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六
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「……ごめんなさい」
「済んじまったことだ、カトリーナお嬢様は謝らなくていい。所で今日、お嬢様はこの店に来た理由はなに? また……毒薬を買いに来たのか? 今度は誰を殺すんだ?」
今度は誰を殺すんだと、彼に刺すような冷たい目で見られた。
殺すだなんて……私はもう二度としたくない。
目の奥が熱い。私は一度、人としての道を外して彼を巻き込んだ。
「私は……」
「私は? なに?」
あの神様から貰ったチャンスを生かしたい。
「……しない」
「うん?」
「私は誰も殺さない、殺したくない。だから逃げた。どこに行こうかと悩んだときに、この店を思い出して来てしまったの」
「どこでもなく、俺の店を思い出したの?」
私は頷いた。目を閉じれば溢れそうな涙、でもそれを流したくなくて、唇をもっと強く噛んだ。
「カトリーナお嬢様……辞めろ」
えっ…。
私に近づく彼の顔、切れ長な青い目、唇の端をペロッと舐めた⁉︎
「やだっ……何をするのよ!」
「それは、カトリーナお嬢様が唇を噛むからだろう。唇の端が切れて血が出てた……ここには拭くものがないだから、だから舐めた」
「拭くものがないからって、舐めるなんて」
彼の突拍子のない行動で、驚き溜まっていた涙がポロポロと頬を流れた。
もうこうなったら涙は止まらない。
前の私は後のことを考えていなかった。自分のことしか考えていなかった。
彼を私のエゴのせいで巻き込んだ。
「……うっうう、ごっ、ごめんなさい。ご、ごめん」
私は必死に彼に頭を下げた。
「いや、俺も言いすぎた。急に時間が戻って混乱をしたのもある。嬉しいと思うけど、またかと胸が苦しくなる」
「なんでもする。私あなたのために、なんでもする」
私に出来ることはそれしかない。
「なんでもか?」
「はい、なんでもします」
「だったらカトリーナお嬢様。おじーの病気を治す手伝いをしてほしい」
おじー?
「俺さ両親いないんだ。小さい頃にカーラーの森に捨てられていた。そんな俺を魔法使いのおじーが拾ってくれたんだ。前回はあらゆる手を色々と尽くして治療を試みたけど、おじーを助けれなかった。今回はどうしても助けたい。俺は一人にはなりたく無いんだ」
彼の真剣な瞳、それに頷く。
「わかった。私は何をすればいいの?」
「病気を治す詳しい資料が欲しい。俺を王城の書庫に連れて行け。そこに行けばおじーを治せる、何か手がかりがあるかもしれない」
「王城の書庫……」
あらゆる蔵書が保存される場所。貴族でもおいそれと簡単には入ることができない。
私が王城に入るとしたら一つしかない。
「私に王子の婚約者候補になれと言っているの?」
「ああ、そうすれば中に簡単に入れるだろう? 他の手もあるが、用意するまでに時間が掛かるし危険だ。俺は楽をして中に入りたい」
「……っ」
王子の婚約者候補。
あと一ヶ月で十二歳だから、何もなければ婚約者候補に選ばれる。
私が王子を好きならなければいい、それだけの話だ。
私を裏切る王子なんて……前回は好きにならないときめて、彼にあったのに結局は好きになってしまった。
そして、あんな、最後を迎えた。
だから、逃げたんだ。私は怖い。王子とまた会えば好きになってしまうかもしれない。
今回、前回と同じになると、私はあなたをまた巻き込むことになる。
それが、とても怖い。
「……あ」
私の髪を優しく撫でてくれた。青い瞳が私を見つめる。
「わかってる、王子に会って好きになるのが怖いんだろ。カトリーナお嬢様は一人じゃない。同じ痕を持った俺がいる。俺にしなよ」
彼が近づいてくる。
「えっ、どう……んっ……」
強引に腰を引き寄せられて、今度は私の唇を奪った。ちゅ、ちゅっと小鳥のように啄まれた。
「やだ、やめて……」
「カトリーナ、俺を好きなれよ」
嫌だと、離れてもまた奪われる。やめて、私はキスは初めてなの。王子とはまだ手を繋いだことしかないの。
そのキスが深くなる、柔らかい彼の唇が幾度となく重なる。熱くなる体、怖い、待って……
私はまだ、あなたの名前すら知らない。
あなたのことを何にも知らない。
「んっ……」
「……カトリーナ」
あぁ、青い目に見つめられると、目が離せなくなる。体が熱い……こんな熱を私は知らない。
「んんっ……やっ……だぁ」
「やめてなんかやらない……もっとだ、もっとお前を俺に寄越せ……気持ちも全部だ。王子になってやるな。俺を見て俺だけを好きにれ」
「だから……まって」
これ以上は心臓がもたない
「はぁ、カトリーナ。ずっと、ずっと俺はお前を想っていた。この店に来た時から俺はお前が好きだ」
私を好き?
