは?」
イライラしている私に、ヒントとばかりに男がニヤニヤしながら言う。
「あの声!!お前か!!?」
「ああ、私だ。ちなみにグスタフを殺ったのも私だ」
何だと!?
「グスタフは、私の力を奪ったつもりでいたらしいが、貸してやってただけだ。それもこれもお前に会う為、お前に会えればグスタフは用済みだからな、力を返して貰った」
ちょっと待て、情報が追いつかない。
グスタフに力を貸していた?グスタフはドラゴンの魔力を手に入れたと言っていたぞ?
「長年私の力と大量の血を使い若返っていたが、私の力が無くなった事で、自分の力だけでは肉体を保てなくなったんだろう」
なるほど、それで急に体が老いたのか……
だが、こいつの話が本当ならば、こいつは──
「……ドラゴン……」
「ご名答」
ニコッと妖艶な笑みを見せた。
その瞬間、ゾワッと鳥肌が立つ。
それもそのはず、今私の目の前には私を殺したドラゴンがいるんだ。
──どうりで人並み外れた魔力を纏っているはずだ。
攻撃しようかと考えるが、今の私では到底勝てない。
──いや、怪我を負ってなくても勝てない。
そもそも、何故ドラゴンが人に姿を変えてまで私の元にやって来たんだ?
私を探していると言ったな。
謝罪でもしてくれるのか?
「私が何故来たのか。と言う顔をしているな」
「……そう見えるか?」
平常心を装っているが、内心バクバクだ。
こんな事、初めてかもしれない。
「約束したではないか。番として、迎えに行くと」
「は?」
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