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ヴィンの一件から数日が過ぎた。
一日おきにヴィンの様子は見に行っているが、悪くもなっていなければ、良くもなっていない。
いわゆる停滞状態だ。
パウルとバジャーはそれでもいいと言って、渾身的に看病している。
そして、私の課題だが。
思った以上に難航していた。
文献を読み漁っても、再生魔法に関して何一つ書かれていない。
ここまで来ると、本当にあるのか心配になってくる。
しかし、当のルー母さんは片腕にだいぶ慣れたらしく、またリラと一緒になって菓子を作ったりしている。
最近では、ブラウの稽古にも出てくるようになったし、前のルー母さんに戻りつつある。
「コルネリアさん!!早く、街行こうよ!!」
そう言いながら私に飛びついてきたのはリラだ。
ヴィンの事で忘れていたが、今街は祭りの真っ最中で大変賑わってるらしく、リラも行きたがっていた。
前に約束もしていた事だし、今日ブラウと共に行く事になっている。
「分かった分かった。ブラウはどうした?」
「ブラウはもう外で待ってるよ」
どうやら、待ちくたびれたブラウは外で待っているらしい。
──まったく、いつまで経っても子供だな。
こうして、ブラウとリラと街へと向かった。
※
「わぁぁぁ!!!凄い!!!」
街に着くと、辺りは人、人、人。
露店や屋台も様々あり、目移りしてしまう。
ブラウとリラは目を輝かせて辺りをキョロキョロしては、あれが食べたいだ、これが食べたいだ、言ってきて忙しい。
まあ、二人とも初めての祭りらしいから楽しくて仕方ないんだろうな。
ブラウは元は奴隷だから祭りなど無縁。リラはこの街出身だが、あの父親が祭りなどに行かせるはずは無いからな。
「コルネリアさん、早く早く!!」
「待て!!順番だ!!」
まずは年齢の下のリラからだ。
リラは可愛い髪留めや飴細工など女の子らしい物を欲しがった。
クロにもリラとお揃いの髪留めを土産にした。
ブラウは行きつけの鍛冶屋に行き、小刀をルーの分と一緒に買った。
あとは、留守番組に菓子や軽食など、三人の両手が一杯になるほど買い物をした。
──こんなに買い物したのは、前世でも今世でも初めてだ。たまにはいいな、こうやって買い物するのも。
大満足でウチに帰ろうとすると、急に周りの人々が慌てだした。
「きゃーーーーーー!!!!」
「なんだあれ!!?」
「えっ!?あれって……」
人々が上を見上げて口々に叫ぶのを見て、私も上を見上げた。
「……まさか……」
思わず声が出た。
私達の頭上には大きな翼を広げ、大空を悠々に飛ぶドラゴンの姿があった。
──ラコードの奴!!何してる!!?
「コルネリアさん!!ヤバいですよ!!」
「コルネリアさん……」
ブラウは顔面真っ青。リラは私に抱きつき震えている。
こいつらはまだ、ラコードがドラゴンだと言うことを知らない。
「……大丈夫だ。あいつは悪さはしない」
そう思っていたが、ラコードの奴は口を開け攻撃態勢に出た。
──何!?あいつ正気か!!?
「ブラウ!!リラを頼む!!私はあいつをぶん殴ってくる!!」
私は急いで、リラをブラウに預けラコードの背中の上に飛び、魔力を最大まで込めた拳を頭目掛けて撃ち込んだ。
ドーーーーーーーン!!!!!!
地上に叩きつけられた、ラコードはそのまま伸びている。
──このままここに置いておくのはまずい。一旦ウチに運ぶか。
辺りがザワザワとし始め人が集まってきた。
これ以上目立つのは本望じゃない。サッとラコード共々ウチまで飛んだ。
一日おきにヴィンの様子は見に行っているが、悪くもなっていなければ、良くもなっていない。
いわゆる停滞状態だ。
パウルとバジャーはそれでもいいと言って、渾身的に看病している。
そして、私の課題だが。
思った以上に難航していた。
文献を読み漁っても、再生魔法に関して何一つ書かれていない。
ここまで来ると、本当にあるのか心配になってくる。
しかし、当のルー母さんは片腕にだいぶ慣れたらしく、またリラと一緒になって菓子を作ったりしている。
最近では、ブラウの稽古にも出てくるようになったし、前のルー母さんに戻りつつある。
「コルネリアさん!!早く、街行こうよ!!」
そう言いながら私に飛びついてきたのはリラだ。
ヴィンの事で忘れていたが、今街は祭りの真っ最中で大変賑わってるらしく、リラも行きたがっていた。
前に約束もしていた事だし、今日ブラウと共に行く事になっている。
「分かった分かった。ブラウはどうした?」
「ブラウはもう外で待ってるよ」
どうやら、待ちくたびれたブラウは外で待っているらしい。
──まったく、いつまで経っても子供だな。
こうして、ブラウとリラと街へと向かった。
※
「わぁぁぁ!!!凄い!!!」
街に着くと、辺りは人、人、人。
露店や屋台も様々あり、目移りしてしまう。
ブラウとリラは目を輝かせて辺りをキョロキョロしては、あれが食べたいだ、これが食べたいだ、言ってきて忙しい。
まあ、二人とも初めての祭りらしいから楽しくて仕方ないんだろうな。
ブラウは元は奴隷だから祭りなど無縁。リラはこの街出身だが、あの父親が祭りなどに行かせるはずは無いからな。
「コルネリアさん、早く早く!!」
「待て!!順番だ!!」
まずは年齢の下のリラからだ。
リラは可愛い髪留めや飴細工など女の子らしい物を欲しがった。
クロにもリラとお揃いの髪留めを土産にした。
ブラウは行きつけの鍛冶屋に行き、小刀をルーの分と一緒に買った。
あとは、留守番組に菓子や軽食など、三人の両手が一杯になるほど買い物をした。
──こんなに買い物したのは、前世でも今世でも初めてだ。たまにはいいな、こうやって買い物するのも。
大満足でウチに帰ろうとすると、急に周りの人々が慌てだした。
「きゃーーーーーー!!!!」
「なんだあれ!!?」
「えっ!?あれって……」
人々が上を見上げて口々に叫ぶのを見て、私も上を見上げた。
「……まさか……」
思わず声が出た。
私達の頭上には大きな翼を広げ、大空を悠々に飛ぶドラゴンの姿があった。
──ラコードの奴!!何してる!!?
「コルネリアさん!!ヤバいですよ!!」
「コルネリアさん……」
ブラウは顔面真っ青。リラは私に抱きつき震えている。
こいつらはまだ、ラコードがドラゴンだと言うことを知らない。
「……大丈夫だ。あいつは悪さはしない」
そう思っていたが、ラコードの奴は口を開け攻撃態勢に出た。
──何!?あいつ正気か!!?
「ブラウ!!リラを頼む!!私はあいつをぶん殴ってくる!!」
私は急いで、リラをブラウに預けラコードの背中の上に飛び、魔力を最大まで込めた拳を頭目掛けて撃ち込んだ。
ドーーーーーーーン!!!!!!
地上に叩きつけられた、ラコードはそのまま伸びている。
──このままここに置いておくのはまずい。一旦ウチに運ぶか。
辺りがザワザワとし始め人が集まってきた。
これ以上目立つのは本望じゃない。サッとラコード共々ウチまで飛んだ。
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