「こら、ライチ辞めろ! やめるんだ! チュチュ……キィーークッ」
「グフッ」
見事なネズミさんのキックが男の子の頬に決まった。そのネズミキックは体は小さいのに威力は抜群。男の子は壁まで吹っ飛んで行った。
「済んじまったことだ、カトリーナお嬢様は謝らなくていい。所で今日、お嬢様はこの店に来た理由はなに? また……毒薬を買いに来たのか? 今度は誰を殺すんだ?」
今度は誰を殺すんだと、彼に刺すような冷たい目で見られた。
殺すだなんて……私はもう二度としたくない。
目の奥が熱い。私は一度、人としての道を外して彼を巻き込んだ。
「私は……」
「私は? なに?」
あの神様から貰ったチャンスを生かしたい。
「……しない」
「うん?」
「私は誰も殺さない、殺したくない。だから逃げた。どこに行こうかと悩んだときに、この店を思い出して来てしまったの」
「どこでもなく、俺の店を思い出したの?」
私は頷いた。目を閉じれば溢れそうな涙、でもそれを流したくなくて、唇をもっと強く噛んだ。
「カトリーナお嬢様……辞めろ」
えっ…。
私に近づく彼の顔、切れ長な青い目、唇の端をペロッと舐めた⁉︎
「やだっ……何をするのよ!」
「それは、カトリーナお嬢様が唇を噛むからだろう。唇の端が切れて血が出てた……ここには拭くものがないだから、だから舐めた」
「拭くものがないからって、舐めるなんて」
彼の突拍子のない行動で、驚き溜まっていた涙がポロポロと頬を流れた。
もうこうなったら涙は止まらない。
前の私は後のことを考えていなかった。自分のことしか考えていなかった。
彼を私のエゴのせいで巻き込んだ。
「……うっうう、ごっ、ごめんなさい。ご、ごめん」
私は必死に彼に頭を下げた。
「いや、俺も言いすぎた。急に時間が戻って混乱をしたのもある。嬉しいと思うけど、またかと胸が苦しくなる」
「なんでもする。私あなたのために、なんでもする」
私に出来ることはそれしかない。
「なんでもか?」
「はい、なんでもします」
「だったらカトリーナお嬢様。おじーの病気を治す手伝いをしてほしい」
おじー?
「俺さ両親いないんだ。小さい頃にカーラーの森に捨てられていた。そんな俺を魔法使いのおじーが拾ってくれたんだ。前回はあらゆる手を色々と尽くして治療を試みたけど、おじーを助けれなかった。今回はどうしても助けたい。俺は一人にはなりたく無いんだ」
彼の真剣な瞳、それに頷く。
「わかった。私は何をすればいいの?」
「病気を治す詳しい資料が欲しい。俺を王城の書庫に連れて行け。そこに行けばおじーを治せる、何か手がかりがあるかもしれない」
「王城の書庫……」
あらゆる蔵書が保存される場所。貴族でもおいそれと簡単には入ることができない。
私が王城に入るとしたら一つしかない。
「私に王子の婚約者候補になれと言っているの?」
「ああ、そうすれば中に簡単に入れるだろう? 他の手もあるが、用意するまでに時間が掛かるし危険だ。俺は楽をして中に入りたい」
「……っ」
王子の婚約者候補。
あと一ヶ月で十二歳だから、何もなければ婚約者候補に選ばれる。
私が王子を好きならなければいい、それだけの話だ。
私を裏切る王子なんて……前回は好きにならないときめて、彼にあったのに結局は好きになってしまった。
そして、あんな、最後を迎えた。
だから、逃げたんだ。私は怖い。王子とまた会えば好きになってしまうかもしれない。
今回、前回と同じになると、私はあなたをまた巻き込むことになる。
それが、とても怖い。
「……あ」
私の髪を優しく撫でてくれた。青い瞳が私を見つめる。
「わかってる、王子に会って好きになるのが怖いんだろ。カトリーナお嬢様は一人じゃない。同じ痕を持った俺がいる。俺にしなよ」
彼が近づいてくる。
「えっ、どう……んっ……」
強引に腰を引き寄せられて、今度は私の唇を奪った。ちゅ、ちゅっと小鳥のように啄まれた。
「やだ、やめて……」
「カトリーナ、俺を好きなれよ」
嫌だと、離れてもまた奪われる。やめて、私はキスは初めてなの。王子とはまだ手を繋いだことしかないの。
そのキスが深くなる、柔らかい彼の唇が幾度となく重なる。熱くなる体、怖い、待って……
私はまだ、あなたの名前すら知らない。
あなたのことを何にも知らない。
「んっ……」
「……カトリーナ」
あぁ、青い目に見つめられると、目が離せなくなる。体が熱い……こんな熱を私は知らない。
「んんっ……やっ……だぁ」
「やめてなんかやらない……もっとだ、もっとお前を俺に寄越せ……気持ちも全部だ。王子になってやるな。俺を見て俺だけを好きにれ」
「だから……まって」
これ以上は心臓がもたない
「はぁ、カトリーナ。ずっと、ずっと俺はお前を想っていた。この店に来た時から俺はお前が好きだ」
私を好き?
「こら、ライチ辞めろ! やめるんだ! チュチュ……キィーークッ」
「グフッ」
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